女王を倒せ、
「・・・カレンちゃん、五葉ちゃん」
むぎゅううと二人を抱きしめた。
かわいそうだとか気の毒だとかの言葉はいらないと思った。
「二人を魔法国から逃す!」
「だが、ほのか、逃すといってもどこにだ?魔法国は当然だが、ほのかたちの世界に行ったところで、追っ手は追いかけてくるぞ」
「この中の誰かが魔法国の王様か女王さまになればいいんだよ」
「は?」
「いやいや無茶言うな。天馬もソフィアも実権はほとんどないんだぞ」
「ヲタさんが言ってたじゃん。今王子は人気があって、広告塔にされてるって。向こうがこっちを利用してるんなら、こっちも利用すれば良い。」
「天馬が王宮にたどり着けさえすれば保護はされるだろう。だが、女王が世代交代するとは考えにくいぞ。器を欲してるわけだし」
「五葉ちゃんに器の価値がなくなればいいんだよ。私や天馬さんがミッキュ と分かれたみたいに」
「・・・ソフィアの魔法かっ!五歯から譲られた魔法の」
「でも、あれは消費魔力が膨大すぎて、貯まるまで時間がかかる。」
「あと、どのくらい?」
「みんなから魔力をもらっても1日はかかる」
「そこまで粘れたら。あとは女王の弱みとかあれば」
「それなら私が証人になろう。カウンターズとして、やってきたことがある。」
「いやまてカレンを助けるための話だろ」
「いいんだ。罪はきっちりつぐなうよ。魔法国には死刑はない。生きてれば面談もあるわけだし。また会えるさ」
「・・・わかった」
「私たちは一日逃げ延びて、五葉ちゃんの魔神少女を解除する。魔法国の王子を王宮に届けて、女王を糾弾しよう」