あと20時間
あと20時間
森の中で術式を組む。
「擬装、痕跡消去、気休め位になるだろう、少し休憩しよう創造」
ティーポットを取り出した。
「敵に居場所を教えるわけにはいかないから焚き火は少しできないなぁ。ちょっとかして、保温」
紅茶の香りが漂う。
「ほへ〜」
「どうしたのほのかちゃん。アホみたいな顔して。あ、もともとアホか」
「いや、ほんとに二人は魔法国の人だなって。ってだれがアホみたいな顔だよ!」
「まぁ私たちにとってはほのかたちの世界の機械の方が魔法みたいだったけどな。五歯からもらった魔法ってどんな魔法なんだ」
「魂と魂を分ける魔法なんだ。もともと王家の魔法だったんだけど、ツクヨミさん、五歯さんが名前を奪われる前の名前なんだけど、が人の身にあまる魔法だって盗んだんだって。んで見つかって、ゴミ街に封じられてたのをたまたま魔神少女の魔法に巻き込まれたみたい。この魔法は王家の人間でも使い手が少ないみたいで、私もお兄ちゃんを助けたい一心で使えるようになったわけ。」
「五歯め、それならそうと言ってくれたら。」
「今までのカレンなら、間違いなくこの魔法は女王にわたる。そうなったらまずいもの」
「女王様ってそんなにヤバイ人なの?みんな大丈夫かな」
「信じよう。今から交代で見張りをしつつ、仮眠をとろう。夜が明けたら、森の中を通りつつ、魔都を目指す。」
「ソフィアちゃんと五葉ちゃんは寝なさいな。お姉ちゃんたちに任せなさい」
「え、でも、」
「いいからいいから」
「カレン、五葉ちゃんいいこだね」
「私の自慢の妹さ。ソフィアもだけど、なぁほのか、もしこの戦いが終わったら、五葉をほのかたちの世界に連れて行ってくれないか、私は監獄に入るわけだし。後見人みたいな制度はない。この魔法の世界はなんやかんや言っても魔法が全てだ。彼女のような力があるものは孤立していく」
「んー」
「頼むほのか」
「はぁ、わかったよ」
「ありがとう。頼んだよ・・・それでごめんな」
視界がゆがむ。あれ?
「必ず食い止めるから」




