表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月刊うろNOW! まとめ  作者: アッキ@瓶の蓋。
CS4.8先生作

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/41

【5月号】【第5話 イツモノ日常ト転入生】

【死亡予定少女 作;CS4.8】

【第5話 イツモノ日常ト転入生】

 4月29日。今日は雲一つない晴れ渡る空だが、僕の気持ちはくもり模様だった。

 『アイサ』にて天使が杖と蝋燭の両方を持って現れると言う現象を起こした。そしてそんな不気味な天使が運んできた、『香水業の天才中学生、王子保富美(おうしおふみ)。日本、上陸』と言うニュース。僕、城武人(じょうたけひと)はビクつきながらも気にしない事にした。一番危ないのは、気にしすぎて逆に怪我をする事だ。そんな事になったらまさしく本末転倒でしかない。そう思った僕は気にせず、学校へと向かった。


「おはよぅー! 武人! 今日も元気ー!?」


 ちょっとビクつきながらも教室に入ると、いつものように上幌向(かみほろむい)あずさが話しかけて来た。相変わらず胸と尻ばかりが成長した謎の体型を維持したままだが、まぁ、それはそれでいいのだけれども。問題はこちらをちろちろとうかがいつつ見ている四条大宮忍しじょうおおみやしのぶさんである。


「え、えっと……お、おお、おはようです、武人君」


「え、えっとお、おはよう」


 顔を赤くしながら、もじもじとこちらを見て来る四条大宮さん。その可愛らしい様子に、僕は籠絡(ろうらく)されてしまっていた。この前、僕は『アイサ』を使って四条大宮さんを助けた。その事で四条大宮さんの中で僕の評価が高くなっているんだろう。多分、僕の事を見て顔を赤くするくらいには。


(……うん。けどあの前でも挨拶をする時はだいたい顔を赤くしてたなぁ)


 それとは違うと思いたいけれども、「僕の事、好き?」とか聞いて逆に顔を赤くしながら「好きです」みたいな事を言われてもちょっと困るし、「べ、別にそう言う訳では……」と言われたとしても困ってしまうけれども。と言う訳でちゃんとした答えが聞けそうにないし、ちょっと放置した方が良いだろう。


「え、えっと……あの、その……」


 四条大宮さんがもじもじと答えを戸惑っていると、それを見ていたあずさがじれったく思ったのか、「あ~! も~う!」と口を挟んできた。


「忍~、ちょっと話がややこしいよ~。怯えてばかりだとダメですよ、もう。こっちの方は普通に自己主張が激しいのに、さ」


 そう言いながら後ろから彼女の大きなおっぱいを羽交い絞めにするあずさ。「やっ! ちょ……!」と四条大宮さんがちょっと色っぽい声をあげる様を、僕は微妙な眼で見ていた。そしてひとしきり揉み終わった後、あずさが四条大宮さんのおっぱいから手を放した。


「まぁ、忍が話し辛いみたいだし、私の方から話しましょうか。実はとある話の筋からの話だけれども、うちのクラスに転入生が入って来るみたいです」


「―――――――――転入生?」


 もしかしてそれって……『香水業の天才中学生、王子保富美(おうしおふみ)。日本、上陸』と何か関係が……いや、違うよな。うん。


「とりあえず、武人もその事を頭に置いておけば良いよ」


 そう言ってとりあえずあずさの言葉を聞いていたんだが、チャイムと共に先生が入って来たので普通に席に座る。そして先生が入って来ると、「はいはい、ちょっと良いでしょうか?」と言って来た。


「は~い。皆~。知っている人は知っていると思うけど、今日から転入生が入ります。ですので、仲良くしてくださいね~」


 おぉ、あずさが言っていた転入生の話。本当だったのか。適当に聞き流していたので嘘かなと思ったのだが、どうやら違っていたらしいと、そう思って僕は黒板の方向を見て、そこに居る転入生の姿を見て言葉が出なくなってしまった。


 さらさらの青みがかった、海のような色の髪。出る所は出ているナイスプロポーションで、着ている制服は何故か腕や足などをわざわざ布を切って露出させるようなデザインにしている。綺麗な雪のような白い肌と、深い青を思わせる瞳。黒板の前で紹介されていたのは、クールな印象を与える美少女だった。

 そんな美少女の横で、彼女の名前が紹介されていた。そして彼女が綺麗な、透き通る風のような声で自己紹介をする。


「初めまして、皆様。わたくし、王子保富美と申すのであります。よろしくお願いするのであります」


 ペコリと頭を下げる彼女は、『アイサ』が謎の予見をした少女だった。

【次回へ続く】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ