表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の願い  作者: なむそ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/43

3.リサはどこですか?



外はいつもの穏やかさとは違い、ひどく荒れていた。


「大丈夫?」


私の前には、少しやつれた顔をしたリサが立っている。


「…コホッ。……えぇ、大丈夫ですよ」


もう1年くらい、リサの咳は止まっていない。

いつも風邪だと言うけれど、治る気配はまるでない。

私に心配をかけたくないのか、それでもリサは無理に笑っていた。


「…ネメシア様。もうすぐで9歳の誕生日ですね」


あと数日で私の誕生日。

お祝いをしてくれるのはリサしかいない。


…だからか、うっかり忘れてしまう。


「これを受け取ってください」


リサの弱々しい手から渡されたのは、鍵穴のある綺麗な箱。


「それは奥様がネメシア様に渡すように、言われたものです。

"開ける日が来たら、夜の空へかざしなさい"と―――そう伝えるように、と」


咳のせいだろうか…。

リサのいつもの透き通る声は、今日はずいぶんとか細く聞こえた。


「そしたらその時までリサが保管していてよ…」

「……それも、そうですわね」


少し苦しそうな微笑みを浮かべて、リサはそう答えた。


「…今、渡したほうがいいと思ったので」


そう言って、箱を持つ私の手を両手で、優しく包む。


「お飲み物をお持ちしますね」


リサは少しふらつきながら、部屋を出る。

しかし、どれだけ待っても戻ってこない。


―――もしかしたら、倒れている…?


考えたくない予感が、脳裏に浮かんだ。


今日のリサは、いつもより様子がおかしい。

私にも、それが分かるほどに―――。


私はテーブルの上に箱を置き、扉に手をかける。

リサは飲み物を取りに行っているはず…。


そう思いたかった。

不安な気持ちを胸に抱えたまま、厨房へ続く廊下を歩く。

たったそれだけの距離が、今日はなぜか遠く感じた。


すると、途中にある侍女専用の寝室から慌てて出入りしている人たちが、目に映る。


―――まさか……。


リサであってほしくない。

そんな思いを抱えながら、まだ短い足でそちらへ向かう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ