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僕で大丈夫ですか?  作者: 誠也
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スティリアの町は戦争の影響で建物がかなり壊されている。

それだけバリアルの兵士達の攻撃が凄まじかったんだな。

本当によくもったよ。

スティリアの人達は朝から瓦礫の除去とか、炊き出しの用意とか忙しそうにしていた。

戦争が終わったという安心感からか表情は明るい。

お城に行かないといけないけど、その前にちょっと休みたいかも。

徹夜で動いているからふらふらするし、気を付けないと瓦礫につまづきそうだ。

トトさんやブルークの顔を見るけど、疲れている様子はないし、僕だけ休みたいとは言えない。

我慢しよ。

それにしてもすれ違う人達のブルークを見る目が怖い。

やっぱりコボルトに対して恨みのようなものがあるみたいだ。

ブルークは気にしていないようだけど、僕はなんか嫌だな。

ブルークはまだ戦争に参加してなかったし、人となりを知ればわかってもらえるはずなんだ。

でも、今は聞いてもらえそうにない。

少し早足で町中を抜けた。

お城は門が壊されているくらいで他はなんともなさそうだ。

兵士さん達は町の手伝いに駆り出されているからかお城の中は最低限の人しかいない。

こんな状態でまた戦争になったら間違いなくやられてしまう。

神様が決めた戦争のルールには戦争直後、数日間攻められないとか入ってるのかな。

謁見の間に着くとロッカさんが立っていた。

やはりブルークにあまりいい反応はしてもらえなくて、立ち入りを禁止された。


「構わねえ、おめさん達どうか頼む。」


僕は頷き、謁見の間に入った。

アルス様はまだ寝起きなのか、少し不機嫌そうな顔をしていて怖さが前より増していた。


「トト、それにウサミ殿、ありがとうございました。よくやってくれました。」

「いえ、運がよかっただけです。あ、あのアルス様、戦争に勝ってバリアルに三つ命令ができるんですよね?何にするんですか?」

「まだ考えておりませんが、ウサミ殿は興味がおありで?」

「ちょ、ちょっと。いえ、あります。アルス様にお願いなんですけど、バリアルへの命令はその、あんまり厳しくないものにしたりとかってできませんか?いや、その無理にとは言わないんですけど、どうですかね?」

「ふむ、ウサミ殿、そう言われる理由を聞かせてもらえますかな?」


アルス様が怖い顔で圧力をかけてくる。

本人はそう思ってないかもしれないけど、ちびっちゃいそうなくらい怖い。

グラード王やブルークのためにも言わないと。

僕は声と体を震わせながら、ゆっくりと話す。

バリアルが戦争を起こした訳を、グラード王が戦争の勝利目前で首を落とせと言ったことを、全てを脚色せず伝えた。


「なるほど、話はわかりました。ですが、私は民の全てが納得できる答えを出さねばならんのです。そこで提案があります。二日、二日間ほどウサミ殿に与えます。その間に皆が納得のいく答えを出して頂きたい。なければ、どのようなことになっても口出しは認めません。」

「あ、ありがとうございます。」


チャンスがもらえた。

二日間ってグラード王と同じだ。

でも前と違って学校で勉強したことが使えないかもしれないし、厳しいと思う。

困ったなぁ。

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