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魔法国女王
「ちょ、零華さん、おやめなさい。」
女王は笑いながら言った。金髪に緑の瞳、髪は結い上げ、衣装は豪華絢爛。どこにでもある女王様という感じだ。つまらない。ただ、魔力は桁違いだ。さちよを上回る魔力を持ち、古代魔法もつかう。近衛兵を配置しているが、内地の需要ゆえ。護衛などつけなくとも十二分に強い。現に今も余裕綽々の態度を見せている。
「近衛兵。討ち取りなさい」
長年付き添おうが一切の躊躇なく切り捨てる。
「で、ですが」
お、きまぐれに近衛兵にも気を配ったおかげで名も無き一兵卒が躊躇してくれたぞ。
「じゃあ死ね」
彼女の手の一振りで兵士は両断された。
「陛下、お土産話がありますよ、あなたのご子息を見つけました。」
「そ、零華。もちろん我が影として働いてくれるよね」
先ほど切り捨てたことなど忘れたかのような手のひら返し。この傍若無人さがまかり通るのが現女王だ
「もちろんです」