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悪役令嬢と無敗の騎士!!  作者: ニサマル・ユキ
~第一章~ 勝兎の決意
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初陣の騎士

ついに、初陣!

(今、私の前にいる敵の数はおよそ三百、敵は当然私を殺しに来るが私は人殺しになるつもりは無い!何故なら亜輝菜様を殺したあの男と同類になってしまうからだ...だがどうする?この状況での私の不利は尋常ではないし、殺さず行動不能にするには後頭部に強い打撃を与えなければならない...)


私は初の実戦を体験しようとしていた。相手は三百人で己は一人、こんな戦いは体験したことが無いし、そもそもこの数の差では戦闘ではなくただの自殺をを手助けしてもらっている様なものだ。


(無謀...だが私は、今度こそ守らなくてはならない!あの笑顔を...絶対にもう、失いはしない!)


私の心が決まったとき、相手にも動きがあった。三百人の兵の中からこちらに向かって大剣を持った三人が向かってきた。どうやら、私には三人で十分だということらしい。

その三人の兵士は私の前で立ち止まり、使い込まれているとは思えない傷一つ無い大剣を私に構えた。


「お嬢ちゃん、今なら間に合うからさ?そこ退いてくれないかな?」


「そうだぜ、どう考えたって勝てないんだからさ?命は大切にしないとな」


その兵士たちは私の前でクスクス笑った。そこで私は、刀を相手に向け直し自分が本気だということを伝えた。


「おいおい!まさか本当にやり合おうってか?ホントにバカなんじゃねえのかこいつ?...ならしょうがねえなぁ、じゃあ悪いがここで死んでもらうぜぇぇぇぇぇl!!!」


兵士三人は、同時に切りかかってきた。、私は後ろに跳び下がり振り下ろされた三本の大剣をかわした。

かわされた直後の兵士たちは「そんな、まさか!」と、いう顔をしていた。私が再び地面に足が着いたと同時に、兵士たちからの第二撃が繰り出された。


「遅いッ!」


兵士たちの第二撃、それはあまりにも遅かった。しかも兵士たちの体勢は一撃目で崩れており、そこから慌てて繰り出した二撃目は貧弱で避ける必要性も無かったので私は右足で一人の大剣を蹴飛ばした。


「け、剣が!?っと、うわぁ」


剣を飛ばされた兵士が反動で倒れ、ドミノ倒しの様にほかの二人も倒れた。その倒れた三人を見てみるとと気絶している、正直呆れた。

だが、安息もつかの間で三人を倒したことにより、次は本気で倒しに来るようだった。敵が大勢こちらに向かってきていて数は五十ほど、どうやら帝国軍は本当に計算が苦手らしい。



「仕方ないか...、ここでこの二本の剣に慣れておくのも悪くない!」


私は二本の剣を構え直し、敵を迎え討った。




相手は片手剣、大剣、槍などを用いて攻撃してくる。だが、やはり一人一人の練度がかなり低く避けやすい。しかし、相手は大勢で攻めてきているのだ。このまま一人一人相手をしていっても、もらちが明かないので私はまとめて倒す方法を採ることにした。


(本当に不本意だが!...アレをやるか、人に使うのは初めてだが仕方ないな!)


私は隙をつき、周囲の敵から距離を取った。そして私は呼吸を整え右足をゆっくりと前へ出し、目をつぶる。逆手で持ったアウケラルの切先を大地に、右手に持った雷絶の刃を天空に構えた。


「なんだ、あの構えは?だが、隙だらけだ!全員で行くぞ!!」


敵が私に向かって突撃してくるおびただしい足音に合わせて私は二つの刃を振った。




「九条治流...轟陣鬼車ごうじんおにぐるま!」

それは、到底信じられるものでは無かった。


「俺は、何と戦っているんだ...」


俺の敵は、華奢な体の一人の少女だ。確かに最初は俺も舐めていて「たかが女一人、三人で十分」と、思っていた。だが、その三人を軽々と倒したのを見て次は五十もの数を俺は出したのだ。

(俺は五十も出したんだぞ、たった一人のそれも女に!...なぜだ、なぜその五十人全員が彼女の前で倒れているんだ?)


こうなったのは、彼女が使った奇妙な技が原因だ。彼女が二本の剣を回転させる様に振ったとき、そこから恐ろしい強さの突風が螺旋を描きながら兵士達を蹴散らしていったのだ。


「く、クッソ化け物がッ!よくも仲間を!!」


「あんなの...どうやって倒せばいいんだよッ!」


俺の心は不思議と高鳴っていた。


「お前たち!下がれ!ここは俺一人でやる、お前たちは観ていろ!」


俺は部下たちの制止を押し切り彼女の前に向かって行った。すると彼女は表情を険しくし、俺に警戒していた。



「兵を下げて...何の真似だ?」


「いや、ただお前とやり合うのに俺の兵が邪魔だっただけだ、気にするな」


「やり合う?私と一対一でか?」


「あぁそうだ、俺はお前の強さを見て自分で戦ってみたくなった」



俺は自分の腰に掛けていた二丁のボウガンを彼女に向けた。


「そうだ、名を名乗っていなかったな...俺は、“ユナウス・タウーザ”帝国軍の大隊長だ、君は?」



「私は...爆奏の令嬢アクネリア・コネット・アルナートの騎士、九条治勝兎だ!」


俺と彼女が名乗りあったのを合図にお互いに構えた。







「さぁ......始めるか!!」

「では......参る!!」



男キャラの追加です!

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