暇つぶしの天使」
昼でも夜でもない光が揺れる
ムネモスアトリエ。
静寂が支配する棚の迷宮で
氷たちは夢を見ている。
ポン、と軽い足音。
ルシェルがふらりと現れる。
「ヴェルネシア〜、ひま。
なんか面白いことない?」
ヴェルネシアはページを閉じずに答えた。
「あなた、天使だった頃の威厳はどこへ行ったの」
「堕天したし?
堅苦しいの無理〜って感じ?」
肩をすくめて笑うルシェル。
彼女の指が、ひとつの氷に触れる。
氷は微かに震え
脈のような光を灯した。
「わ、いい反応。
この子、なんかドラマ背負ってそう〜」
ヴェルネシアは軽く視線を寄越す。
「干渉はほどほどに。
物語は彼らのものよ」
「わかってるって〜。
助けに行くんじゃなくて、
ちょい覗きに行くだけ」
ルシェルはにやりと笑い
ヘイローをくるりと回す。
「未来は変えない。
でも流れくらい、ほんの少し…ね?」
「駄目と言っても行くのでしょう?」
「YES☆」
ルシェルは指輪をひとつ鳴らした。
アトリエの奥、時間の狭間が泡立ち
ひとつの扉が開く。
その向こうに、
誰かの世界があった。
「ちょっと散歩〜
ついでに…観測、ね?」
「ええ。
私はここで見ているわ」
「じゃ、行ってきま〜す」
羽飾りが弾む音。
ルシェルは軽やかに扉へ消えた。
残された氷が、ひとつ鳴る。
カラン――
世界がまた小さく動きはじめた。
初めて投稿させていただきます!!
色々ミスあったらごめんなさい!
ちまちま書いていきます!
このお話しは各章登場人物や舞台が変わる予定です。




