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杖職人の家
「ほのか、お前杖がないだろ、杖職人のところに行かないと」
「杖職人?」
「そうは言っても先輩。破魔市に杖職人なんかいますか?」
「ん?お前たち今までどうやってたんだ?」
「ミッキュ からもいだ」
「姉ちゃんのお古」
かおりちゃんの笑顔が固まった。
「おい、ミッキュ 、ちょっと来い」
「なにッキュ?」
かおりちゃんがぽんとミッキュ の頭に手を置いて優しく言った。
「お前も、大変、だったな」
「か、かおり」
うるうるの瞳をして、ミッキュ がかおりを見上げる。なんか私たちが酷い扱いしてるみたいで、なんか納得いかない。
「だがこれとそれじゃ話が違うんじゃあ!!!」
「ミィッ!!!」
かおりの手がミッキュ をそのまま押しつぶす。
無残にもミッキュ は地面にめり込んだ。
「魔法少女の杖がお古だったり、どこの馬の骨とも分からない木の枝で務まるか!ついてこいお前ら!」
力強く言って商店街を歩いていった先は小さな一軒家だった。かおりちゃんが入ろうとすると
「出禁出禁出禁出禁出禁」
けたたましい警報が鳴り響いた。この人昔なにしたんだ?