五葉
五葉と出会ったのは8年前。当時の私は白鳥家の長女して生まれて、次期当主として様々な学問について英才教育を受けていた。英才教育といえば響はいいが、実際は一定の基準に達しなければ、食事も睡眠も許されなかった虐待めいたものだった。魔法についても同様だ。魔法国にたびたび出いりし、訓練を行っていた。白鳥財閥は魔法国の外貨獲得の為の財閥だったため魔法国にいくためのゲートが特別に設けられていた。当時の私は魔法に目覚めておらず、訓練は拷問のような訓練を送っていた。魔法は心の渇望から生まれる。時代錯誤のその考え方は、白鳥家には常識のように染み付いており、魔法を発現させるためにありとあらゆることが行われた。
そんな日々が何年か経った後私は先生の隙をついて、魔法国の魔都で脱走した。白鳥家に戻れば、飼い殺されてしまう。家のものが私を探している目を海潜るようにしてたどり着いたのが、ゴミ街だった。
ありとあらゆるものが行き着く場所。魔都の郊外にある場所で、そこを訪れるものはいない。だが、生活に困っているものや犯罪組織のものなどいろいろなはみ出し者がその場所で暮らしていた。ゴミの中には食べられるものもあるし生活物資も直せば使える。何年も何十年も誰も整備しないままきたため、今ではここに何人人がいるかもわからないほど巨大な場所となった。
私はそこで彼女と出会った。正確には彼女に襲われた。だが、彼女の気まぐれによって私は生かされそこでしばらく暮らすことになった。彼女はゴミ街の住人ではあったが、賢くたくましく一人で生き延びていた。だがそんな彼女も不衛生なゴミ街では長生きをすることができず、私と出会った半年後に病で倒れた。彼女を死なせてたまるかと言う思いが、私に魔法を与えた。想像を現実にする力だ。私は彼女を救うため、懸賞金をかけられていたカウンターズの脱走兵と戦い、悪魔と契約した。懸賞金で治療を受けさせることができたが、短くなってしまった寿命伸ばすことができない。瀕死の彼女を前に一か八かとして魔人少女の呪文を、彼女にかけた。何人かの魔法少女の魂を犠牲にして。その儀式の最中にたまたまではあるが術式が広く展開してしまいゴミ街の住人を巻き添えにしてしまった。結果として現れたのは魔法生物ではなく、1人の女神だった。偶然として彼女のおかげで五葉は生き延びた。その反動として高い魔力を得て、女神が共存するようになった。
人と神とは一緒にはいられない。おそらく数年後五葉の魂は神によって潰されてしまうだろう。私は彼女を救うためにカウンターズとして活動しながら解決策を模索していたのだ。




