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かおりちゃんの弱みを握っちゃった
「へ〜ほ〜ふ〜ん、かおりちゃんはああいうおとなしい人がタイプなんだぁ?へ〜」
ぎくっと体を震わせて、かおりちゃんが真っ赤な顔で振り返った。いやぁ普段豪快な人がしおらしいとなんかいいよね!
「み、見てたのか?」
「え〜なんのこと〜?」
ミシッと空気が揺れる。ん、やばくね。
「・・・てやる」
「へ?」
「記憶を消してやる!!」
次々と氷の刃が飛んでくる。死ぬって、ちょ、まって。ぎゃあああああ。
「ん?かおり先輩忘れ物か?なんでほのかはぼろぼろなんだ」
首根っこを掴まえられて、引きづられていた。からかいすぎたな。
「えっと」
無言の圧力がかかる。
「こ、転んじゃって」
杖職人さんが心配して
「泥だらけじゃないか。風呂場使っていいから。ほのかちゃん洗っておいで。杖を置いておくから、それで服を洗って干していいから」
「な、風呂?!」
バタンと音がして、かおりちゃんが外に出ていった。数秒後、
「・・・私も入る」
泥だらけのかおりちゃんが入ってきた。