かおりの行方
まずはやっぱり元リーダーかおりちゃんを探すのがいいかも。さくらちゃんは学校が違うし。制服が私たちのような黒のブレザータイプじゃなくて、腰の部分で絞った白いワンピースタイプでかわいい。それにかおりちゃんは目立つ存在だったから何かと噂がたちやすい
「かおり先輩なら商店街で食べ歩きしてるみたいだ」
「ナイスさきちゃん!」
ほら、やっぱり!
商店街は学生たちで賑わっていた。この町、破魔町では、商店街は人々の生命線。駅から一直線に100メートルほど伸びていて、珍しくコンビニエンストアがないこの町では、商店街で大抵のものが揃う。特に学生たちにはオリジナルソースのコロッケパンや喫茶店での自家製ケーキなどが人気だ。私としてはもうちょい都会的なのがあればうれしいけど。独自の生き残り戦略をたてたため、この町でしか食べれないというものもいっぱいある。とはいえ、迷走した時期もあり、
「しっしっし、タピオカパイとかやりすぎだろ」
って、いた!かおりちゃんだ
「さきちゃん!見つけた!」
「ん?なんだお前。私のファン・・・ではないな」
警戒してる。まあそうだよな。わかっていたけど、すこし悲しかった。魔法に関する記憶をなくしてるわけだし。ぼんやり覚えている知り合いが関の山。
「かおりちゃん!あなたは魔法少女で私の仲間だったの協力して!」
「なっ」
さきちゃんが絶句する。
「ははははははは!バカだバカがいる。私と話したければ私を捕まえてみな」