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とある犬のお話  作者: クリーム童話
1/5

刺激を求めて

子供にウケるかなぁ。と

キャラにクセをつけたりしています。

私の名前は、タケル

ここ犬山で、たくさんの野良犬たちの

親分をしている。


ここは良いところだ。

木曽川があって、水に困らないし

鳥やネズミもいて、食べ物も困らない。


でも・・・退屈だ。

私が強過ぎるから、誰も勝負をしてくれない。


私の顔を見ただけで、皆ビクビクしている。


「犬山の外に行けば、

 私と勝負してくれる生き物が、いるだろうか。」

そんな事を考えている時だった。


木曽川の向こうから、傷だらけで耳が二つとも

無くなってしまった猫が、やってきた。


「お前さん、名前は?」


その猫は、ノラえもん という名前で

遠い遠い西の方から来たそうだ。


無くなった耳や、体中の傷の事を聞くと

鬼という生き物と、戦ったらしい。


鬼。なんとも強そうな名前だ。

私は西へ旅に出る事にした。


「大変だったな。腹も空いているだろう?

 これでも食べて、傷を治しな。」


私が、さっき捕まえたネズミを差し出すと

ノラえもんは、飛び跳ね、慌てた様子で逃げていった。


「嫌いなのか?美味いのにな・・・」


好き嫌いをしていては、元気にはなれないぞ。

やれやれ、困った猫だ。


その次の日の朝

私は犬山の野良犬たちに、別れの挨拶をして旅立った。


いくつもの山を越え、たまに山賊と呼ばれる人間に

襲われたりもしたが、全員お尻に噛み付いてやった。


でも、本気で噛んだりはしない。

だって、あいつら凄ーく臭いのだ。食べたくない。


人間の言葉では、お風呂と言うらしいが

毛繕いを全然していないに違いない。汚い奴らだ。


私は、旅の間もしっかりと毛繕いをしている。

チンチンや、お尻も勿論だ。カピカピのウンチを

付けていては、可愛い雌に出会った時、嫌われてしまう。


さて、西へ西へと進み続けた私だが、

海沿いで人間たちが住む町に辿り着いた。


ここで何か芸でもして、食べ物を貰うとしよう。

そう思い近付いて行くと、叫び声が聞こえた。


「やめてくれー!その子は、私の命よりも大事な子なんだ!

 連れて行かないでくれー!」


駆け寄って見ると、真っ赤な肌をした人間の足に

人間の雄がしがみ付いていた。


真っ赤な肌をした人間は、人間の雌を肩に担いでいる。


「ちょいと助けて、美味い食べ物でも貰うとするか。」


私は、真っ赤な肌の人間に近付き、思いっきり吠えた。

これでお尻にでも噛み付いてやれば、肩に担いだ雌を置いて

逃げて行くだろう。


しかし、真っ赤な肌の人間は、驚く事もなく

こちらを向いた。


その姿は・・・

おでこから鹿や牛とも違う。尖っていて痛そうな角が2本生えていて

見た事もない大きな牙が、口から飛び出し

目はギョロリと、こちらを見下ろしていた。


真っ赤な肌なんて、人間にしては変だなー。とは思っていたんだ。

これは人間じゃない。こんな生き物見た事がない。


私は、怖くてオシッコを漏らしてしまった。

尻尾もペタンと垂れて、足が震えている。


「こんなところ、可愛い雌が見ていませんように。」


そうして、何も出来ずにいると

周りに人間が集まってきて、叫び始めた。


「鬼だー!お姫様を攫おうとしているぞー!」


この生き物が、ノラえもんが言っていた鬼らしい。


「お、おっかねぇー・・・」


私は、逃げだした。お股が汚れちゃったから毛繕い。とか

言っている場合ではない。


町から逃げ出した私は、カラカラの鼻から垂れた

鼻水をズピッとすすると、1匹だけで鬼には勝てないと考え


「ま、先ずは、子分を集めよう。」


そして、子分集めの旅に出たのであった。

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