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黒い影  作者: もんじろう
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 あとは恋愛遍歴も含め、さしたる問題は無かった。


 そして本題の最近の妻の行動だが。


 所長は探偵社の応接テーブルの上に数十枚の写真を並べた。


 全てに妻が写っている。


「結論から申し上げますと」


 所長は神妙な顔で言った。


「奥様は、お一人で外出された先では誰とも会ってはいません」


 私には意外な結果だった。


 私の頭の中では、すでに妻の浮気相手が存在していて何百回と、その男を殺害する想像をしていたというのに。


 現実には妻の不貞は行われてはいなかった。


「ですが、事態はもっと深刻かもしれません」


 所長が続けた。


 そして、写真の妻を指す。


「奥様は繁華街へ出かけられ、男性用の時計やネクタイ、靴などを買われています。そして」


 所長は、そこで少しの間を空けた。


「飲食店に入られると必ず2人分の量を注文されるのです」


 所長は「2人分」というところを強めに言った。


 私はその前の「男性用」という言葉で、もしや妻が今回は会わなかった浮気相手に後日密会し、そのときにそれらの品物をプレゼントするつもりなのではと思い、再び激しい嫉妬が頭をもたげだした矢先に食事を2人分頼むという不可解な報告を聞かされ、いささか混乱をきたした。


「それは」


 私が言った。


「妻が2人分を食べるという意味かね?」

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