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まだ!
すんでのところで唇を噛み、意識を保つ。
一発一発がきちんと練られた魔法。
闇雲に放っているわけではない。
威力や属性、タイミングがそれぞれ異なり、攻撃を一度に防ぐことができない。私程度の簡単な全方位防御なら、すぐに砕けてしまう。空中で身をひねり、守るべき所を頭と胴に集中させる。
「焦点防御(ピンポイントガード」
防御壁が砕け、鋭い痛みがはしるが、威力を殺すことはできたらまだ戦える。杖を握り直す。そっくりそのまま返してやる!
「記憶!」
さきほどの魔法を思い出しながら杖をふるう。
いくら女王でも、自分自身の魔法なら。
「っ!」
持っていた杖が爆ぜた。
「え?」
「わらわの次元にこようとはなんと浅ましき者よ。砕けて当然じゃ」
容赦なく数々の魔法が貫いていく。