送る言葉
言葉一発で相手をノックアウトできたらいいのに
言葉ひとつで相手を抱きしめることができたら
距離なんて問題ないのに
いつか書いた詩
インターネットがなかった頃
ノートに殴り書いた詩
今、私の言葉はキーを押せば飛んでいける
誰かをノックアウトしているか
抱きしめているか
それはわからない
誰かの言葉にノックアウトされたり
抱きしめられたような心地になったことは
あるから、きっと私の言葉も
おそろしいような
素敵なような気分
自分用の言葉ではあるけれど
誰かの心の中にお邪魔することも
あるので
詩のひとつひとつを
透明の包装紙に包んで
透明のリボンをつけて
送っています