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黒い影  作者: もんじろう
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 そして今、私は探偵社から依頼の報告書を受け取り、机の上に置いて眺めている。


 詳細については探偵社で直接、所長から聞き、家に帰ってからもう一度、報告書を読み直してもみた。


 妻はミニシアターでまた、あのいけ好かない俳優のモノクロ映画を観ている。


 妻の過去で特筆すべき点があるとすれば、探偵社の所長が「まさか奥様が、あの超能力少女だったとは驚きですよ」と嬉しそうに言った通り、10歳頃に短い期間ではあるがテレビ番組に出演し、一世を風靡したということだろうか。


 何やら透視したり、手を触れずに物を動かしたりしていたそうだ。


「私は、あの番組が大好きでして」と、妙に興奮する所長をよそに私は、さして興味を感じなかった。


 調べさせておいて何ではあるが、私は過去がどうあれ今の妻を愛しているし、浮気相手に繋がりそうにない部分はどうでもよかった。


 所長によると妻はその後、そのときすでに亡くなっていた妻の父をこの世に呼び寄せられると言い出したそうだ。


「そうなるともう、超能力か霊能力か分からなくなってしまいますよね」


 所長は苦笑いしながら言った。


 妻は次第に世間から嘘つき呼ばわりされ、番組そのものも終わってしまったらしい。


 そこからは妻は一般人としての生活に戻ったようだ。

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