最強の魔法少女さちよさん
「よし、ほのか準備はできたか」
「待って!待って!待って!なんでわたしっ!ぐふぁっ」
さきちゃんのこぶしが深々とほのかの腹にめり込んだ。
「はっはっは!これで幽体離脱完了だな」
「あ!あたしがのびてる!てか、足を引っ張んな」
「さちよさんに色々教えてもらえ。私は、自由だぁ!!」
さきちゃんが雑に私の体を壁際に運び、猛ダッシュで逃げていった。
「ミッキュ がいないし、杖もないなら、話にならないからな。霊体なら霊術が使えるだろ?」
「あぁもう霊術とか魔法とかどう違うの?」
得意げに魔法老婆は言う
「霊術はなんでもありだが、基本物理干渉ができない。干渉するには、術式を使わないとな。魔法は魔力を持つものが起こす願望の再現だ。魔力は魔法国の人間なら誰しも、ほのかの世界にも町に数人ぐらいの割合で持っているエネルギーだ。通常は杖を使って魔法を起こす。杖は最近のトレンドは内ポケットの中にはいるぐらいの長さのものだな。魔法国なら街中で職人がいるし、自分で手作りしたりもできる。」
「わたし手作りしたい!」
「まぁ魔法国なら杖なしでも生活魔法ぐらいは使えるから、さっと作れるが、こっちの世界で手彫りとなると難しいな。」
「むぅ掘るって何を?」
「魔法をさ。大抵、魔法ってのは魔方陣を書いたりすることで、強力かつ複雑で高度なことができるのだけど、いちいち描くのは面倒だろ?たからあらかじめ彫っておくのさ。見てみろ」
霊術で作り上げた杖をパキッと折って放ってよこす。折れた杖を受け取ると小さな小さな巻物が入っている
「わっとっと。うわっ!よくわからない文字や絵がびっしり!中にも描いてある。ん、?毛?」
紅い毛が中から出てきた。
「持ち主の証明のためと個人魔法の力を上げるためだ」
「個人魔法?」
「個人魔法ってのは、お前の記憶やさきの憑依みたいにそいつが魔法少女になった時の願いにちなんだ魔法だ。選ぶことはできないが強力だ。一つの個人魔法で世界をひっくり返してしまうことができる。」
「ふぇ〜すごいなぁ!ちなみにさちよさんは?
「はっはっは!こっから本題だ。わたしの個人魔法は復讐一度負けた相手には絶対に勝つ魔法だ。はっはっは!意味わかるよな?」
「え?」
「死んでるから手加減なしでいいよな?」
いやあああああ!
「強いから最強なんじゃない。負けてもその次には勝つから最強なんだよ!はっはっは!」




