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もう、この先ずっとこの島にいてもよかと?

 かなり露出の高い水着のピチピチギャルたちを、俺は魔法で葉っぱの船ごと岸に上げる。


 ドッスーン! ドッスーン! 刺激的な姿を見た、アニキとスーモイが大量の鼻血を出し、失神して倒れてしまった。


「ありがとうございます。ここは、あの“最果ての入り口はあっても出口はない島”ですよね。レイラたち、まだこの島の状況がチンプンカンプンで、お兄さんの知っていること全部教えてくださーい」


 お兄さんだなんて、照れるなー。一番おっぱいの大きい、いやはや失礼…、一番年上と思われるV字ビキニのピチピチギャルが、俺の乳首らへんを指でツンツンしながら聞いてきた。


 俺は、聞かれた通り知っていることを全部教えてあげた。


「ありがとございまーす。作戦が見えてきましたー」


 作戦? まあ、喜んでくれたのならそれでいいか。


「あの、俺も君に聞きたいことがあるのだけど」


「もう君なんて、よそよそしいですよー。レイラって呼んでください。レ・イ・ラって」


「わかったよ、レイラ。聞きたいことがあるんだ」


「ウフン。なんですかー?」


 レイラは俺の肩に頭をこすりつけて、上目遣いで聞いてくる。なんだ、この男心をくすぐる行動の連続技は……。


「レイラたちはどうして、この“最果ての入り口はあっても出口はない島”に来たの? 誰かと間違えられちゃったのかなー?」


 もちろん、鼻の下はのびきっている。


「レイラたち全員、ガルトニアの王様の愛人だったんです。でも、魔王を倒しに行くって言ってから全然連絡くれないから、しつこくこっちから連絡してみたら、王妃様にバレちゃってー。で、怒り狂った王妃様にここに捨てられたってわけなんですー」


 ガルトニアって、マリーヌの父親のあのムキムキ国王か。今は魔王のナコによって、闇の牢獄に閉じ込められているから、そりゃ連絡もとれないだろう。それにしても、こんなピチピチギャルたちを愛人にしているとは……男として、尊敬に値する。


「ではでは、レイラたち、しばし作戦会議しますので、護衛をお願いしますね」


 レイラはウインクをする。


「はい、お任せあれ!」


 俺は力強く返事する。


「話は聞いていたわね」


「はい!!」


 レイラが話し始めると、他の11人のピチピチギャルたちがキリッとした表情で返事をする。


「それでは、3つの軍団にまずは3人ずつ行ってちょうだい。“クニオブラザーズⅢ”には、アカネ、ラーガ、オンス。まだ名前がわからない軍団Bには、ヨーシャカ、リンスク、モーネ。軍団Cには、タスキ、ミカヅキ、カーヤ。頼むわよ」


「はい!! 姉様!!」


 名前を呼ばれた9人が、息ピッタリに返事をする。


「それから、この島で今一番強いというキースのところには、私とユーズが行くわ」


「やった! 私姉様と一緒!!」


 ユーズという黒ビキニの子がおっぱいを大きく揺らして喜ぶ。


「ズルいですわー」


「私も姉様と一緒がよかったのにー」


 他のピチピチギャルが羨ましがっている。


「あの、姉様、モモカはどうしたらよかと?」


「モモカは、このモンジャーと行動をともにしてくれ」


「ええー、さっきからすっごいジロジロ見られて、モモカいやばってん」


 レイラはモモカの手を両手でギュッと握り、


「頼むモモカ。これはモモカにしか頼めぬ任務なのだ」


とじっと目を見つめて言う。


「わっかりましたー! 姉様、モモカに任せてくれてよかよ!」


 モモカは目を輝かせて、レイラの指示を受け入れる。


「それでは皆の者、参るぞ!!」


「はっ!!」


 レイラが号令をかけると、モモカだけを残して、シュッと消え去って行った。


 ただのピチピチギャルではなさそうだ。だって、俺、名前教えていないしな。俺のことを知っているガルトニアの国王の愛人……。


 気になる。気になるが、語尾が変な博多弁のような、見るからに天然娘のモモカを問い詰めても、無駄なような気がする。まあ、後々わかってくるだろう。


 とにかく、今一番の問題は、アニキとスーモイが普段通りに戦えるように、モモカに魔法で服を着させるか、それともちょっとした動きでポロリも期待できる白ビキニのままか…。


 うーん、実に悩ましい問題だ。俺はもちろん、後者だ。ほっそりとしたモデル体型よりも、ムチムチ系のモモカの白ビキニは悩殺力がハンパなかった!!


「だから、ジロジロ見るんじゃなかと!」


 モモカのかかと落としが俺に直撃する。


「ウッ……」


 レベル850の俺が、蹴り一撃で失神しかけたぞ。やはり、モモカやレイラたちは只者ではない。

 仕方ない、この白ビキニのままでいたら、つい見てしまうから、服を着せてやるか……。


「わあ、モモカ、この服気に入ったと!」


 魔法でモモカに服を着せたので、アニキとスーモイを軽くダイアモンドの大剣で刺して起こす。


「あーびっくりした~さっきの女たちは……」


「あの格好はなん……」


 ドッスーン! ドッスーン! 再びアニキとスーモイが大量の鼻血を出して、失神してしまう。


 モモカには看護師の白衣を着せた。もちろん、スカートの丈はめちゃくちゃ短くした。


「動きやすいですし、これなら蹴り技も問題なかとよ!」


 おお、素晴らしい! 先ほどから蹴り技を繰り出すたびにパンツが見えている!! アニキとスーモイが失神するのも無理はない。俺だって鼻血を魔法で無理矢理止めている。眠気などもうとっくに吹き飛んでいた。


 もう、この“最果ての入り口はあっても出口はない島”にずっといてもいい気がしてきた。

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