覚醒☆魔人少女ほのか
何故だ!天照天馬の姿が見当たらない。まさか悪の組織がもう一度誘拐を?いやそんなはずはない。魔法少女たちが力を合わせて、壊滅させたから。復権を狙っていた古代魔法少女たちも、依代となっていた咲の中に封じこめた。
いまや天照 天馬の正体を知ってるのは魔法少女たちだけ。でも、彼女たちがなにかするはずはない。ほのかの味方なんだから。天照 天馬の行動は全て把握しているはずだった。
ない!なんで!!!
「ねぇねぇ、探してるのはこれかナ?」
ピンクのスケジュール帳をもった白鳥華麗が入口にいた。
「華麗?!どこでその手帳を?」
「んっふっふ〜あなたこそ~どうしてこの手帳を探しているのかな〜・・・ミッキュ 」
咲も後ろに立っていた。彼女らの目線の先には、ほのかのカバンを必死になってさがすミッキュ の姿がそこにあった。
「ほのかのストーカー行動の賜物がこんな役に立つなんてな」
「わたしとしては天馬さまに未練はないですが、恋の戦友のため一肌脱がせてもらうワ」
二人がジリジリと近寄ってくる。
「ミッキュ。今日一日天照先輩がいないことの理由しっかり吐いてもらうよ。いや、いないように見えている理由を教えてもらう」
やはり巫女の血を引くだけはある。勘が良すぎる。
「ちっ、あまり使いたくなかったが、『ほのか』」
窓ガラスが割れ、魔法少女姿のほのかが現れ、二人の前に立つ。
「「ほのか!」」
虚ろな目で二人を見つめるほのか。
「・・・灼熱よ、桜のごとく燃やし尽くせ。」
ほのかから放たれた火球が二人を外に吹き飛ばす。
「・・・氷結よ、世界を止めよ」
地を這う氷が爆風で飛ばされた二人の動きを封じる。
「これはあの二人の!!!ほのかどうして!」
「あの二人は戦いを放棄したッキュ。あぁ、いまさらこんな口調、無意味か。」
「魔法少女5か条では一人の魔法使いと魔法生物がそろって魔法が放てるのではないんデスカ?」
「あぁ、なんだそんなことか。それこそ魔法少女の5カ条だよ」
「魔法少女の進退は魔法国によって決められる。全権委任者たる俺にはその決定権がある。」
「二人は、、、」
「安心しろ何もしてない。魔法少女離脱のペナルティーとして、記憶と魔法をほのかに継承してくれたからな。用済みだ」
ペタペタと二人に歩み寄る。
「いまや戦闘魔法は役に立たないと思っていたが、ストックしておいてよかった。」
二人の額に手を当てる。
「くっなにをする気だ」「近寄らないでくださイ」
「ふん・・・。お前たちも平和ボケしたもんだな。変身アイテムを持たずにくるとは。魔力はいただいていくぞ。」
これで魔法少女五人の魔力と器たる魔法少女が揃った。これで『魔人少女』を覚醒させる条件がそろった。
「なにをする気デスカ!」
「ほのかを乗っ取り、天照天馬に告白する」
「「は?」」
「もう俺はこりごりだ。いつまでたっても終わらない。イベントイベントいつもいいところまでくるのに、邪魔が入ったり、聞き間違えたり、もうたくさんだ!!おれは、元の場所に帰りたいのだ!!」
ほのかとミッキュ の足元に魔法陣が作られ、光りだす。
「ほのかも嬉しかろう。勝手に俺が告白してくれるのだからな。」
「・・・めて」
「ん?意識が戻ったのか?やはりこの術は精神力をつかう。複数の魔法の行使は無理か」
「やめ・・・てよ、ミッ・・・キュ ・・・・」
言葉は弱弱しいが、ほのかが強い目で魔法生物を見つめる。
「・・・恨むなら、己のヘタレさを恨むんだな」
魔法陣が二人の周りを回転し始める。
「こんなことしても!天馬先輩は・・・」
「無駄な説得だ。悪いが身体をいただくぞ!!」
まばゆい光が二人を包む。
「くそっどうなった!」
「あ、あそこを見て」
ぬいぐるみの頭をわしづかみにしているほのかがいた。
「「ほのか!」」
儀式のため、ゆるまった魔法の拘束をといて、二人が駆け寄る。ほのかの姿は魔法少女の姿のままだったが背中に羽が生えていた。また魔力の質も段違いだ。
「ははははははははははははははははははははは!
これが人間!これが魔法少女!!いや、わたしは魔人少女になったのだ!力がみなぎってくる!!」