なんとかなるかも
「ふん!」
グラード王は力を入れ、縛られている縄を引き裂いた。
ひいぃぃー、縛ったくらいじゃ無駄だったみたいだ。
「ついてこい。」
恐る恐るグラード王の後ろをついていく。
たどり着いた先は、バリアルの財務大臣の部屋だ。
「ガンサイはおるか。」
「はい、おりますよグラード様。」
部屋の奥から現れたのは年老いたコボルトだった。
「どうされましたかな?」
「ガンサイ、こやつらを貴様に預ける。国の財政に役立ててくれ。」
「ほう、この若い二人をですか?」
「ああ、いろいろ教えてやってくれ。」
「わかりました。」
その後、グラード王は部屋を出ていった。
それからガンサイさんにバリアルの状況について聞いた。
今バリアルがおかれている状況はこんな感じだ。
毎年の雨季にバリアル近くの川が氾濫するせいで、作物の収穫量が減り、さらに橋や整備した水路まで破壊される関係でその補償にかなりの資金を要しているらしい。
その資金を集めるために税を増やそうにも、作物の収穫量が減って、収入が減ってる国民の負担が大きくなりすぎるから、増やせないらしい。
また、国の宝物庫に眠っている宝を売って資金をなんとか工面してたけど、それももうじきつきるらしい。
他にも支出を減らすために、軽微な建物の破損とかは後回しにしてるらしい。
けっこういろいろ試してるんだな。
そもそもは川の氾濫をなんとかすればいいんだよね。
「ガンサイさん、川の氾濫の対策は何かしてるんですか?」
「それなら川岸に土魔法で壁を作ったのですが、流れの勢いに負けて破壊されましてな。ダメだったのです。」
「壁かぁ、ダムとか他に川を作ったりとかはしてないの?」
「なんですかなダムとは?それに川を作るなど、そんなことをして防げるのですか?」
「うん、僕も学校の授業で習ったんだけど、川の上流にダムっていう水を貯めておく場所を作ると、川に流れる水の量を調整できるんだ。あとね、今ある川から新しい川を引くと流れる量が分散されてそれも洪水とかの対策になるんだよ。」
「なんと、そのような方法があるのですか!ウサミ殿は博識ですな。」
いやぁ、博識なんて照れるな。
覚えててよかった。
あとは工事してもらえばいいんだけど、問題はその資金をどうやって集めるかだよね。
「バリアルって兵士の数が多いんだよね。だったらその兵士を傭兵とか労働力ということで他の国に派遣するのはどうかな?」
「派遣ですか?」
「うん、そうすれば、派遣先からお金がもらえて収入も増えるよ。」
「でもそうすれば我が国の守りは手薄になりますぞ。」
「それは、兵士を派遣することで各国の内部にバリアルの兵士が居るっていう抑止力になるから大丈夫だと思うよ。」
「なるほど!これはいい案ですな。」
「ウサミさんスゴいです!」
進路指導で派遣社員のこと聞いててよかった。
これでなんとかなるかな?
「ガンサイさんこれで戦争しなくても大丈夫かな?」
「そうですな、ウサミ殿の案は悪くは無いですが、もう戦争も終盤、スティリアを落とすのも時間の問題ですからな、国の問題も戦争に勝つ方が早く解決するのです。」
「そんな・・・。」
「でもグラード様がウサミ殿達と約束された訳ですから、一度グラード様に話に行ってみますかな。」
「うん。」
グラード王はなんて言うだろう?




