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災悪の魔法使い  作者: SHIN
数万年後の世界
14/15

◆ハルファス完◆

短いです!

 しかしミーシャに言われて気が付くとは……。

嵐の中、ゼシュアは自分の失敗を悔やんでいた。


「やはり風を逃がすしかないな、………」


 ゼシュアは結界の中央に行き魔法を唱える。


「―――異空間魔法―――」


 するとゼシュアの真上の空間が歪み、異空間への入り口が出来た。


「俺の作った空間なら問題無いだろ」


 風は一気に異空間に流れ込んで行く。

ハルファスは風に巻き込まれまいと、結界の近くで何とか踏ん張っている。一方、黒い球体の方は歯の無い真っ黒な口を開けたり閉めたりしていた。

 

 それから数分してやっと嵐が収まり、異空間を消すと二つの結界も解除した。


「シュア様ーー!!」


 二人がゼシュアの元に駆け寄ってくる。


「なんとか収まったみたいね」

「あぁ」

「あれ?あの黒ボール大きくなってない?」


 ミーシャは目を擦りながら、空に浮かぶ球体を見ていた。


「たしかに、……でかくなってるような」

「…………もっとだ」

「え?」


 すると球体はみるみる内に大きくなっていき、あっという間にハルファスを越え、空に大きな黒い球体が浮かぶ不思議な光景となった。


「な、なるほど、……たしかに体格差は凄いですね」

「…………もう何だか頭が痛くなってきた」


 球体はゆっくり動き出し、大きな口を開けてハルファスに近付いて行く。


「なんか可愛い、……あの口が人間みたいな口じゃなくて良かった」

「…………歯があった方が良かったか?」

「いやいや、人間みたいじゃなくて良かったんです!これでいいんです!」

「でも遅すぎない?どうやってハルファスを口まで運ぶのよ」

「……、一瞬だから見逃すなよ?」


 ハルファスにある程度近付いた球体は静止した。ハルファスが距離をとろうと球体から離れようとした時、球体が空気を吸い込み始めた。


「ま、まさか、……」


 球体は徐々に吸い込む力を上げていく。


「シュア様!ストップです!この勢いじゃマーシャル王国まで吸い込みそうです!」

「……たしかに。おい!別のやり方にしろ」


 ゼシュアは決して大きな声で言ったわけではないが、球体は声に反応に吸い込むのを止めた。


「はは、耳ってどこにあるんでしょうか……」

「それは俺も知らん」

「吸い込み以外に何か方法あるの?」

「あいつは様々な闇魔法、禁魔で造り上げた傑作だ。吸収、変身、吸い込みだけなわけないだろ」


 すると球体の下の部分が光り出した。


「ま、眩しくて目がぁぁ!!……って程眩しくは無いんですね」

「………………目眩ましが目的じゃないからな、これで終わりだ」

「……ちょっと、あんたの影動いてるわよ」

「え!?」


 ミーシャが慌てて自分の影を見ると、影が動き出し一本の黒い触手が出てきた。


「きゃぁ!」


 その触手は人間の手の様な形になると、ゼシュアにピースをして影に消えていった。


「…………何今の」

「…………知らん。今から頑張るって意味じゃないか?」

「やっぱ可愛い……」


 三人が球体を見ると、その口は何だか笑っているように見えた。

(……気のせいよね)

(……気のせいだろ)

(……可愛い)




 ハルファスの影が動き始め巨大な触手が出てくると、ハルファスを持ち上げ球体の口の元にゆっくりと運んでいく。


「……さっきの言葉取り消しだ。一瞬じゃない 」

「これを見逃す方が凄いわよ」

「…………あいつ久々だからって何を遊んでいるんだ」

「シュア様、さっきから“あいつ”って呼んでますがもしかして名前無いんですか?」

「当たり前だ」


 ミーシャは驚愕した顔でゼシュアを見つめた。


「名前要らないだろ、あいつ普段剣だし」

「それはダメですよ!キューちゃんが可哀想です!」

「…………キューちゃん?」

「キューちゃんです!ボールのボーちゃんにしようか迷ったんですが、球体のキューちゃんにしました!」


 ミーシャの輝いている目にゼシュアは思わず後ろに引いてしてしまう。


「そ、そうか……、好きにしてくれ」

「なんかごめんなさいね」


 イザベラはゼシュアに謝っておいた。



 ハルファスは触手から逃れようと暴れているが、暴れれば暴れれるほど触手の中に入っていき、今では触手から頭だけがはみ出していた。


「あの天災級の魔物が…………」


 そしてハルファスは頭も触手に飲み込まれていき、完全に姿が見えなくなった。


「口に行く前に消えちゃったけど」

「……あいつのあの口は正直意味が無い。やろうと思えばどっからでも食えるはずだからな。触手から食われようが口から食われようが結果的には吸収される」

「そ、そうなの……」


 球体はハルファスを吸収すると徐々に小さくなっていき、蛇の姿に戻るとゼシュアの側までやって来た。


「もう元に戻れ」


 ゼシュアの一言で蛇はあっという間に剣に変化し、ゼシュアはそれを消した。


「じゃあねキューちゃん!」

「……あんたね。もういい、……帰ろう」

「………………」


 ゼシュアは二人を連れ瞬間移動した。

◆ハルファス完◆

シリアスに終わらせるつもりが…

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