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八の巻 ビターで行きましょう①

無事に音楽祭も終わり、ほっと息をつく間もなくスポンジ姫に忍び寄る影が。

町はすっぽり雪に覆われ事態を知らず、ライは自分の気持ちのに決着を付けるため、恋のライバル視をするシュークリームに決闘を申し込みます。

そして、立会人としてスポンジ姫も連れて来られた集い広場。

対峙する二人を煽るように強い風が、そこいら辺の雪を巻き上げていきます。

 主賓を失ってしまった決闘など、気が抜けてしまったソーダ―水と同じ。

 戦闘意欲を失い、とぼとぼと歩いている二人の前を物々しい雰囲気の馬車が通りかかり、思わず顔を見合わせてしまいます。

 今までこんな馬車が、二人の横を通り過ぎていきます。

 一瞬でしたが、シルクハット姿の片目眼の紳士と目が合ったような気がします。

 いったい誰なんでしょう?


 さて、一方スポンジ姫はと言いますと、目を覚ましたものの、酷い頭痛に見舞われていました。

 「姫、少し我慢してくださいませ」

 遠くで誰かにそう聞こえた気がしましたが、体が重く瞼も言うことを聞こえた気がしましたが、瞼が重くて開けることができませんでした。

 誰?

 口に何かが触れた感触が伝わり、みるみる広がる苦さにスポンジ姫は噎せ返ってしまいます。

 これは毒? ああそうなのね。これですべて終わってしまうのね。

 「姫、気をしっかり」

 ティラミスの声が聞こえてしまうなんて、わたくしはどこまで愚かなの?

 スポンジ姫の頬に一筋の涙が流れ落ちていきます。

 「姫。気を確かに。目を開けてくださいませ」

 何て乱暴なの? 最期くらい静かに……。

 容赦なく体が大きく揺すられ、スポンジ姫の瞼が薄く開かれ、だんだん視界がはっきりしてきました。

 まさかそんなはずはありません。何者かに襲われ、毒まで盛られたというのに、これは悪夢。いいえ幻覚。毒のせいね。わたくしはこんな時にまで、ああティラミス、あなたを恨みますわ。

 「姫。さぁもう一口お飲みください」

 口を無理やりこじ開けられそうになったスポンジ姫は、咄嗟的にその手を払います。

 「嫌よ。これ以上、わたくしを苦しめないで」

 「姫。気が付かれましたか」

 いったいどういう事でしょう?

 スポンジ姫は大きく見開かれた目で辺りを見回します。

 淡い桃色の天蓋にってしまった決闘など、気が抜けてしまったソーダ―水と同じ。

 戦闘意欲を失い、とぼとぼと歩いている二人の前を物々しい雰囲気の馬車が通りかかり、思わず顔を見合わせてしまいます。

 今までこんな馬車が、二人の横を通り過ぎていきます。

 一瞬でしたが、シルクハット姿の片目眼の紳士と目が合ったような気がします。

 いったい誰なんでしょう?


 さて、一方スポンジ姫はと言いますと、目を覚ましたものの、酷い頭痛に見舞われていました。

 「姫、少し我慢してくださいませ」

 遠くで誰かにそう聞こえた気がしましたが、体が重く瞼も言うことを聞こえた気がしましたが、瞼が重くて開けることができませんでした。

 誰?

 口に何かが触れた感触が伝わり、みるみる広がる苦さにスポンジ姫は噎せ返ってしまいます。

 これは毒? ああそうなのね。これですべて終わってしまうのね。

 「姫、気をしっかり」

 ティラミスの声が聞こえてしまうなんて、わたくしはどこまで愚かなの?

 スポンジ姫の頬に一筋の涙が流れ落ちていきます。

 「姫。気を確かに。目を開けてくださいませ」

 何て乱暴なの? 最期くらい静かに……。

 容赦なく体が大きく揺すられ、スポンジ姫の瞼が薄く開かれ、だんだん視界がはっきりしてきました。

 まさかそんなはずはありません。何者かに襲われ、毒まで盛られたというのに、これは悪夢。いいえ幻覚。毒のせいね。わたくしはこんな時にまで、ああティラミス、あなたを恨みますわ。

 「姫。さぁもう一口お飲みください」

 口を無理やりこじ開けられそうになったスポンジ姫は、咄嗟的にその手を払います。

 「嫌よ。これ以上、わたくしを苦しめないで」

 「姫。気が付かれましたか」

 いったいどういう事でしょう?

 スポンジ姫は大きく見開かれた目で辺りを見回します。

 どこかで見たような……懐かしいというか……え? ええええええええ?

 勢いよく起き上がろうとするスポンジ姫の躰を押さえつけてきたのは、紛れもなくティラミスです。

 「さぁ姫、もう一口だけお飲みください」

 問答無用に口に薬を流し込まれ、スポンジ姫は何が何だかわからず手をばたつかせます。

 「さぁもうしばらく横におなり下さいませ」

 「ティラミス。あなたがなぜ?」

 「当然のことをしたまででございます」

 何てことでしょう。考えたくもありません。まさかティラミスがこのわたくしを。そう思うと涙が止めどなく流れ落ちていきます。

 「時期に楽になります」

 「待って」

 立ち上がったティラミスの手を掴み、涙ぐんだ目でスポンジ姫はじっと見つめました。

 「いつからですの」

 絞り出すように聞くスポンジ姫に、ティラミスは首を傾げます。

 「とぼけなくてよろしくてよ。さっさとお言いなさい。いつからわたくしをいたたた」

 「興奮されますと、お躰に障ります。さぁ横におなりになって、何か口当たりの良いものを」

 「もう結構よ。あなたを好きになったわたくしがばかだったわ。まさかこんな裏切りを受けるなんて」

 顔を手で覆うスポンジ姫を、ティラミスは苦虫をかみ殺したような笑みで見下ろします。

 「先程から何か勘違いされていられるようですが」

 「言い訳なら結構。わたくしは一人ここで静かに最期を迎えるわ」

 自暴自棄に言うスポンジ姫に、ティラミスは肩を竦めて見せます。

 「そこまで仰るのでしたら、わたくし目は退座すると致しましょう」

 静かに扉が閉められ、スポンジ姫は見慣れた天井をじっと見つめます。

 なぜ? 何時? 宮殿へ連れ帰られたのでしょう。そして、今さっき閉められた扉へ、そっと視線を移します。

 一度も目を合わせようとしなかったティラミスを、疑わずにいられないスポンジ姫なのです。

 今、何が起きているのかこの国の王妃として知る必要があります。それに自分を襲ったのが、うろ覚えの記憶に、スポンジ姫は痛む頭をぶんぶん降ります。

 決して信じたくはありません。しかし、行かねばなりません。威勢よく起き上がったスポンジ姫ですが、心とは裏腹に躰が言うことを聞いてくれません。足に力が入らず、その場にへたり込んでしまいました。

 鈍い音を扉の向こう側で聞いていたティラミスが、大きく息を吐き出していました。

 「姫君にはかわいそうだが、これも致し方があるまい。私は行かねばならぬ。しばらくは不自由になると思うが、心配には及ばん。三日三晩もすればすぐに良くになる。後の世話、バニラよろしく頼んだぞ」 

 「かしこまりましたティラミス様」

 足早に去るティラミスに、バニラは深々と頭を下げるのでした。

 




平和ボケしていたお菓子の国にも何やら怪しい空気が漂い、

ババロアの真の狙いは一体何なのでしょう?


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