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魔法老婆さちよ
「はっはっは!ほのかたちも大したもんだ。さすがあたしを倒しただけはある」
燃えるような赤髪のその美女は豪快に笑う。
くたびれた山高帽子をかぶり、眼光鋭く、八重歯が覗く。黒い派手な水着の上にローブを羽織っていた。あぐらをかいて宙に浮かぶ。
場所はさきちゃんの家の稽古場。
「さちよさん。あなた自由すぎないか」
呆れ顔でさきちゃんの体から出てきた幽霊に言った。
「さちよさんさちよさん!気になってたんだけど、さちよさんって最強の魔法少女なんだよね。でも私が勝ったから私が最強なの?」
ほのかのひと言で空気が凍った。
「あぁん?」
あ、地雷踏んだかも。
「待ってな、最強を見せてやるよ」




