【1月号】【2nd.Flight 青空のテスト・フライト①】
【夜空の高き一番星 作;輝き閃光】
【2nd.Flight 青空のテスト・フライト①】
「さぁ、葵。今から星空研究所へと向かいましょう」
と雪風はそう言いつつ、ボクの首根っこを掴んだまま、誘導していく。目指す先はこの前に夜間民間人飛行にて乗せた星空星見教授が居るとされるスター大学である。
あの日、夜間飛行にて僕達が星空を使ってなんとか丘へと辿り着いた。そして雪風は星見教授に対して天文学を使っての飛行術を学ぶように申し出たのである。
「とは言ってもだな。ボクは……」
教えて貰う事に乗り気の雪風と違って、ボクはと言うとそこまで乗り気ではないのだけれども。
「はいはい。陽射曇先生がやれと言っていますから、生徒である私達は逆らえないんですよ?」
この前の夜間民間飛行の不備。それは飛行機を整備する【整備課】の方でのミスであった。けれどもそんな僕達が夜間の星座を利用した操縦術にて助かった事に、先生達は感銘を受けた。だから、ボク達を派遣してその操縦技術を学んで、他の人達に教えて欲しいとの事らしい。
ボク達以外にも何人か居るらしいが、特にその件を大きく理解するきっかけとなったボク、葵空と白井雪風の2人には是非ともとの事である。
「はぁ……全くもって面倒だな」
そうボクが言いつつも、物語と言うのは進む物であり、
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あっという間にボクと雪風はスター大学へと来ていた。
スター大学は上から見ると、星のように見えるのが特徴の大学である。ここでは日夜、様々な分野での天文学の応用技術を研究されている。その技術は一般だけででは無く、政治や軍事にも応用されているんだそうだ。
……とは言え、僕達が学ぶのは星空を利用した夜間の飛行なのだが。
「凄く大きい大学ですね……」
「あぁ、そうだな」
実を言うと、ボクはこの大学に来るのは初めてと言う事は無い。ボクは父が飛行士をやっていたのだが、ボクの父はこのスター大学に良く通っており、夜間飛行のテクニックを習っていた。その件で、父の事でボクはこの大学に来ていた。そして父はこの大学に(・・・・・)殺された。
「はぁ……」
そう言いつつ、ボクは大学の入口へと辿り着いていた。そして扉を開ける。するともう既に大学の中には他の国立空飛学園の生徒が居て、その生徒の前には白衣を着て皆に説明する先生の姿があった。
「やぁ、君達が最後のようだね」
そう言うのは、白衣の下に青色のスーツを着たピンクのど派手な眼鏡をかけた男性だった。その男性の額には一文字の傷が、目を潰すかのように付けられていた。
その男性の名前をボクは知っていた。
北行紅葉。この大学にて鳥を元にした鳥行学を先行しており、ボクの父を殺した男性である。
【次回へと続く】