髪の毛さえ残っていればにゃ☆
六駆の家の風呂でかおりとほのかの髪の毛を手に入れた七禍は注意深く、対象を観察していた。
そして、ゆっくりと咀嚼し始める。舌の上で術式を展開しつつ、髪の毛から得られる情報を吟味していた。
「にゃは☆かおりは戦闘からしばらく距離を置いていたみたいにゃ。それにこれは三千代に近い味にゃ。血縁かにゃ?でも、氷魔法を使うみたいにゃ☆実力は上の下程度にゃ。さほどたいした魔法は使わにゃい。まだ本調子というわけじゃないにゃ☆雑魚にゃ。ただ、氷狼の魔法は注意せにゃ★」
ごくりと飲み込む。つぎは黒髪の方を口に含める。
「にゃはは★とるに足らない。中の下、下の上程度、見習いに毛が生えた程度にゃ。にゃっはっはー。瞬殺にゃ瞬さ」
髪の毛を噛んでいた口が止まる。
「・・・記憶の保有者?まさか?いつは以外にこの魔法の使い手がいるのか?」
先ほどまでの無邪気な表情とは一変し、外見に不相応な真剣な表情をうかべる。だが、それも刹那。いつものようなネジの外れたような笑い声をあげる。
「にゃはははははははは☆悪口なんてどうでもいいにゃ!欲しくても手が届かなかった至高のお宝見つけたにゃ☆いつはは、零華のやつがガードが固くて、研究できなかったにゃ。これで私はさらなる術式の深淵に!にゃーはっはっは☆★☆」
高らかに笑った後、彼女は杖を取り出す。
「誰も私の研究の邪魔はさせない・・・にゃ☆」




