困ったなぁ
夜のバリアルの町を歩く。
すれ違う人達は皆元気がない。
当たり前か、今からどうなるかわかんないんだもんね。
「おめさん達探したぞ。」
「ブルーク!」
ブルークは息を切らしている。
僕達を探して走り回っていたようだ。
「大変なことになっちまったなぁ。」
「う、うん。」
「おめさん達はこれからどうする?」
「僕達はスティリアに行くんだ。」
「スティリア?そおかぁ、命令が下る前にスティリアの王様に許してもらえねぇか言いに行くんだな。なら俺も行く!」
「違うけど、まあいっか。」
ブルークも一緒か、楽しい帰り道になりそうかも。
トトさんが近づいてきた。
『いいんですか?私達今コボルトの姿になってるんですよ。人間だと知ってしまったときどうなるか知りませんよ。』
そうだった、どうしよう。
一緒に来たら必ずバレちゃうよね。
このまま騙しっぱなしっても心苦しいし、ちゃんと伝えた方がいいよね。
でもそれはバリアルを出てからにしとこう。
スティリアへの帰り道は身体強化魔法と一番早い道を使った。
歩いていると、バリアルの兵士達が悔しそうな表情をして国に帰って行く姿が見えた。
やっぱり数が多いな、こんなに大勢に攻められててスティリアはよくもったもんだな。
途中休憩をしながら歩いて夜明けぐらいにスティリアに着いた。
結局ブルークに伝えられないままここまで来たけど、さすがに言わないといけないよね。
「ブルーク、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど。」
「ん?どうかしたかぁ?」
「今まで黙ってたけど、僕達人間なんだ。」
「ん?おめさん何を言ってるんだ?」
トトさんにお願いして変身魔法を解いてもらう。
ブルークはびっくりしている。
「んまぁ、びっくりしたなぁ。おめさん達人間だったんだな。もしかして、おめさん達がグラード様を殺ったのか?」
「う、うん。」
「そおかぁ、いろいろと納得した。」
「ごめんね、今まで黙ってて。」
「いんや、おめさん達も国のためだもんな、仕方ねぇ。」
よかった、わかってもらえて。
やっぱりブルークはいい人だ。
「じゃあ改めてお願いすんだけど、スティリアの王様に許してもらえるように言うの手伝ってもらえねぇか?」
「もちろんだよ。ね、トトさん。」
「そうですね、お手伝いしますけど、どうなるかはわかりません。」
「そんな、アルス様は優しい人でしょ?」
「アルス様は優しい方ですが、今回の戦争でスティリアの人はかなり傷ついたんです。バリアルを許して国の皆が納得するかどうか。」
そっか、そうだよね、スティリアの人全員が納得しないといけないんだよね。
ブルークやバリアルの人達を何とかしてあげたいけど、これはかなり難しい問題だよ。
ん~困ったなぁ。




