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白穴(ワームホール)
「てゆうか、さくらちゃんはどうして記憶をなくしてないの?それにその杖」
「それはこちらも聞きたいわ。あなたたちはどうして突然私のあの部屋に現れたの
全てを言いきる前に、目の前に白い空間が現れ、中から2人が出てきた。六駆さんとかおりちゃんだった。かおりちゃんは大怪我で重症だ。
「かおり?!六駆!?その傷」
「すまない。さくら治療を至急頼む。事情は話すから」
何かいいかけていたが、さくらも一刻1秒を争うことを察し治癒魔法をかける。その傍らで六駆が術を組み上げていく。
「ほのかさん、さきさん、魔力を分けてくれないか。僕の魔力じゃあ足りない」
必死の形相にわたしとさきちゃんは焦り、魔力を渡す。
白い空間がじわじわと広がっていたのが、術式によって収束していく。その度にものすごい量の魔力を吸われる。なんとか白穴が塞がれたあとは、その部屋にいる全員が疲弊していた。




