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魔法少女物語 白い百合が咲くころに

新章開幕!読者への挑戦状!

先が読めない新感覚推理小説

魔法少女リリィが挑む事件とは?

あなたはこの謎、解けますか?

魔法少女物語

白い百合が咲くころに

作:月



「あなたは魔法少女に選ばれました。魔法少女になりたいですか?」

なんだかとても眠たいときによくわからないことを言われているような気がする。

うーーん、まあいいや、Zzzzz、うーんミミ~、

「あ、あの、、魔法少女に…」

うーー魔法少女?あーいーねー、それになったら仕事しなくていいんだ、なるなる、Zzzz


「、、うわっ、寝てた、、ふぁ~」

とあくびをしたところでお腹の上になにか、ある。スマホか、と思って手に取ってみると私のと形が違うことに気づく。

「ん?なにこれ?」

見るからにスマホ、だよね、ピンクいスマホ。でもボタンが、横にもない。というかこれ上下も充電口もスピーカー穴もなさそうなデザインだった。電源つくのかな?と思ったその時画面が点灯した。


魔法の世界へようこそ


と書いてある。魔法?こんな商品買ったっけな?えーっと、何時だ?と私はベッドから起き上がりテーブルの上にある本物の私のスマホを手に取る。11時か。土曜日だからっていつまでも寝ていちゃだめだ、と歯磨きと顔を洗いに洗面所へと向かった。顔を洗っているときに魔法という言葉が頭をよぎる。あ、なんか夢で聞いたような気がしなくもなくはない。いやいやいくら夢だからって現実にまで影響が及ぶわけが…いやーそれにしてもあのスマホやけにリアルだったな~まさか現実なわけないよな~と少し自分を誤魔化しつつベッドに戻る。そこには先ほど置き去りにしたスマホのようなものがある。

「・・・ミミか。」

ミミとは私と同居している仲睦まじき存在の事である(所説なし)。それにしても魔法の世界ってなんだろう。それに今は画面に何も表示されていない。もう一度手に取ってみるが、やはりボタンは見当たらない。さっきまでは気づかなかったけど裏に模様がある。花のようだ。ピンクを背景に白色で花の絵がある。さっきどうやって電源つけたんだっけと触っているとまた、魔法の世界へようこそと表示されている。とりあえず画面をタップするとリリィという言葉と共に白くてかわいらしい姿の女の子が表示されている。するとピコンという音と共に「リリィさんへ」という電子メールがピンクいスマホに届いた。

(開けってことかな?)

メールにはこう書いてあった


リリィさんへ

魔法少女認定合格おめでとうございます。

私はあやとりというものです。

12時にご自宅へ伺うので変身して待っていてください。

魔法の国をご案内いたします。

マジカルフォンで変身できます。

それではまた後ほど。 あやとり


えっと、メールを閉じる、でいいのかな。するとスマホのホーム画面のようなものが映り、画面にはアプリらしきものが並べられている。このピンクいスマホ、マジカルフォンっていうのか。リリィ?百合って意味だよね。あ、このマジカルフォンの後ろのデザイン百合の花なのか。というか、変身?変身ってなににって、魔法少女に?え、まさか、、冗談、、でも噂で聞いたことがある。この世界にはヒーローがいると。ヒーローガールがいると。それは都市伝説的な意味ではなくもっと異質で、でも現実に存在しているらしい幻なんだかよくわからない存在、魔法少女。なれるの?私、、、、、


「ドッキリには騙されないぞ~~、隠しカメラはどこにあるの?テッテレーっていって看板を持って出てくる気でしょミミ、その手には乗らないよ!」






沈黙、それが答えだった。


(※推理の部分はしっかりとしているので安心してください。by月)


どうしよう。もうあと20分で12時だ。えっと、マジカルフォンの操作が分からない!変身というボタンが一向に見当たらない。わかったのはマジカルフォンの画面はカメラでは映せないという事だけだった。おそらく情報漏洩を考えての事だろう。えっと、マジカルフォンを手に取って、変身したい、魔法少女になりたい、魔法少女リリィになりたいと願うと、体が、刹那、いや、それ以上に少ない時間で光と共に魔法少女へと変身することができた。

リリィ「え、ほんとうに?ってえ?声まで違う!」

体が違うのだから当然のことと思うかもしれないが、実際に体験してみるとそのすごさが分かる。いい子はサンタさんにマジカルフォンを頼むことを強くお勧めする。

玄関先に向かい姿見を見る。髪の毛は白く肩にかからない程度の長さ、カチューシャと一体になっている白い百合の花の数々、顔は芸能人よりも整っていてバランスは完璧だった。鼻から感じるとてもいい匂い、足元はブーツと一体になった二―ハイソックスのようで絶対領域がある。スカートもちょうど絶対領域を隠しきれていない感じの長さで灰色、上はニットになっているようだ。下を向いたときにつま先が見えない!あれが邪魔をしているのだ!肩は出されているが袖がないわけではない。二の腕から手首にかけて白いニットがついている。手を上げると変態チックな脇、いや腋があらわになる。このデザイン考えた人、天才か?

(design by LUNA)

というか、腋、とてもいい匂いがする。フェロモンというかなんというか、こう、

ピンポーン!

リリィ「うわっ!」

と驚いてちょっと跳ねてしまった。そう、跳ねてしまったのだ。魔法少女のフィジカルでそれを行うとどうなるか、それは天井に頭をぶつけた今となっては考えるな感じろ、だった。

???「大丈夫ですか?」

とドアの向こうから声がする。大きな声だった。

リリィ「い、今開けまーす。」

ガチャリと開けた先にいるのは天使だった。いや、間違えた。天使だった。また間違えた、魔法少女だった。左右のダブルツヤツヤ黒髪ツインテール、これが許されるのは一握りの逸材だけ!結んでいるのは赤いリボン、幼い顔立ち、私より身長が低い。145㎝といったところか。ピンクのセーターを着ていて中には黒いシャツを着ている。胸元には黒いリボン、お腹周りから下は黒いスカートになっていて足元は黒い靴下に黒いレザーシューズ。一見地雷系にも見えなくはないが幼さが勝っていて小動物感が漂っている。うん、合格!この地雷系を感じさせなくもないかわいい黒いこの子と白い私、相性抜群!それに良い匂い。というかこの距離で匂いを感じるってすごい、あ、音も大きく聞こえる。魔法少女の感覚ってことなのか。

???「あやとりと申します。この度は魔法の国からリリィさんに魔法の国を紹介してほしいということでやってきました。」

リリィ「はじめまして、あやとりさん。」

あやとり「!挨拶が遅れてしまい申し訳ありません。初めまして、リリィさん、、その中に入ってもいいですか?」

リリィ「え?いい(こんなかわいい子が家に!じゃなくて魔法の国って外にあるんじゃ、ってかどこだそりゃ。)、ですけど、」

ガタンと扉を閉めた。あやとりさん、いや、あやとりちゃんは玄関にいたまま話を続ける。

あやとり「魔法の国へはポータルを通らないといけないんですよ。それが人目に見られるとまずいので家の中に上がらさせて頂きました。」

ポータル?トンネルみたいな意味だったかな。

リリィ「えっと、そのお茶でも飲みます?」

あやとり「いいえそんな!私の方が先輩なので私がおごりますよ。とりあえず魔法の国へ行きましょうか。マジカルフォンを出してください。」

リリィ「はい。」

あやとり「ありが、、、これ、スマートフォンです、、」

リリィ「(間違えた、、えっとこっちのポケットに)はい。」

あやとり「ありがとうございます。そしてですね、マジカルフォンのこのアプリ、ポータルを使うんです。すると現在位置からポータルさんのところへ連絡がいってOKがでればポータルを出してくれます。こんな感じです。」

とあやとりちゃんは画面を見せながら説明してくれた。正直説明が頭に入ることはなく、あやとりちゃんはいい子だなと思ってみてました。すると空中に青色の光が出始め、それが大きくなっていって人が入れるくらいの円にまで広がっていった。

あやとり「さあ、行きますよ。魔法の国へ!」

私はあやとりさんに手を引っ張られながらポータルを通った。そう、あやとりさんに手をつながれたのだ。ここが重要なのである。


ポータルを通るとそこは別世界だった。すごく広い、なんだこの場所。

???「魔法の国へようこそ。私はポータル。魔法の国と地球を結ぶお手伝いをしています。」

リリィ「ど、どうも。」

ポータル「ゆっくりなさってくださいね。」

あやとり「どこか行ってみたい場所ややりたいことはないですか?ここになら全部がそろってますからね。」

じゃ、じゃああやとりちゃんとのデート、なんちゃって、、、うん?魔法の国を紹介してくれるって言ってたよね。つまりガイドってことだよね。デートじゃん!

リリィ「あやとりさんのおススメで。」

あやとり「うーん、私のおすすめですか。それなら明日とかどうです?空いてますか?」

リリィ「空いてるよ。(予定表を見ずに答えている)」

あやとり「それなら魔法少女マッチを見ましょう!魔法少女同士で魔法を競い合うんです。」

へぇ、スポーツとか興味ある子なんだ。

リリィ「うん、じゃあ明日はそれを見に行こっか。」

あやとり「はい。そうですね、このあたりだとアジア魔法大学や図書館、あ!魔法少女ミュージアムがあります。初心者さんにはそこがおすすめかなと、、どう、でしょう?」

リリィ「行きます。」

あやとり「では予定を組んでおきますね。早速行きましょうか。」

あやとりさんに色々案内されながら魔法少女ミュージアムというところに向かっているらしかった。周りに歩いている人はあまりいないけれど魔法少女じゃない子もいる?

リリィ「魔法の国って魔法少女がたくさん住んでるところなんですよね?」

あやとり「そう、ですけど、急に敬語になりましたね。ため口で構いませんよ。」

リリィ「(緊張が表に出ていたか、、)うん。そうするね、あやとりさん。」

あやとり「呼び捨てでも構いませんよ?」

リリィ「いいえ!それは恐れ多いというかなんというか。そう、私は人をさん付けするのが趣味なんです。」

あやとり「え?、、そう、なんですか、、世界にはいろいろな人がいますからね、呼び捨てされることも多いんですよ。言語によっては○○さんのさんにあたる部分がない国もありますから。」

リリィ「へー、あやとりさんて多言語なんですね。」

あやとり「あ、言ってませんでしたね。魔法少女には翻訳魔法が備わっていて言語の壁がないんですよ。ほら、ポータルさんだってドイツ人ですけど日本語に聞こえましたよね?」

あ、確かに。

あやとり「ちなみに私は日本人ですよ。あやとりっていうのが日本の文化ですもんね。魔法はひも状のものを操ることができる、です。ほら、こんな風に。」

あやとりさんの周りで紐が踊っていた。すごい。いつの間にか手にはあやとりがあってそれで遊んでいる。かわいい。

あやとり「できました!」

リリィ「あ、スカイツリーだ!」

あやとり「、、東京タワーです、、」

リリィ「そ、そうだっけ、、」

私のポンコツ、、

あやとり「まあ、見えてないと発動できないんですけどね、日常ではあまり役には立たない、かな。麺類を食べるのが楽になるくらい?」

確かに。麺類をわざわざ魔法で食べるあやとりちゃん、かわゆい。

リリィ「他にはどんな使い方があるの?」

あやとり「そうですねー、一番役に立ったのは綱引きの時です。一人で無双できました。」

綱引き、かわよ。

あやとり「仕事ですと髪を引っ張ったりして動きをとめたり、あと移動手段としてワイヤーを使うこともあります。」

そっか、でもワイヤーが使えるとなると結構強いんじゃ、、

あやとり「リリィさんはどんな魔法なんですか?」

え?魔法?そうか、私にもあるんだ、魔法。

あやとり「マジカルフォンで確認できますよ。」

リリィ「、、どうやるの?」

あやとり「貸してください。ここの個人情報をだして、、えーっとアスモデウス、A級ですね。」

リリィ「あすもでうす?」

あやとり「えーっと読み上げますね。アスモデウスとは7つの大罪における色欲の悪魔がモチーフの、、(恥)、、らしいですよ、、、」

色欲、、ってえっちなこと?待てよ、リリィって百合って意味だから、私の服装、絶対領域、腋、なるほど、読めてきた、

リリィ「私、百合の魔法少女なんだ、、」

そして名前と魔法は酷似している、と。そういうことなのか。


???「ただいまターゲットを観察中。」


あやとり「つきました。ここが、魔法少女ミュージアムです。」

リリィ「立派な建物だね。」

入り口は駅のホームに似ていた。あやとりさんがピッとマジカルフォンをかざして中に入ったので私もかざして中に入る。すると、「ようこそ魔法少女ミュージアムへ。」とマジカルフォンに表示され、地図が載っていた。3階まであるらしく、1階は「全魔法少女に関するコーナー」2階は「多種多様な魔法のコーナー」3階は「歴史に残る魔法少女のコーナー」になっている。

あやとり「1階から順にまわりましょうか。」

1階では魔法少女の基本的な構造や魔法の原理について詳しく書かれているようだ。魔法とは何か。それは魔素と呼ばれる元素が引き起こすもので魔法エネルギーが他のエネルギーに変換されることで実現される、、、

リリィ「う、頭が、」

あやとり「ここら辺は大学で学ぶところなので先に進みましょうか。」

魔法少女の平均身体能力、握力102㎏、ジャンプ27m、呼吸止め17分、重量1.5トンなど恐ろしいことが書いてあった。怖、。でもできるってこと?私にも?他にも走り92㎞/h、走り幅跳び123mなどなど。いろいろなことが書いてあったけど、私にはさっぱりだった。少なくとも私には縁のない世界だろう。1階をぐるっと一通り見終えたら次は2階へ。魔法の種類について書かれていた。

ラビット、タンク、ゴリラ、ダイヤモンド、ニンジャ、コミック、ホーク、ガトリング、パンダ、ロケット、オクトパス、ライト、ダイナソー、F1、シャーク、バイク、パイレーツ、トレイン、スパイダー、クーラー、タートル、ウォッチ、ビートル、カメラ、タイガー、UFO、フェニックス、ロボット、ドラゴン、ロック、ホエール、ジェット、ユニコーン、イレイサー、ゴースト、マグネット、ディア―、ピラミッド、ローズ、ヘリコプター、バット、エンジン、ビー、サブマリン、ライノ、ドライヤー、スコーピオン、ゴールド、ウルフ、スマホ、ベアー、テレビ、ドッグ、マイク、ジラフ、サイクロン、クロコダイル、リモコン、ペンギン、スケボー、クリーナー、ライオン、ファイヤーレスキュー、ヘッジホッグ、コブラ、サンタクロース、ケーキ、カード、ドクター、ゲーム、ジーニアス、、、、、、、


あやとり「大丈夫ですか?リリィさん。」

私は魔法少女の体に慣れていなかったのか途中で休憩をもらっていた。スポーツドリンクをあやとりちゃんが買ってきてくれている。

あやとり「もう今日はこの辺で切り上げますか?」

リリィ「うーん、そのほうがいいのかな?」

あやとり「そうですね、無理は良くありません。魔法の制御に慣れてないのかもしれません。」

せっかくのデートなのに、、、

「えー先日もお伝えした件なのですが、真相解明には至っておらず捜査は難航しているとのことです。被害者は全部で27名、死亡推定時刻はほぼ同時となっており、死因は不明とのことです。専門家の意見によりますと、、」

リリィ「物騒な事件だねー」

あやとり「アメリカで起こったみたいですね。なんでもあやしい宗教の人たちが一斉に亡くなられたとかで、、」

初めての魔法の国の見学は不穏なまま幕を閉じることとなってしまった。


あやとりちゃんが家まで送ってくれた後、私はあえて変身を解かなかった。いや、正確には変身をといてお風呂には入ったけど、また変身していた。この体に慣れておこうと思ったからだ。自分のためにも、明日のデートのためにも。マジカルフォンに慣れておこうと思ったのもその要因の一つ。機能は普通のスマホと変わらない様子。でも根本の機種が違うためか操作が今一つ難しい。メールはこれで電話はこれ、ふんふん、分かってきたぞ。

今はニュース映像を見ている。ガチャっと玄関のドアが急に開いたので私はあわてて変身を解く。

ミミ「ただいまー。」

そうだ、ミミが居るのをすっかり忘れていた。危ない危ない。

ミミ「あれ?スマホ新しくしたの?」

「あ、うん、えっと、そんな感じ。ニュース見てた。」

と画面を見せた。あ、見せてしまった、まずいか?

ミミ「何も映ってないけど、、」

「え?」

そっか、マジカルフォンは魔法少女用の端末、カメラにも映らなかったし、普通の人には見えてないのか?、、

「音は聞こえる?ニュースの音。「前代未聞の魔法少女の殺害、これについては、、、」」

ミミ「何にも聞こえないよ。」

、、、これは使えるぞ、、


???「ええ、あらかた予想はついたわ。リリィ、、」


翌日

マジカルフォンにあやとりちゃんからメールが届いていた。内容は少し遅れるとのこと。魔法少女マッチを見るという約束についてだった。うーんそうだな、時間が有り余ってるし、気になってた図書館にでも行ってみようかな。小説家見習いとして、ね。マジカルフォンでえっと、ポータルを、これだ!と1人でポータルを開き、魔法の国に行くことに成功した。えっと地図は、、スマホは圏外、、そうだよね、日本でしかSIMつながらないよね。

リリィ「ポータルさんに場所聞けばよかったかな?」

周りにはえっと、あ、青い龍のジャケットを着た魔法少女がいる。勇気を出して、、、

リリィ「あ、あのー、」

???「、、なんだ?」

驚いた。その声が男性の物だったから。

リリィ「男のひと!?」

???「魔法少女にも男はいるだろ?」

リリィ「え、でも魔法「少女」って、、」

???「、、、えっと、帰国子女って男性にも使うだろ?それとおんなじ。新人か?」

リリィ「そうです。昨日魔法少女になったばかりで、そのすみません、、(偏見で物事を見るのはやめにしたいよね)」

???「いいや、別に。慣れてるからな。俺はドラゴン。好きなのはごつくてでっかい車(意味深)」

リリィ「あ、私はリリィです。」

ドラゴン「そうか。、、、、で、要件は?」

リリィ「図書館ってどっちですか?」

ドラゴン「、、、えっと、そうだな、ついてきてくれるか?道がちょっとわかりづらいんだ。口じゃ説明できないかもしれないから。」

リリィ「あ、ありがとうございます。」

予想外の展開だったけど、優しい人みたいで良かった。


ドラゴン「ここが図書館だ。中にはコンタクトってやつがいるからそいつに聞けば図書館で困ることはないだろう。じゃあな。」

リリィ「ありがとうございました。」

図書館かー、小説がいっぱい、しかも魔法少女には言語の壁はない。つまり全国の百合が読み放題ってわけ、ぐへへ、、

入り口でピッとマジカルフォンをかざしてから中に入る。うーん、どこから見つけようか。この膨大な本の中で私好みの百合が見つかるなんてそんな都合のいい展開が、、、

「あなたの好きな本、当てて見せます」と書かれた機械が置いてあった。す、すごい、どうやって、と、考えるのはやめにした。だって魔法がある国なんだもの。なんでもありだよね。その機械に触れて操作しようとしたけれど、そんな暇もなく画面には本が表示されていた。早っ!G-4というところにその本はあるらしい。2階か。私は階段を上ってG-4へ行き、表示された本をなんとか見つけた。ん?漫画?まあいいか。あやとりちゃんが来るまでの時間をこの漫画を読んで済ませてしまおう。


とある国にお姫様が生まれました。そして同じ頃、双子の赤子が生まれました。双子の家は代々メイドとしてお姫様につかえてきました。例に漏れることなく、この双子はお姫様につかえるようにと育てられました。お姫様と双子は一緒に育っていく中で家族のようだと認識していました。とある日、お姫様が魔法少女に選ばれました。名はシュプリーム、愛を伝える魔法を使います。双子は思いました。お姫様に従えるのならば自分たちも魔法少女にならなくては、と。シュプリームはそれに気づき、双子を魔法少女へと推薦いたしました。双子は晴れて魔法少女となり、姉は触った人の感覚が分かる魔法、妹は近くにいる人のやってほしいことが分かる魔法を手に入れました。シュプリームは双子へ愛を教えました。強く応えたのは妹でした。お嬢様が自分を愛していることを知っている妹は時々感じる感覚をどうすればいいのかわからなくなりました。妹は、お嬢様が普通の家族ではないもっと親密な関係になりたいと望んでいると魔法でわかっていたからです。お嬢様の声には応えたい。けれど主従関係がそれを邪魔します。

シュプリーム「ねぇ、妹ちゃん、私がしてほしいこと、分かっているのでしょう?」

妹「はい。」

シュプリーム「でも、どうしてそれをしてくれないのかしら。」

妹「私とシュプリーム様とでは身分が異なります。シュプリーム様の愛はわかっているつもりです。でも、、」

シュプリーム「でも、じゃない。こっちに来なさい。」

妹「いえ、しかし、、」

シュプリーム「命令よ。聞けないのかしら。」

妹「、、、かしこまりました。」

シュプリーム「、、、、あなたって柔らかいのね。」

妹「ちょっっと、シュプリーム様、、」

シュプリーム「いいじゃない。これは私からの命令なの。断ったらそれは問題になると思わない?いいじゃない、ちょっとくらい、ね。」

妹「、、、、はい。」

こうして少しの夜を超えて二人の距離は近くなりました。最初は少しだったものの、だんだんエスカレートしていく二人の距離。

シュプリーム「舐めなさい。」

妹「い、いえ、しかし、、、、分かりました。」

シュプリーム「どう?私の足のお味は。」

妹「シュプリーム様が頑張ったことが伝わる、たまらない匂いです。」

シュプリーム「あら、私は味について聞いているの。」

妹「少し、しょっぱい、です。」

シュプリーム「あら、そうなの。じゃあ次は脇も頼むわね。」

妹「、、、はい。」

さらに要求は加速していってついには、、、


と私は本を閉じた。これは、、うん、、まぁ、ある意味、続きが気になるかな。とりあえずこの本は借りて最後まで読むとして、近くにあった本を数冊適当にあさってから私は図書館をあとにした。

そして魔法少女マッチの会場を調べようとした、まさにその瞬間、

なんだろう、このおぞましい感覚。

???「同種の匂いがする。見ればわかる、さてはお前、百合中だな。でなければ、お前も百合にならないか?」

殺気!これが!

リリィ「私は百合の魔法少女、リリィ!月に代わって、、、(恥)、」

振り向くと、そこには犬の被り物をした魔法少女が立っていた。

???「え?月に代わって?」

リリィ「あれ?知らない?世代、、(そうか、海外には伝わらないネタだった!)」

???「面白いこと言うね。私はホール。地面に穴をあける魔法の持ち主だよ。」

ホール、穴ね、確かにその犬の被り物のような全体だとそれを彷彿とさせるのか。大きい犬の手形の手袋?でいいのかな。そこにちょこんと爪がある。手袋は手首が隠れるほどで全身が茶色に統一されている。頭は半分犬のフードでおおわれておりフードには犬の垂れ耳がついている。髪の毛はえんじ色、上は白いシャツに茶色の毛布を首に巻いている。靴はこげ茶、くるぶしからひざ下にかけて犬のモフモフとしたした毛がついており、スパッツとズボンが一体化されている。スパッツ部分は黒い斑点があり水玉模様になっているようだ。腰に巻かれたベルトから胸の下らへんまでが素肌となっている。おへそ丸出し!ベルトからは犬の尻尾もついている。

リリィ「それで、なんで百合の事を?」

ホール「その本だよ。履修済みなんだ。」

リリィ「もしかしなくても百合、好きなんですか。」

ホール「そうだよー、リリィちゃんを食べちゃうかもー」

リリィ「嬉しい!百合を語り合える人がほしかったんだー」

ピロンという音が鳴った。

リリィ「あ、ちょっとごめん。」

空気の読めない奴め。私はスマホを取り出して調べようとして、圏外だったから床にたたきつけたくなるのを必死に我慢しながらマジカルフォンへと持ち替えた。するとあやとりちゃんからだった。な~んだあやとりちゃんか~。魔法少女マッチの会場わかりますか?と。それが、、

リリィ「ねぇ、急に話は変わるんだけど、魔法少女マッチの場所って分かったりする?」

ホール「うん、しってるよ。」

リリィ「案内してもらっていいかな?」

ホール「いいよ、じゃあおすすめの百合作品を教えてもらおうかなー。」

リリィ「是非是非!」

私とホールさんは意気投合し魔法少女マッチまで歩いて行った。


そこは大きなコロッセオだった。こんなに大きいところで戦わなくても、って魔法少女同士の戦いとなると規模が違うのか。

ホール「いやー楽しかった。おすすめされた本、今度読んでみるね。」

リリィ「うん、ありがとうね」

ホールさんとは連絡先を交換してある。貴重な百合仲間だからな。大切にしないと。

指定された席に行くとあやとりちゃんが見えた。今日もかわいいな、、あれ、胸元にメガネがある。観戦用かな。

あやとり「あ、リリィさん、いよいよですね!」

と興奮しているあやとりちゃん、かわいいなぁ。

リリィ「なんだかあやとりさんがスポーツ好きなのって意外だなぁ、」

あやとり「ただの勝負じゃないんですよ!魔法少女同士の勝負なんですよ!」

リリィ「推しとかいるの?」

あやとり「もちろんです。見どころは何といってもアラウンドさんとミックスさんです。アラウンドさんは魔法少女の中でもトップクラスの実力者、魔法を斬る刀を使うんですけど目に見えないくらい素早いんですよ!しかも彼女の魔法は死角がなくなること、剣術とは関係ないんです!それなのに圧倒的な強さ!尊敬してます!あとあとミックスさんなんですけど、彼は二つの魔法を混ぜることができるS級の魔法少女でどんな手を使ってくるかわからないんです!戦術が巧みなんですよ!魔法の組み合わせ次第でどんな状況でも対応して見せるこの人と言ったらもう!!」

楽しそうでなにより。

リリィ「えっと、ルールってどうなってるの?」

あやとり「あ、はい、えっと相撲の立体版みたいなもので相手を場外に出したら勝ち、あとは降参すれば負けというシンプルなルールです。ヒールさんなどの医療チームも充実してるので怪我の心配もありません。あ、試合が始まりますよ。」

ブザー音と共に会場へでてくる魔法少女達。会場を見るあたり、戦いの場は二つあるようだった。トーナメントでAブロックにはミックス、Bブロックにはアラウンドが居る。勝ち抜きというルール上両者最後まで残るんだろうな。

「ゲームスタート」

ファイヤー対ミックス。ミックス「ウォーター(左)×ファイヤーレスキュー(右)」であっさりと勝ってしまった。ずるいというか、ファイヤーさんに対してファイヤーレスキュー、つまり消防車なんていくら何でも一方的じゃないか?ミックスさんはほとんどの魔法少女に対してウォーターとファイヤーレスキューの水圧で相手を外に出すという戦法を取っている。

一方Bブロックでは不思議な光景が続いていた。アラウンドさんはどんな魔法少女が相手だろうと目では追いつけない速度で相手に近づき刀を首元にあてて降参させ続けている。試合が始まるたびに指定の位置まで戻るのだが、ゲームスタートと共にものすごい速度で距離を詰め、魔法がきても刀で打ち破り先端を首元にあてている。すごい。どれだけの鍛錬を積めばあそこまでの身体能力になるんだ?

そして予想通りAブロックはミックスさん、Bブロックはアラウンドさんが勝ち残った。いよいよ決勝だ。

ミックス「本気で行かせてもらうよ。「ホーク(上)×ガトリング(下)」」とミックスさんは魔法の組み合わせを変えていた。どうやらセットするマジカルフォンによって魔法が変わるらしい。背中にはやした翼で空を飛び、ガトリング砲となった足で上から弾丸の雨を降らせている。しかし、アラウンドさんはその銃弾を全て刀でかわしている。

リリィ「そ、そんなこと、、」

できるの?弾丸の雨をかわすなんて、、

ミックス「わかった。真剣勝負が望みなんだろ?「パンチ(上)×キック(下)」」

とミックスさんは地面に着地した。するとアラウンドさんは刀を背中にしまった。そして、二人の姿は土埃で見えなくなってしまった。いや、それだけではない、砂埃が立つ位置がばらばらとできている。つまり、両者目で追えないほどの速度で動いている。アラウンドさん剣術だけじゃなく武術にも長けているのか。

「そこまで!」

とホイッスルが鳴った。砂嵐が止んだ先に見えたのはミックスさんの顔に拳をつけようとしているアラウンドさんの姿だった。

「勝者、アラウンド!」

わーー!!!と会場が盛り上がる。す、すごかった。

リリィ「というか、審判もすごいね、私には見えなかったよ。」

あやとり「ゾーンさんですね。周りの動きがゆっくりに見えるので。」

なるほど、、

試合が終わり、ミックスさんはインタビューで悔しそうにしていた。そして終わった会場をミックス「ペイント(右)×ガトリング(上)」と右腕から大量のペンキを出して色とりどりに染め上げていた。これが恒例行事らしく、みんな記念写真を撮っている。

アラウンド「おまえ、仕事はどうした?」

ミックス「え?えーっと、、」

アラウンド「さっさと行け。」

ミックス「わかったよもう。「ジェット(上)×ロケット(下)」じゃあみんな!悪いけど行ってくるねー応援ありがとう!」

一瞬にして飛行機雲をのこしてミックスさんは飛んで行ってしまった。


魔法少女マッチの後、あやとりさんと近くの喫茶店に入っていた。

あやとり「いやー、もっとミックスさんのカスタム見たかったですー」

リリィ「確かに、水攻めだったもんね、」

あやとり「でも、あそこまでの水圧を出すなんて相当努力してるんですよ。」

リリィ「そうなの?」

あやとり「そうですよ。私たち魔法少女は魔法を使うテクニックを磨けばもっと高みに行けるんです。私たちは固有魔法しか扱えませんが、ミックスさんは60個くらいの魔法を操るんです。1個でも大変なのに60個もですよ?相当努力してるのが伝わってきてます。私にはわかるんです。」

リリィ「そういわれると、凄いねだって60通りだもんね。」

あやとり「いえ、60×59で3540通りです。それにミックスさんが隠し持っている魔法もあるでしょうし、魔法少女は1023人まで同時に存在することが証明されてますからミックスさんの力は計り知れません。」

リリィ「た、確かに、、」

私も極めてみようかな、魔法。百合ハーレムが作れるかもしれないんだもんね!

あやとり「あ、それはそうとリリィさん、パーティーに行きませんか?」

リリィ「パーティー?」

あやとり「はい。魔法少女の交流を深めるための会、ですね。他の魔法少女といたら魔法について詳しくなれるでしょうし、どうでしょう。」

リリィ「あやとりさんも行くの?」

あやとり「はい、行きますよ。」

リリィ「行きます。」

あやとり「では招待状を送っておきますね。」

ピロンとマジカルフォンが鳴った。来週の土曜日、ホテルで開催するみたいだ。

あやとり「誘いたい人がいたら誘ってもいいですよ。人数制限は特にないので。」

リリィ「それって一般人もいいのかな?」

あやとり「いいと思いますよ。魔法少女見習いの方も来るって言っていたので。」

ミミでも誘ってみるか。


あやとりさんとは喫茶店で別れた。ポータルさんのところへ行き自宅まで返してもらった。明日、仕事かー、あやとりちゃんに5日会えないのかー、神様はなんでそんなことを、、

ミミにパーティーに興味あるかと聞いたら、「私、ミステリアスなので。」と帰ってきた。え?行かないってことでいいんだよね?うーん、そうだなーと思っていると百合漫画が目に留まった。あ、そういえばもう一人誘える人がいるぞ、ホールさんだ。連絡先も交換してあるしおすすめの漫画も貸せるから一石二鳥!百合小説も持っていこう。これはまだ話してなかったはず。よーし来週まで頑張るか。


???「尻尾をつかんだかもしれないわ。早急に、、」

???「いや、まだだ。」

???「しかし、、」


私の平日の5日はすぐに過ぎていった。なぜなら会社でこんなことができるからだ。推しの配信を見る事。ふふーん、説明してほしい?マジカルフォンは普通の人には画面も音も聞こえない。つまり誰にもばれずに自分の好きな動画を見放題ってわけ。しかも通信料はかからない。なんか魔法のポイントが減っていってる気がするけど別にいいでしょ、こんなにあるんだもん。ということであやとりちゃんがいない日を終えて私はホールさんとホテルに向かうことにした。ちなみにホールさんは二つ返事だった。行く行く!とのこと。

ポータルを通るとそこは草原だった。マジカルフォンを取り出し、地図を開く。位置情報とホテルまでの場所を設定して、、

ホール「この道をまっすぐみたい。」

リリィ「ありがとう、調べるの早いんだね。」

ホールさんと好きな百合について話していると時間はあっという間に過ぎて行って、結構な距離を歩いたはずなのに全然疲れていなかった。もしかして体力がついたのかと思ったが今の私はリリィ、魔法少女だった。疲れていないのは当然か、と思いホテルについた。草原のど真ん中にポツンとホテル。なんでだろう?こんなところに建てたいってよっぽどの草原好きなのかな?

ホール「何してるの?早く行こう!」

リリィ「はーい。」

自動ドアを開けて中に入るホールさん、それに続く私。ラウンジにソファーと机がある。左側には奥に行けそうな通路があり、右手にはエレベーターがあった。けど誰もいない?と思ったらエレベーターからメイドさんが出てきた。メイドだ、ビクトリアンメイドだ!

???「ようこそおいでいただきました。私はメイドのクルミと申します。招待状を拝見させていただきます。」

リリィ「どうぞ。」

マジカルフォンを渡す。もちろん画面はあやとりちゃんからもらったメールを表示させてある。

クルミ「リリィ様ですね。お待ちしておりました。そちらはお連れ様ですか?」

ホール「やぁ、どうも。ホールです。楽しそうなのでついてきちゃいました。」

クルミ「いいえ。食事は人数が多い方が楽しいですからね、問題ございません。こちら、」

とクルミさんはスカートの中に手を入れて、ってえ?スカートの中?

クルミ「リリィ様の301号室の鍵と、ホール様の401号室の鍵となります。」

なんと鍵をスカートの中にしまうスタイル!

ホール「ありがとう。」

え?ホールさんスカートの中の鍵には一切無視ですか?もしかしてこれが普通だったりする?気後れしないように鍵をと握ると、温かい。こ、これ、クルミさんの太ももの温かさや!魔法少女の太ももの温かさや!私はずっと金属の部分を握りしめていた。このぬくもりを大切にしよう。そう心に誓った。

クルミ「お部屋までご案内します。」

私とホールさんがエレベーターに乗ると、クルミさんは3階と4階のボタンを押した。ドアが閉まる。へー、青色なのは珍しいな。前には窓もないし、後ろも鏡がないし、本当に青一色だった。私は渡された鍵を見ていた。

ちなみにもう、

ぬくもりは、

ない、

ご愁傷様。

鍵にも301と書かれているし、それについている札にも301と書かれていた。エレベーターが3階で止まり、チーンという音とともに扉が開く。

クルミ「この後はお食事の予定でございます。1階で皆様もお揃いです。」

ホール「じゃあまた後で。」

リリィ「うん。」

3階について壁を見ると305と書かれたドアがあった。エレベーターを出て右手に305号室がある。うーん、なんとなくエレベーターから301、302と進むのが普通じゃないのかな?と思いつつ私は、304、303、302号室の前を横通りし、目的の301と書かれた部屋にたどり着いた。鍵を入れてガチャリ、開けると結構な広さだった。天井が高いのかな?全体的に高級感がある。壁は金色なのだろうか、少し輝いている。床に敷かれた赤い絨毯はふかふか。右手にはベッドがあり、左手には姿見やお手洗いのマークが書かれたドアがある。私はとりあえず持ってきた荷物をベッドの横に置き、少し部屋を探索、いや、1階にいかないとな、、でもちょっと気になるな、、とお手洗いのドアを開けるとバスルームも奥に置かれていた。いわゆるユニットバスというものだった。確か世界的にはこっちの方が定番なんだよな、と一通り見終えて1階に向かうことにした。部屋を出てきちんと鍵を閉める。と左手に白いドアが。エレベーターとは向かい合う関係にあるその白いドアは、となんだこれ?、、ああこのマーク、非常階段か。とドアノブを取り中を覗いて、、とはいかなかった。扉は閉まっていた。非常じゃないから仕方ないか、と逆方向のエレベーターに向かった。


エレベーターにはまたしてもクルミさんが乗っていた。まるでエレベーターガールだ。というか、エレベーターに乗っているガールだから強ち間違いではない、あれ?私もエレベーターガールってこと?、、、などと考えていたらいつの間にか1階についていた。私がどっちに行くんだろうと迷っていると

クルミ「こちらです。」

とクルミさんが案内してくれた。ラウンジを横切り先ほど見えた奥に進めそうな通路を進み、角を曲がると見えたのはカフェテリアだった。おっしゃれ~。ってか、一方通行だったね、なんでそんなところで迷ってるんだ、私、、、、その扉を開けると座っているあやとりちゃん

リリィ「あ、あやとりさん!」

あやとり「リリィさん。お先にいただいてます。」

えへ、ぐへ、ぎょうもがわいいね~いいんだよ、たんとお食べ、(私がつくったわけでもないけれど、、)

私はあやとりちゃんの手を握っていた。そう。握っていたのである。それはもう、これはもう、あれはもう、なにがなんでも、という確固たる意志をもって手をつないでいた。

???「、、、、、、だれ、そいつ?」

あん?あやとりちゃんに向かってなんだ?その態度。二度とエビぞりしかできないような体にひん曲げてやろうかあん?!!

あやとり「ああ、こちらはリリィさん、私が担当してる魔法少女で魔法の国を紹介した仲です。リリィさん、こちらはスルー、私の恋人です。」

そうそう、魔法の国を紹介されちった仲なのよ、って、

リリィ「え゛?(ごいびど?)」

あやとり「あの、どうかしましたか?」

リリィ刹那の思考。それは時に伝説となる。至高となる。

リリィの頭に電気がほとばしる。

リリィ「(百合の呼吸、壱の型、可憐)ううん、なんでもないよ。」

あやとり「そう、ですか、、」

スルー「、、、、どうも。透視能力です。よろしく。」

リリィ「(うううう)うん、よろしくね。」

あん?透視だぁ!!あやとりちゃんのお風呂とか覗いてんじゃねーだろーなー。お前の服もスケスケなんだよこの白スケスケ野郎が!なんだその格好全身真っ白レインコートじゃねーか。白い長靴に白いマスク、おまけに髪も白いときてるぜ!お前はレントゲンか!シャウカステンにでもなったつもりか、あん?

(※シャウカステン:X線写真を観察するために使われる照明付きのディスプレイ機器)


パンと手をたたく音が響く。

???「みなさん、これで全員お揃いになられました。各々自己紹介をしつつ、食事を楽しみましょうね。あ、失礼、私はシュプリーム、愛の魔法を使います。以後、お見知りおきを。」

ん?シュプリーム?ってあの漫画の?、、

シュプリーム「クルミ、ミルク、ご挨拶を。」

クルミ「どうもクルミです。触った人の感覚が分かります。」

ミルク「こ、こんにあ、こんにちは、ミルク、そばにいる人のやってぽしいことが分かります。どうぞよろしゅく。」

???「私たちはそう、魔法がそのままんますぎて説明が要らない系の魔法少女、スライムと、こっちから触手、洗脳、センス、シールド、スパークです。」

触手「説明省かれた。まぁそのままなんだけど。触手を出せます、というか、もう出てます。ドロドロしてたらすみません。」

洗脳「スライム、説明をしっかりしろ。」

スライム「センスさん、感覚を上げたり下げたりできます。シールドさん、防御幕を張れます。スパークさん、電気を操ったり作ったりすることができます。」

洗脳「と、このように、やってもいいかなって感じるくらいの事を命令すれば命令通りに動かせます。(けして一人称が吾輩ではない)。」

センス「感覚を反転させたりといろいろできますけど、あまり使う機会はないですね。」

スパーク「、、、、ん?あ、あたしの番ね。電気でびりびりって感じです。ゲーマーです。」

シールド「シールドです。攻撃を防いだりできます。アラウンドさんとは仲良くさせていただいてて、シールドを足場にしたりして一緒に戦闘を手伝う仲間でもあります。」


リリィはこう考えていた。なにもあやとりちゃんとスルーが付き合ってたとしてそれが何になる。あやとりちゃんが、いや、あやとりさんが傷つかない方法。それはスルー、、さんと離れさせないこと。恋人をむやみやたらに離してはいけない。これは鉄則のルール。これは確定。そこから私がどう幸せになるか。答えは一つ。スルーさんと仲良くなって、いや、あやとりさんに私の魔法をガンガン使って猛烈にアピールしていったん二股をさせる。そしてスルーは二股をする奴なんて大嫌いだと捨て台詞を捨てに捨てて、そして最終的にはあやとりさんと私が結ばれる。それで万事解決(この女、何も聞いていないようで、何も聞いていないのである。)


???「私はマリーです。バージニア州、アメリカから来ました。」

???「パトリシアです。ノースカロライナ州から来ました。よろしくしくれるととてもたすかりまーす。」

???「シャーロットよ。スウェーデンから来ました。今回私は魔法少女を習いに来ました。マリーさんとパトリシアさんとは言語が分からなくて最初は戸惑いましたが今日ですっかり仲良くなりました。魔法少女は言葉がたくさんわかってすごいなと3人で話していました。よろしくお願いします。」


パチパチパチパチ


リリィはこう考えていた。どうする?魔法でどうにかなる問題なのか。いや、どうにかするんだ。そうだ!洗脳だ!洗脳さんに「あやとりにふさわしいのはリリィだけでありこれが究極の百合なのである」と何億回と洗脳させればいける!いけるぞ!(もう一度言おう。この女、全く話を聞いていないように見えて、推しキャラの事しか考えてないのである。)


ホール「ホールです。真下に穴をあけられます。落とし穴を作るのが特技です。よろしくお願いします。」

あやとり「あやとりです。ひも状のものを操ることができます。よろしくお願いします。」

スルー「、、、、スルーです。透視能力です。よろしく。」

???「リキッドです。液体操作の魔法が使えます。大学附属病院で医者をやっております。このホテルを設計したのも私です。今日は皆さんで盛り上がってくださいね。」


シュプリーム「さて、今日お集まりいただいたことを祝しまして、乾杯!」


リリィ以外「「「「かんぱ~い」」」」

あやとり「あ、あのー、リリィさん?」

リリィ「(いや、あやとりさんの記憶をすべて抹消して私好みに育て上げるのも、、)へ?」

あやとり「あの、みなさん乾杯されているのですが、、」

リリィ「ああ、かんぱーい。」

あやとりさんに気を取られていたが、どうやらバイキング形式らしい。確かにこれだったら全員の交流がし易いか。ってなにあれ?触手服?またニッチなものを!全身ラバータイツを超えての触手服、一応足先から太ももにかけてラバーみたいだけど、太ももから触手がちょっとあふれている。大切な部分は隠してもそれ以外はさらけ出すタイプ。Vの字になっているそれは女性の重要な部分だけを隠している。おへそは丸見え。また二の腕から手首にかけても同様に外側ラバー端っこ触手というもので、その、恥ずかしくないんだろうか。ラバー部分は黒くて髪と同じ。触手部分はピンクだ。背中から触手が生えているのだろうか、多分自由自在に動かせるんだろうな。

???「おーい、握手」

リリィ「あ、こんにちはぁ!!」

手が、私に握られた手が、肘から先がない状態で、、、

???「いい反応するね、よいしょっと。」

と私の手につながれていたドロドロに溶けているそれをもとの体にくっつける。

リリィ「スライム?」

よく見ると全身がスライムでできているらしかった。色はモスグリーン、腰にはポシェットがついている。スニーカー?もパーカーも全部余すことなくスライムでできているみたい。

変幻自在系ってところだろうか。服までスライムならどんな格好にもなれるのかも知れなかった。

スライム「え?さっきそうだって説明したじゃんかー。で、名前は、あーっとおーい!」

スライムさんの掛け声により触手服とタキシードと冒険者と電気属性の子が来た。

スライム「で、名前は?さっき自己紹介してなかったでしょ。シュプリームも忘れてて乾杯なんてするからー」

リリィ「あ、リリィです。魔法はアスモデウスです。」

スライム「ん?なにそれ?」

リリィ「えーっとその、、」

???「大丈夫です。こいつバカなんで。あ、私触手。」

名前そのままなんかい!もっとこう、なんかあったやろ、

スライム「えーじゃあ知ってるの?その、アシタデモイイッス?」

触手「七つの大罪って知ってる?」

スライム「なにそれ?」

触手「当分理解できそうにないね。あ、この子はシールドで、こっちのはスパーク。」

シールド「シールドを張れる!強い!」

能天気なタイプ?なのかな?いかにも冒険者って感じの子だ。探検家といってもいいだろう。全身はベージュ、肘までの裾に膝までの丈、胸ポケットも腰のポケットもあって上側は茶色になっている。登山靴をはいていて帽子まで被っている。うん、ジャングルシップにいるね。

スパーク「、、、えっと、ゲーム配信とかって見たりする?」

リリィ「うん、結構見るかな、」

スパーク「え?本当に?清楚な感じだから見えなかったなー。ネットとかに疎い感じがするから、意外だった。ゲーマーなのは言ったよね。これから世界大戦をやるんだ、知ってるよね?スプラッタートゥーン。」

ごめん。清楚に見えたら本当にごめん。魔法もアスモデウスだし、どっちかっていうと淫乱に、、、。スパークさん、見た目から電気を操れそう感が漂っている。黄色いパーカー、左右で髪の色は違い、左が水色、右が黄色、その境目は電気を連想させるジグザグになっている。水着にも見える黄色いそれは胸を隠しており、ズボンの色は髪の色とは逆で左が黄色、右が水色となっている。白い厚底のスニーカーに腰回りには黄色いチェーンが巻かれている。

???「触手、私も紹介しろ、忘れられてるんだが、、」

触手「あ、ごめん、こちらは洗脳。よくパシりにされ、、、」

洗脳「だって触手っていろんな場所に素早く行けて便利だし、あと私の魔法ききやすいからついごめんごめんって。」

洗脳さん。タキシードを着ているようで上は真っ黒だ。ワイシャツが見えていてストライプになっている。タキシードというだけあって上の服なのにひざ下まで丈があって、そこに切れ目が入っている。ズボンも灰色のストライプだ。黒いローファーをはいていて、手には白い手袋。言われてみれば催眠術師っぽいかも。


???「となり、いいですか?」

と言ってきたのはお医者さんだった。

リリィ「どうぞ、」

???「どうですこのホテル、私個人としては結構いい出来栄えだと思うんだけど、、」

リリィ「ええ、気に入ってます。カフェテリアなんておしゃれですね。」

???「えっとリリィさん、であってますか。聞くつもりはなかったんですが聞こえてしまって。」

リリィ「はい、そうです。魔法はアスモデウスです。」

???「アスモデウスか。なかなかに強いね。」

リリィ「すごい、アスモデウスを知ってるなんて。お医者さんなんですか?」

???「え、そう。医者だよ。私はリキッド、液体操作の魔法を使える。」

見るからにお医者さんって感じだった。これ以上に説明、いるかな?白衣を着ていてメガネをかけている。首からは青い紐でぶら下がっている身分証明書、茶色の靴に黒いズボン。白衣の下まで白色だ。そういえば、私、スルー、リキッドさんと3人白い魔法少女がそろっているな。

???「せんせー。」

と1人の女の子が近寄ってきた。それに続いて2人来ており、この3人は見た目からして魔法少女ではないようだ。

???「結果、どうでした?」

リキッド「うん、アレルギー反応はそこまで高くなかったかな。でも運動した後だと体がとっても吸収を頑張ってしまうからそれで痒くなったんだと思う。心配いらないよ、パトリシア。」

パトリシア「ありがとう先生。」

???「お姉ちゃんはなんて名前なの?」

リリィ「(お、お姉ちゃん!)リリィだよ。魔法は、、百合の花を咲かせること、かな。」

???「そうなんだ、ずっごーい。私マリー、将来絶対に魔法少女になるんだ!」

リリィ「そうなんだ!頑張ろうね。」

マリー「うん。お姉ちゃんはどうして魔法少女になったの?」

リリィ「私は魔法の国から指名されて、魔法少女になったんだよ。」

???「指名ってことは強い魔法を持っているってことですよね。花を咲かせるのが魔法だなんて嘘なんじゃ、、、」

マリー「もう、夢がないなー。あ、この子はシャーロット。お花を咲かせるなんてきれいな魔法じゃない。」

シャーロット「この子って、私の方が年上なんだけど。」

マリー「年なんて関係ないよ!そんなこと言ってると魔法少女になれないよ。」

シャーロット「え、、そうなんですか、リリィさん?」

リリィ「うーん、どう、だろうねー、、、」


私はあやとりさんのところに戻ることにした。クルミさん、よく働くなー。それに対してミルクさんはシュプリームさんのそばを離れないな。ミルクさんもクルミさんと同じくメイド(ビクトリアンメイド)らしく、双子であるようだ。見た目はそっくりで違うところといえば胸くらいのものだ。いや、いやらしい意味はないよ、別に。ミルクというだけあってミルクさんの方が乳が大きい。いや、いやらしい意味はないよ、別に。それにあのシュプリームさんの格好、、であればあの漫画はノンフィクションという事に、、、。

リリィ「あやとりさんは何号室なの?」

あやとり「201です。」

ほおぉ私の下にあやとりちゃんが、、

スルー「、、、202。」

聞いてない。は!あやとりさんの寝顔、あやとりさんからあやとりさんまで透視できてしまうではないか!

???「すごい感覚ですね。どうなっているのかしら。」

ん?とそう言えばまだ話してない人がいたらしい。

ホール「乙女には触れてはいけないものってのがあるんでござんす。」

???「ごめんなさい、最後の方意味があんまり分からなくて、、」

ホール「そういうのは感覚で覚えるんだよ。感覚の魔法少女でしょ。」

リリィ「(あれ?クルミさんと魔法がかぶってる?)私の感覚、分かるんですか?」

???「いいえ、でも気配を感じとることはできるんです。」

ホール「ねぇ、センスちゃん、感度を高めることだってできるの?」

センス「ええ、できますよ。感覚は脳が作り出した幻。それを操るのが私の魔法ですから。」

リリィ「どうも、センスさん。」

センスがいいとはよくいうものの、センスさんの服のセンスは私にはあまり分からなかった。黒のスキニーをはいているが上はダボっとした灰色の、なんていう服だろう?タートルコーデとかそういうのに近いのかな?靴は灰色のスニーカー。全体がアンバランスというか、でもそれが不思議とかち合うのだから不思議だ。あれ?不思議だから不思議?私の語彙のセンスも終わっているのかも知れなかった。


食事は終盤を迎えており、もう立ち去っているひともいるようだ。最後にスープが出て終わりらしく、もう飲み終えたお皿がちらほらと見える。

クルミ「どうぞ。」

と差し出されたのは、なんだろう、魚介類のスープなのはわかるんだけど、その魚がなにかまではって

リリィ「おいしい、、」

とおもわず声が出てしまった。

クルミ「口に召されたようで何よりです。」

シュプリーム「リリィさん、後で私の部屋まで来てくれないかしら。話したいことがあるの。というよりも、そのために呼んだのだけれど、付き合ってくれるわよね?5階の私の部屋まで来てちょうだい。」

リリィ「はい、もちろん。」

これ、断らせる気ないな、、まぁホテルを借りて食事までいただいてるんだから当然行くけど、ちょっと強引なのが気がかりというか、ま、贅沢言ってられる身じゃないけど、、これがお嬢様ってやつなのかな?

触手「これ、料理名は何ですか?」

クルミ「そう、ですね、、、私の創作料理のようなものなので名前はまだありません。」

触手「そう、、でもとてもおいしい、、」

クルミ「ありがとうございます。」


食事を終えた私は呼び出された5階に向かうためにエレベーターの方へ向かっていた。するとスパークさんがラウンジのソファーと机を使ってゲームをしている。そういえばそんなこと言ってたっけと近づくと

スパーク「ああ、リリィちゃんどう?ちょっとやっていかない?」

リリィ「(シュプリームさんは時間指定はしてなかったしちょっとくらいならいいかな)うん、じゃあ一戦だけね。」

スパーク「そんな言わずにさ、ほらコントローラー持ってみなって。」

リリィ「う、うん。あれ?それってWi-Fi?」

スパーク「うんそうだよ。それにしても不便だよねー今の時代にWi-Fiがないホテルなんて逆にレアだよね。」

確かに。紹介ページのところにWi-Fiがないって記載してくれてもいいのに。

スパーク「じゃあ始めよっか。」

リリィ「一戦だけだからね?」

スパーク「そんなこと言って、なんだかんだやっちゃうんでしょ?」

リリィ「そんなことないよー」


1時間後


リリィ「全然勝てない!よし、次こそは!(何か忘れている気がする。)」

スパーク「あれ?そう言えばリリィちゃん、シュプリームに呼び出しくらってなかったっけ?」

リリィ「(ぎくっ!)そうだったそうだった。怒ってるかな?」

スパーク「まぁ時間なんて気にする人じゃないでしょ、なにせお嬢様でしょ。時間指定もされてなかったようだし、礼儀をしてれば大丈夫だと思うなー。」

リリィ「ごめん行ってくる!」

スパーク「はーい、行ってらー。」


コンコン

リリィ「失礼します、、、」

私は5階の一番大きな部屋に軽くお辞儀をして入った。5階には部屋が少なく、ミルクさん用の501号室とクルミさん用の502号室、それから503,504,505号室が合体してできたような巨大な部屋がある。ちなみに503号室となっている。お嬢様専用のようだ。部屋の中にはミルクさん、クルミさん、触手さん、スライムさん、洗脳さん、センスさんと豪華メンバーがそろっていた。

シュプリーム「日本人って本当に礼儀正しいのね。」

リリィ「そう、かもしれないですね、、」

シュプリーム「前置きって私苦手なの。だから単刀直入に言うわね。私の組織に入ってほしいのよ。その魔法、気に入ったの。」

リリィ「はぁ、その、何の組織なんです?(遅れたのに触れない当たり心が広い)」

シュプリーム「簡単に言うと色恋沙汰でね、みんなで幸せになろうって話なの。あなたのアスモデウスはそのためにぴったりじゃない。」

私に近づくシュプリームさん、耳元で囁くように

シュプリーム「あなたって好きよね、百合。あなたの好きなようにできるのよ。女の子を好きにしたいと思ったことはない?年齢も問わないところが私としての推しポイントでね、ぞくっときちゃわない?」

私は正直「なんだその夢のような話!」と思っていた。

シュプリーム「現実でもえっちな漫画のようなことができるのよ。しかも魔法少女が相手でもいいし、人間相手でもいいし、なんなら見ているのが好きっていうのもできるし、二次元がいいならそれでも。だってこちらには魔法があるのよ?どんな夢物語も現実にできるの。二次元に入ったりはもちろん、二次元をこの次元へ変換することだってできる。夢や仮想現実でもいいなら、本当になんでも「アリ」なの。」

シュプリームさんは元の座椅子のところに戻りながら、楽しむように発言を続ける

シュプリーム「あなたはどんなプレイがお好みかしら?触手プレイ?スライム攻め?洗脳かしら、薬っていう手もあるわよね。ここにいる魔法少女だけでもそれは可能なの。もちろんノーマルも、アブノーマルも、すべてを美味しくいただくことができるのが強みよ。SにだってMにだってなれるし、叶えたい願いならば組織をあげて叶えるわ。どうかしら。」

私は悩んだ。その末に、、

リリィ「私はリリィ、百合の魔法少女です。シュプリームさん、あなたの言っているのは性的なものであって正確な百合ではないと思います。なので、今回は見送らせてください。」

シュプリーム「、、、そう、、、好きにするといいわ。ミルク、紅茶の準備を。そうね、屋上でちょっと黄昏たいわね。」

センス「私がお送りいたします。」

それは私に放った言葉だったらしく、エレベーターのボタンを押してくれた。


1人の魔法少女がリリィに接触しようとしていた。


リリィ「シュプリームさんの提案、のればよかったかな?」

センス「気にしないで下さい。急に言われても困るでしょう。気が変わったらまた相談すればいいのです。あの方はそういうお方ですから。」

そういうものなのかな、と考えていると待っていたエレベーターが到着した。

センス「3階でしたよね?」

リリィ「はい。」

なんだろう。なんとなく変な気がしてきた。私の魔法が私にもかかっているのかもしれない。ちょっとぞくぞくするような、なんとも言えない感覚。魔法にも酔うってあるのかな?

チーン、という音と共にエレベーターは3階へと到着した。

センス「私は食堂の後片付けでもやっておきます。」

それはこれから1階に向かうという意味らしく、センスさんはエレベーターに残ったままだった。

リリィ「ご苦労様です。」

と私はセンスさんを残して自室へと向かった。その途中で

ホール「あ!リリィちゃんちょうどいいとこに!ちょっと部屋貸してくれる?いいものが見れるかもしれないんだ?」

リリィ「はぁ、いいですけど、」

と私は鍵を取り出し、自室を開けた。

リリィ「どうぞ。」

ホール「リリィちゃんも入るんだよ!」

貸すという言葉からしてホールさんが私の部屋を独占するという意味だと思っていた私はちょっと戸惑ってしまった。ホールさんに手を取られ301号室に入った私。ホールさんは私のベッドに駆け寄り、「よっと」という掛け声とともに私のベッドを土台ごと動かしていた。

リリィ「え!ちょっと何やって」

ホール「しーー。今からは他言無用の言語道断のシークレットタイムだよ。絶対に気づかれちゃだめだからね。」

と小声でしゃべりながらしゃがむホールさん。目を合わせて頷いた後彼女は床を手袋の爪でひっかいて穴をあけた。もちろん、魔法だ。そしてホールさんはできたのぞき穴から下を見ているようで、こっちにおいでと手招きしている。わたし用に開けられたであろう穴をのぞくと、そこには、百合が。スルーさんが縄で縛られていて、亀甲縛りで、、、


あやとり「スルーちゃん、これくらいでいい?」

スルー「、、、もっときつくても、いいかも、、」

あやとり「、、もうすっかりMだね。私嬉しい。」

スルー「、、、、、」

あやとり「顔、赤いよ。可愛いね。耳も真っ赤。ほら、舐めてあげる。、、、(ペロッ)」

スルー「はうっ!」

あやとり「(ペロッ)、、ねえ、どんな事してほしい?」

スルー「、、、その、、えっと、、」

あやとり「その口はキスを欲しがってるね?いいよ、しよっか。」

と、あやとりさんの口がスルーさんの口に近づいていって、、、、


リリィ「(うぎゃぎゃ!!)」

私は思わず四つん這いから正座になってしまった。ホールさんも同じような反応で、お互いに顔を赤らめながら見つめあう時間ができてしまった。ホールさんは目を泳がせている。ホールさんがあけた穴は次第に閉じていき、さっきまでかすかに聞こえていたリップ音が消えてしまった。え?もっと見てようと、思ったら、、

ホール「ねぇ、、、ちょっと私、リリィちゃんの魔法にかかっちゃったのかも。その、えっと、、、」

声をかすめて私に近づいてきた。

ホール「キス、してもいいかな?」

リリィ「(!、、、、)」

私が言葉選びに迷っているとホールさんは私に抱き着いてきた。

ホール「ってか、しよ?」

と、ホールさんの口が私の口に近づいて、抵抗する間もなく、、


私はキスされてしまった。

ホールさんは舌を入れてきて、唾液が私の口に、、たっぷりと入ってきた。

ホール「飲み込んで?」

、、、、、、、、、、、、、、、、、。



私はホールさんとの一端を、その、えっと、終えた後、気まずくなって部屋を無意識に出ていた。すると、

???「あら、顔が赤いわね。盗撮でもしてたんじゃないかしら。」

と見知らぬ少女が、いや、この外見は魔法少女か。紫色をベースとした少女、手には黒い手袋をしている。髪は薄い紫でミニスカートを追い越すくらい長くなっていて、足にはひざ下までの黒いブーツを履いている。濃い紫色のミニスカートから膝までが出ており太ももが拝める。スカートと同じ色のジャケットを着ていて中のシャツは白、オレンジ色のネクタイをしている。襟元にはメガネがかかっている。まぁその少女が話しかけてきた。

リリィ「えっと、なんで盗撮のことを?」

???「頭の花は飾りかしら。百合の花がモチーフでリリィ、魔法はアスモデウス。その子が顔を赤らめてるってことは、、大体想像がつくわ。」

リリィ「え?えっと、あなたは?」

???「私はミスト。ホテルをたまたま見つけたから来てみたの。」

リリィ「、えっと、初めまして?でもなんで私の名前や魔法まで知ってるの?」

ミスト「それは、、、たまたまよ。」

そんなわけあるかい!って、ほかの人から聞いたのかもしれない、か。

ミスト「突然で申し訳ないのだけれど、これをかけてちょうだい。」

と高級そうなネックレスを渡された。かけるって言うからてっきりミストさんの胸元にかけられているメガネの事かと思ったけど、どうやら違うらしかった。なんかどっかで見たような気がするんだよな、そのメガネ。どこだったかな?

本体もチェーンの部分も黄色いネックレス、宝石がついているようだけどこれって?

ミスト「それはジュエリーさんが作ったもので、マインドさんの魔法が込められているわ。精神的にあなたを守ってくれるものよ。」

リリィ「マインドさん?洗脳さんじゃなくて?」

ミスト「、、、あなた、S級の魔法少女の事も知らないの?マインドさんはもっと格別に上の存在よ。マインドコントロールって話くらい聞いたことあるわよね。いわば精神に干渉する系の魔法で、、、っていいわよね、こんな話。さっさと出ましょう。」

リリィ「え?今日はここに泊まる、、」

ミスト「さっさと出るの。1階には人がいたわ。屋上からなら見つからないかもしれない。」

リリィ「、、、見つかったらまずいの?(ってか飛ぶの?屋上から?)」

ミスト「ええ、とてもね。」

リリィ「んーでも、確か屋上にはシュプリームさん達が、あ、シュプリームさんっていうのはね、、」

ミスト「(!)なら5階の窓を破って、、、いや、、」

破るって強引な。それになんでそんなに出たいんだろう?入ってくるときにもう見つかってると思うけど。

ミスト「わかったわ。1階から出ましょう。」

そう言い終わるとエレベーターまで駆け寄りボタンを押す彼女。

ミスト「ネックレス、付けておいた方が良いわ。」

リリィ「、、わかったよ、、。」

エレベーターが到着して1階へ向かっている途中だった。ピロンという音が響いたので私はマジカルフォンを取り出した。そのメールに書いてあったのは、、

リリィ「え?」

ミスト「どうかしたの?」

リリィ「い、遺体が発見されたって、、501号室で、、」

ミスト「、、、、」



私とミストさんが1階についてラウンジを見ると、スパークさんはまだゲームをしていた。

リリィ「スパークさん、い、遺体が発見されたって、、501号室で、、」

スパーク「へー、そうなんだ。行ってくれば?」

リリィ「え?スパークさんは行かないの?」

スパーク「だって、よっと、門番が必要なんじゃない?こういう時って、さ、ホテルの出口はここしかないし、ちなみに怪しい奴は見て、って、誰?その子、」

リリィ「ああ、この子は、、」

ミスト「初めまして。フレデリカと申します。」

リリィ「ちょっとミストさん!ふざけてる場合じゃないんだよ!」

ミスト「、、、まったく、もう、、」

と奥からスライムさんが出てきて

スライム「遺体だって話聞いた?まずいんじゃないの?すぐに向かった方が、、ってどなた?」

ミスト「、、、フレデリカです。」

ミストさんは私を睨みつけていた。

スライム「そう。、、!そんなことより、早く現場に行かないと!3人とも来て!」

スパーク「私は残るよ。門番してる。」

スライム「門番?ああ、そうか、そうだね。うん、じゃあ行こうか、2人とも。」


エレベーターに乗った後、私を含めた3人が5階へ向かっていた。なんだか落ち着かない。

チーンという音と共にエレベーターは5階へと到着し、すぐに501号室へと向かった。ドアが開けられていて、そこにはセンスさんがいた。なにやら顔が青ざめている。センスさん、メールの差出人が彼女だったことから薄々とは感じていたが、まさか第一発見者になるとは、かわいそうに、、

センス「あ、皆様、ってその子、、」

とセンスさんが言い終わるまでにミストさんは501号室に入っていってしまっていた。

リリィ「ちょっと!」

と私はミストさんの後を追いかけて部屋に入った。入ってしまった。遺体のある部屋に。

ミストさんは床の中央で遺体となっている、、マリーさんに駆け寄っていた。

ミスト「だめね、もう亡くなってるわ。ってあな、、リリィ、何で勝手に入ってきてるのよ。」

リリィ「え?それはミストさんだって、、」

ミスト「、、、私は良いのよ。、、他の人を入らないようにしてなさい。それとも遺体を調べられるの?」

ぐるっと回って、私はドアの方を向いて待っていた。するとドアの向こうにはあやとりさんやスルーさん、リキッドさんにシールドさん、それぞれが集まってきていた。ミストさんが声を発するまでは誰も部屋に入ってきていない。ちなみにミストさんは胸にかけていたメガネをかけている。

ミスト「そうね、大体のことはわかったわ。リリィ、この人の名前は?」

リリィ「マリーさん、だよ。」

ミスト「マリーさんの死亡推定時刻は今より30分前ってところかしら。死因はおそらく、頭にあるこの傷ね。平たいもので殴らて、即死に近かったはずよ。ずいぶんと血が飛んでいるのね。この飛び散り方の場合、一番可能性が高いのは、、そう、転落死ね。」

リリィ「、、転落死?殴られたって、、」

ミスト「ええ、地面に殴られたといったらわかるかしら。なにも凶器の方だけが動くわけじゃないもの。人も動くのよ。だいたい20~30メートルくらいの距離を落ちたらしいわね。頭の傷もそのくらいの衝撃が加わったように見える。それより、これが気がかりだわ。」

ミストさんの手に握られていたのは二つの鍵、だった。名札には205、304と書かれている。

ミスト「これは被害者のズボンに入れられていたものよ。嫌な予感がするわね。」

確かに。マリーさんはえっと、何号室だっけ?304号室だったっけ?

私はドア付近まで歩き、

リリィ「あ、あの、マリーさんって何号室でしたっけ?」

クルミ「205号室です。」

リリィ「、、?じゃあ304号室は?」

クルミ「スライム様でございますね。」

スライム「え、うん、私だけど、どうかしたの?」

リリィ「うん、それが、マリーさんのポケットに304号室の鍵が入っていたらしいんだ。」

スライム「え?」

ポケットを探している様子だが、焦っているらしく、

スライム「確かに、鍵がない、」

するとピロンという音がまた響いた。マジカルフォンを開くと、、あれ?なにも通知がない。あ、もしかしてスマホの方か。と思うとミミからメールが届いていた。「いつ帰ってくるの?」とのこと。あれ、言って無かったっけ?でも、多分警察とかが来てとても帰れそうにないんだよな。「今日は帰れない。また連絡する。」と簡単に返信をしておいた。

スルー「、、、こういう時って第一発見者が怪しいって聞くけど、、」

センス「、、、それは私です。ドアの前を通ったら血の匂いがしたものですから、気になってノックしてみたのです。ですが返事がありませんでした。事故でも起こっていると大変だと思い、クルミさんにドアの鍵を借りたんです。」

クルミ「さようでございます。」

ミスト「スペアキーなどはないのかしら。」

クルミ「マスターキーならば、ここに。」

とまたスカートをめくってマスターキーを取り出すクルミさん。

ミスト「借りるわね。」

とマスターキーを取ってしまった。

ミスト「304号室に急ぐわよ。」


私とミストさん、センスさん、クルミさんがついてきて、私たちは304号室へと向かった。なんだか寒気がする。上下左右が分からなくなるくらいのへんな感覚。それにしてもミストさん、遺体を平気でさわるし検視まで、いったい何者なんだ?

304号室へとやってきた私達、ドアに鍵がかかっていたのを確認したミストさんはマリーさんが持っていた鍵を使って部屋のドアを開けた。すると、、、部屋の左壁によたれかかっているパトリシアさんを発見、してしまった。

リリィ「ううぅ」

今回も率先してミストさんが検視、私は他の人が部屋に入らないようにと見張る役目となった。ふと気になったので私は質問をしてみることにする。いや、落ち着かないから誰かと話していたかったというのが本音かもしれなかった。

リリィ「あの、変な事聞くようですけど、501号室には鍵はかかっていたんですよね?」

センス「はい。ノックした後に確認もしましたし、鍵が開く感覚が伝わってきていましたから間違いないかと。」

うーん、つまり密室ってこと?でもマスターキーはあるしな。

センス「あの、何でそんなこと聞くんですか?」

リリィ「あ、いや、大したことじゃないんです。さっき鍵がかかっていたかどうか話されていなかったからもしかして、と思って。」

センス「、、、そう、ですか。すみません、ふがいなくて、、、」

リリィ「い、いえ、遺体を発見したのであれば忘れるくらい誰にだってありますよ。」

センス「、、あの、変な意味ではないのですが、それにしてはリリィさん、頭が回っているように思えるのですが、、」

ん?、、、確かに。だって遺体を発見しているんだし、私の精神もやられ、、とネックレスを思い出した。なんだか全部見透かされているような。気のせい、だよね?

ミスト「リリィ、入ってきなさい。」

呼ばれた私は第2の現場へと入る。

ミスト「この人の名前は?」

リリィ「パトリシアさん、だよ。」

ミスト「パトリシアさんは今から30分前くらいに死亡したようね。さっきのマリーさんの遺体の時と時間がほとんど変わらないわ。よって、どちらが先かまではわからないけれど、お腹をナイフで刺されたことによるショック死のようね。でも奇妙な点がいくつかあるの。まず一つ目はナイフが見つからないことよ。」

リリィ「、、、犯人が持ち去ったってこと?」

ミスト「、、、、二つ目は出血量が少ない事よ。」

リリィ「、、、ん?それってどんな時に起こるものなの?」

ミスト「ナイフで刺されて、それでもこの出血量となる場合は、遺体が死に至るまでナイフが突き刺さっていた場合よ。ナイフが栓の代わりになって血がたれにくくなるの。でも、ちょっとおかしいと思わない?ナイフがないってことは犯人が持ち帰った可能性が非常に高いことを示すけれど、死に至るまでの時間を犯人が待ってそこからわざわざナイフを取り出したなんてちょっと考えられない行動だわ。」

リリィ「、、、確かに。、何で待っていたんだろうってなるね。」

ミスト「そして三つ目はナイフが凶器ではない可能性がある重要な事よ。被害者の腕に注射の跡があるの。もしかしたら薬で殺されたという可能性もあるわ。ナイフは偽装工作で薬が本当の死因の可能性もある。」

リリィ「、、、あ!それなら私知ってるかも。確かパトリシアさんは健康診断用の採血をされてたんだよ。」

ミスト「、、、遅効性の毒の可能性も、、いいえ。それはないわね。私が確認したところ、お腹の血には不純物が混ざっていないようだし、採血は朝方行われたんでしょ?」

リリィ「え?なんで知ってるの?」

ミスト「あなたね、健康診断だったら昨日の夜から何も食べないでって言われるくらい慎重に行われるものなのよ。そして1階には食事をした痕跡があった。被害者の胃の中もそれを語っている。なら、血は食べる以前に抜かれたと考えるのが自然なのよ。」

リリィ「ああ、そうだね。それにしても不純物までないってそんなこと見ただけでわかるの?」

ミスト「わかるわけないじゃない。これよ。」

とミストさんはメガネを指さした。

ミスト「このグラスは魔法を入れることができて、調査用の魔法が入れられているの。ほら、あなたもかけてみればわかるわよ。」

ミストさんのメガネをかけると、うわ、なんだこれ。現在地というか座標が表示されている。それに温度や速度、湿度、高度、キャッチできる電波などありとあらゆるデータが書き記されていた。

リリィ「あの、なんで調査用の魔法なんて持ってるの?」

ミスト「それは、、たまたまよ。」

で、でた、たまたま。何か隠してるな。とミストさんを視界に入れると。ミスト、魔法気体化、登録ナンバー43、スイス出身、など、ミストさんにまつわることが書かれていた。

リリィ「へー、気体化か。やって見せてよ。」

ミスト「勝手に個人情報を見ない!」

とミストさんにメガネを取り外されてしまった。自分は人の個人情報を見てるくせに、、うん?個人情報?そっか、私の名前や魔法を知っていたのはそういうことか。あ、あのメガネ

リリィ「そっか、あやとりさんも持ってるんだったそのメガネ。」

ミスト「メガネじゃなくてグラスよ。まあグラスさんって方がいるからそこで買ったのね。捜査以外ではあまり役に立たないグラスだけど、私気に入ってるの、これ。」

なんだか珍しく嬉しそうなミストさん。

リリィ「あれ?でもマリーさんとパトリシアさんの名前は聞いてきたよね?」

ミスト「リリィ、あなた、もしかして全人類がデータ化されているなんていうわけじゃないでしょうね。そのグラスでわかるのはせいぜい魔法少女くらいなものよ。」

あーそうだよね。普通に考えて、、

ミスト「そして残念な報告があるわ。被害者のポケットにまた鍵が二つ入っていた、今度は402、203号室よ。」

リリィ「え!?それって、、」

ちょっと、まって、一人目はマリーさん、二人目はパトリシアさん、共通点は、魔法少女じゃなくて人間であること。ってあれ?5階であの人、見かけてない、、、いや、見かけてないのはシュプリームさんやミルクさんだってそうだ。気おくれしちゃだめだ。

リリィ「クルミさん、パトリシアさんはどの部屋ですか?」

クルミ「402号室でございます。」

つまり怪しいのは203号室、、、、、、、、、。

2階へ向かおうとすると先ほど5階にいたメンバーがやってきていた。やはり事件は気に、なるよね、、

ミスト「何してるのよ。さっさと行くわよ。」

触手「ん?いくってどこに?」

リリィ「ああ、また被害者から鍵が出てきたんです。次は、203号室らしい、です。」

シールド「え?また被害者って、もしかして二人目の被害者が?」

リリィ「、、うん、そうみたい。、、」

リキッド「、、、、後で被害者の検視結果をまとめておきますね。」


また私とミストさん、センスさん、クルミさんと共に2階へ目指す。203号室には案の定鍵がかかっており、中には、部屋の中央で倒れている、、、シャーロットさんの姿が。もちろん、鍵を開けたのもミストさん、3人目の被害者を調べているのもミストさんだ。私はまたドアのところにいる。なんだか健康に悪そうな、いや、実際に悪いであろうこの状況。なんだか空気までよどんでいる気がする。今回の事件、犯人は複数なのかな?マリーさんにパトリシアさん、二人の死亡推定時刻は同じくらいだった。つまり犯人が一人となると相当早く行動しなくてはいけないことになる。

ミスト「リリィ、完了したわよ。」

シャーロットさん、今度はなんだかきつそうな体勢だな。うずくまっているように見える。

ミスト「、、、てる?」

リリィ「え?」

ミスト「被害者の名前よ。あなた大丈夫?」

リリィ「ああ、この人はシャーロットさん、だよ、」

ミスト「シャーロットさんの死亡推定時刻は、やはり30分前のよう、、ね。でも今回はあまり参考にならないかもしれないわ。被害者には低温火傷の跡があったことから、死亡推定時刻がずれてる恐れがあるの。」

リリィ「、、火傷で死んじゃったの?」

ミスト「いいえ、直接の死因は、、簡単には言えないわ。複数の要因が混ざっているの。まずは全身にある痣ね。これは全身が締め付けられていたことを示しているわ。」

リリィ「、、締め付ける?」

ミスト「ええ、全身に相当な負荷がかかったように見えるの。それに加えて火傷ね。首に手を当てていることからは窒息死や毒死が考えられるけれど、どれが直接の死因かはわからないわ。それに遺体は全身が湿っていたわ。」

リリィ「、、(締め付け、、湿っている、、まさか、、)」

ミスト「それにしてもこの部屋乾燥してるわね。なんでなのかしら。」

リリィ「ちなみに、濡れているってただの水?」

ミスト「ええ、普通の水よ。特におかしな液体ではないわ。」

よかった。と安心していると、ピロンとまたメッセージが届いた。取り出して確認してみると、あれ?圏外?ってスマホだった。もう、マジカルフォンはこっちでしょ、自分にあきれながら届いたメッセージを確認してみる。差出人はリキッドさん、内容は検視結果だ。内容を見てみると、マリーさんとパトリシアさんのデータがあり、死因などはミストさんが教えてくれたものと似たり寄ったりだった。ダブルチェックでこれってことはミストさんの検視結果は信用できるものと考えていい、というか、なんでそんなことわかるの?

ミスト「それに被害者の胸ポケットには瓶が割れて入っていたわ。この割れ方、ただの圧がかかったというわけではなさそうよ。少しばかり溶けているみたいだもの。」

リリィ「もしかして、、炙り瓶?」

ミスト「炙り瓶?それはなにかしら?」

リリィ「いや、こっちの話、気にしないで、、それで瓶が割れるのにはどれくらいの力がいるの?」

ミスト「割れていること自体は問題じゃないわ。溶けているって部分が問題なのよ。このガラスだと、そうね、80度、低くても60度はないとこうはならないんじゃないかしら。それに被害者には火傷もあった。つまり高温状態になっていたということを示していることになるわ。、、、でも安心して、次の鍵は501号室、つまりこれで殺人は終わりということになるはずよ。」

リリィ「そう、だね、、。」

ミスト「でもまだ終わっていないかもしれない。このホテル全体を調べる必要があるわ。」

リリィ「え?、、それってほかにも被害者がいるってこと?」

ミスト「それはわからないわ。だからこそ調査するんでしょ。」

と少しばかりの決め顔でいったミストさんの手にはマスターキーが握られていた。



とりあえず、ミストさんは現状いる2階から調査を行っていくみたいだ。それとミストさんの提案で二人きりで調査するとのこと。ミストさんは2階の全てのドアを片っ端から開けて何かないかを探している。しかし、何も見つかっていないそうだ。もしまた遺体でもと思ったけど、2階には何もないらしい。3階の調査に移った。しかし結果は同様、特に何もなし。4階の調査も特に何もなし。

リリィ「さっきからなにか探してるの?」

ミスト「ええ、おかしな機械や殺人に関連するものを処分されたのかと思って探してみているのだけれど、本当に手がかりがないわね。」

そういいながら非常階段の鍵を開けるミストさん。そっか、犯人が非常階段を使った可能性があるのかと覗いてみると、、あれ?5階につながる非常階段がない?どうしてだろう?そんなことを考えていると今度はエレベーターの方へ向かうミストさん。いろいろと忙しいな。エレベーターが到着して、乗り込もうとしたとき

ミスト「待って乗らないで。」

そういうとミストさんはエレベーター内のボタンを押した。先ほど来たエレベーターがすぐに消えていく。

リリィ「何やってるの?」

ミスト「エレベーターを調べようと思ってね。」

と言い終わるや否や、エレベーターのドアをこじ開けていた。もちろん、エレベーターは移動済みなので広がったのは床のない空間だったが。下を、見るのはやめておいた方が良さそうかも。

ミスト「ちょっと行ってくるわね。」

ミストさんは床のない空間にダイブした。え?何やってるの?気になった私は怖い気持ちもありつつ、エレベーターがない縦長の暗闇を覗いてみた。すると下の方が明るくなっており、よく見るとミストさんがまたエレベーターの扉をこじ開けたらしかった。光が欲しいからってそんな強引な。えっと4、3、2、1、1階のドアを開けているのか。この高さだと、ん?高さ?そっか、マリーさんは転落死した可能性が高いんだ、だから高度がある場所を調べてるのか、なるほど、言ってくれればいいのに、などと考えているとなにやら変な物音が。結果的に言うとそれはミストさんが壁を蹴って4階にたどり着こうとする音だった。

ミスト「調べてきたわよ。」

リリィ「今の。どうやったの?」

ミスト「?えっとパルクールって知ってるかしら。あれの応用版よ。日本人ならマオリシスターズの壁キックと思えばいいわ。」

ミストさんは特段興味もなさそうにエレベーターのボタンを押した。

リリィ「そんなことできるなんてすごいんだね。」

ミスト「あなたも魔法少女なのだから、これくらい出来て当然だと思うけれど。」

リリィ「、、、はい、、できるように頑張ります、、、」

チーンという音とともにエレベーターが到着した。というか、扉を力ずくで開けてたけど大丈夫なのかな?乗り込んでボタンを押したのはミストさん、行き先は屋上?

リリィ「5階は調べないの?」

ミスト「もう調べてあるわ。何もなかったけれど。」

リリィ「え、はや、ってかいつ?」

ミスト「、、、、、エレベーターの上に血痕などの痕跡はなかったわ。それにごつごつしていたし、あそこが現場だとは考えづらいわ。」

屋上についた私とミストさん、そこにいたのは当然シュプリームさんとミルクさんだった。

シュプリーム「あら、どうなっているのかしら、調査の方は。」

リリィ「それが全く、謎だらけで、、」

シュプリーム「そう。頑張って頂戴ね。」

リリィ「シュプリームさんはずっとここにいたんですか?」

シュプリーム「ええ、そうよ。お茶は楽しいもの。ゆったりとした時間はレディの嗜みなのよ。もちろんミルクも一緒だったわよ。これは、立派なアリバイになると思うのだけれど。」

リリィ「(アリバイか、みんなにも聞いてみようかな。)そうですね、シュプリームさんとミルクさんのアリバイはあると思います。」

ってあれ?ミストさんは?姿が見えないけど、、どこ行っちゃったんだろう。屋上って隠れられそうな場所はないのに。うーーん、エレベーターに戻るか、と踵を返す。ボタンを押そうとしたところでミストさんに1階のボタンを押される。

リリィ「わっ!み、ミストさん、急に何?!」

ミスト「驚かせてしまったようね。魔法を使って隠れていたの。」

リリィ「魔法?、確か気体化、だよね?」

ミスト「そう、このように」

ミストさんは全身を霧のようにして見せた。確かに姿がなくなる。そっか、ミストって霧って意味だもんね。

ピロン、マジカルフォンを取り出すとリキッドさんがシャーロットさんの検視をしてくれたことが分かった。内容は言わずもがな、ミストさんと同じ。それからみんなのアリバイについても書かれている。あやとりさんとスルーさんは同じ部屋(201号室)にいた。シールドさんとリキッドさんも同じ部屋(404号室)にいた、か。うーん予想はしてたけど、アリバイのない人もいるもんね。って私のアリバイは?ミストさんと出会う30分前くらいは、えっと、5階でシュプリームさんに勧誘されていたあたりかな?それかホールさんと、、、のあたりだろう。うーん、アリバイはありそう?だってシュプリームさんと離れてもセンスさんがいたし、センスさんが居なくなってからはホールさんに会ってるし、ホールさんの後はミストさんに会ってる。うーん、一応成立はしてそうなんだけどなー。

チーン、1階に到着するとミストさんはラウンジをぬけてカフェテリアに入り、キッチンの奥へと行ってしまった。

リリィ「そこに何かあるの?」

ミスト「監視カメラの映像を確認しておこうと思って。」

リリィ「え?監視カメラなんてあった?」

ミスト「、、、あなたねエレベーター前にあったじゃない。各フロアごとに設置されていたわ。おそらく角度的にすべてのドアを録画しているはず。」

リリィ「は、犯人が映ってるかもしれないんだね!」

ミスト「、、、そうだといいわね。」

奥の扉をマスターキーで開けるミストさん、何の部屋だろう、電気制御室?みたいな、というか多分それだ。ミストさんは慣れた手つきで映像を見ている。私はミストさんと一緒に事件が発生しているに違いない時間のドアをすべて見たけれど、

リリィ「特に何も映ってない?」

ミスト「まだ早いわ。もう少し調べましょ。」

結論、分かったことといえば事件発生時にはだれもドアに近づいてはいない、ということだった。事件発生から発覚までの時間も調べても有力な映像はなし、強いて言うならあやとりさんとスルーさんが一緒に部屋に入って行ったとかそれくらいで、言うまでもなく私が映っていて、、、それにミストさんが映っていた。え?これって?時刻的には私と合う前だよね。何して、と思ったらまた消えた。気体化の魔法か。

ミスト「おかしいわね。」

リリィ「そうだよね、犯人、映ってないもんね、、」

ミスト「そうじゃなくて被害者まで映ってないわよ。」

あ、本当だ。

ミスト「リリィ、あなたが最後に被害者を目撃したのは?」

リリィ「お昼ご飯の時、だよ。」

ミスト「そう。ならお昼から今まで被害者はカメラに映らないような場所にいたことになるわね。」

リリィ「ねぇ、それっておかしいよね。あ!そうか、これ偽物の映像なんだよ。別の日とかの映像で、、、」

ミスト「いいえ、ちらほら私が映っているでしょ?それにあなたもいるわ。他の話とも食い違いはないし、私が来ることは予想できないはず、これは本当の映像と捉えることが賢明な判断よ。」

リリィ「え?で、でも、それだと、犯人どころか被害者までカメラに映ってないことになっちゃうよね?」

ミスト「、、ええ、そうなるわね。」

気まずい空気が流れる。

ミスト「いなかったわね、私たち以外の怪しい人。」

リリィ「と、いうと?」

ミスト「つまり、このホテルには潜んでいる者や私以外に後から来た者、途中で帰った人はいないという事よ。」

リリィ「それって、じゃあ私たちの中に犯人がいるってこと?」

ミスト「さて、どうかしらね。」


3.14159265、、


月「どうも皆さま。この小説を書いている月(LUNA)と申します。さて、ここまでの情報をもとに推理をなさってはいただけませんか?これは推理小説なのです。そして今、すべての証拠が出そろいました。そう、名探偵の皆様ならもしかしてすべての謎を暴くことができるかもしれません。もちろんローラー探偵様も大歓迎です。

読者への挑戦でございます。では、推理するもよし、小説を読み進めるもよし、、、

あ、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!!!!!

ではでは~~」


3.16227766、、


ミストさんが監視カメラの映像をメガネ、じゃなくてグラスに移していた。魔法っていうのは便利だなと改めて感じる一方、今回のような事件も起こせてしまうような恐ろしいものとも感じる。1階のラウンジにいくと、みんな自然と集まっていた。このホテルにいる全員がここに集まっていた。

クルミ「皆様、お茶を用意させていただきました。リリィさんとフレデリカさんはどうなさいますか?」

リリィ「こう、、ミルクティー、甘いのでお願いします。」

ミスト「コーヒーをお願いするわ。」

糖分を取っておいた方がいいよね。警察が来たりで大変になりそう、、

リリィ「警察、そろそろ来る頃かな、、」

シュプリーム「警察?呼んでいないわ。」

その一言にみんなが驚いた様子を見せる。

触手「え、、呼んでいないんですか、警察、救急車はともかくとして、警察は来てもらった方が、、」

シュプリーム「私、警察って苦手なのよね。」

スライム「それじゃあ事件が」

シュプリーム「解決、すればいいのよね。犯人を見つけ出して。それを今から行おうってわけよ。」

リリィ「(裁判ってこと?)」

スパーク「はいはーい!私気になります!じゃなくて気になってるところから話してもいい?」

スルー「、、やる気、みたい、、」

あやとり「私もサポートするから大丈夫だよ。」

洗脳「みんな、議論を進めよ!」

ミスト「リリィ、これを使うといいわ。」

グラスを渡される。さっきの監視カメラの映像も見れるし、ミストさんが行った検視データも入ってる。よし、いくよ、みんなを守るためだもん!


スパーク「まずさーマリーちゃんだっけ?転落死って話だったじゃん?で思ったんだよね。マリーちゃんがいたのは5階でしょ。だったら、屋上から穴をあけて、そこから突き落とせば転落死の完成だよね?」


ホール「ちょ、ちょっと、!」


リリィ「ちょと待って!屋上からって言ったけど、そんなことはないんだ。そうだよねシュプリームさん。」


シュプリーム「あら、あたし?」


リリィ「う、うん、だって言ってたよね、ずっと屋上に居たって。そのとき、ホールさんを見た?」


シュプリーム「見てたら言うに決まってますわ。私はそんな怪しい人は見てません。」


リリィ「、、という事なんだ。だからマリーさんを屋上から突き落とすなんて無理があるんだよ。」


スパーク「ふーん、でもさ、ずっと見張ってたわけでもないんでしょ?それならさ、こっそり近づいて下に落としたのかもよ。」


シュプリーム「私はずっと紅茶を飲みながら景色を見てましたの。だから見落とす可能性はあるかもしれませんわ。」


リリィ「え、、ちょっと、、」


シュプリーム「でも、エレベーターで来たのでしたら話は別でしてよ。エレベーターが止まる時、決まってチーンと音が鳴るはずですわ。それを聞き逃すほど私は野暮ではございません。」


リリィ「あ、なら大丈夫だね。屋上に行くのにはエレベーターでないといけないから。」


触手「それは違うんじゃない?」


リリィ「え?」


触手「だって私たちは魔法少女。このホテルを飛び越える脚力くらいあると思う。」


リリィ「、、、それって外から屋上に飛び移ったってこと?そんなこと、、(私には、無理、だけど、、)」


触手「だから、外に行って、屋上に行って、下に落とす。そして降りてきて、またホテルに戻れば、問題ないでしょ。エレベーターは使わないんだから。」


スパーク「なーるほどそうだったか。エレベーターは使われてないんだね。あれ?ごめん、でも私、ホールちゃんなんて、というかどこの誰も出ていった姿を見てないよ。」


リリィ「そ、そうか、スパークさんはずっとゲームをやってたんだよね。つまりずっと門番役をやってくれていたんだよ。だから犯人が外に行くのなんて不可能だったはずだよ。」


スパーク「ま、あ、?入ってきたことに気づかなかった奴なら一人いるんだけどね。」


リリィ「え、、それって、、、ミストさん?」


スパーク「そうなんだ。私は誰も入ってくるところを見ていないはずなのに、なぜかミストちゃんだけは見てないんだよねー。あ、誰も出ていくところは私の認識上見てないよ。それとさ、本当は最初に確認しておくべきことなんだろうけどさ、被害者の足取りってどうなっているの?そこから何かわかって来るんじゃないかな?」


あやとり「、、、、私は、見てませんね、食事の後の話ですけど、、」


スルー「同じく。」


リキッド「あの、このホテルには監視カメラがあるんです。その映像を見れば何かわかるかもしれません。」


リリィ「うーん、それが、変なんだよね。監視カメラには映ってなかったんです。それどころか、犯行時刻頃、どの部屋も誰も近づいてはいない様子で、、」


スライム「それっておかしくない?だって自分の部屋にも帰ってないってこと?」


スパーク「その映像ってどんなものなのか教えてくれる?アングルとかどうなってるのかなって。」


リリィ「うん、映像は2階から5階までの4種類で、エレベーターの前から撮られてるみたい。映像には5枚のドアが映ってる、一番端はちょっと見切れてるけど、1号室のドアも映ってるからおかしなところはない、かな。」


スライム「いやおかしいですよ。犯人はともかく、被害者も映ってないなんてその映像、捏造なんじゃないですか?」


ミスト「ええ、おかしいわ。多分犯人の偽装工作よ。深く考えない方がいいでしょうね。」


リリィ「え?、ちょっと、、さっきと話が、、」


クルミ「、、、あの、水を差すようで申し訳ないのですが、ミストとはどなたの事でしょうか?」


ミスト「、、、私よ。私、本当はミストっていうの。」


クルミ「偽名をお使いになられていたのですか、、いったいなぜ?」


ミスト「それは、、秘密よ。」


スパーク「監視カメラはおいて話を私の見張りに戻すとして、まあなんにせよ、私にばれないで済む方法が現れた以上、私の門番はちょっと緩くなったのかな?だとしたらホールちゃんが出ていったとしても気づかなかったかもー。」


リリィ「ちょっとスパークさん!」


スパーク「だからね、こうなんだよ。犯人は何かしらの方法で外に出たんだ。そして屋上へと上がりそっとマリーちゃんを落としたんだよ。どう?これなら問題ないよね?」


リリィ「(今のスパークさんの発言には、、)問題が、あるよ。」


スパーク「聞かせてくれる?」


リリィ「うん、あのね、マリーさんは20~30mくらいの距離を落下したらしんいだ。だから

屋上からそっと落としただけじゃ距離が足りないよね?」


スパーク「え?そうなの?」


リキッド「ええ、確かにマリーさんはかなり高い位置から落ちたようです。血の飛び散り具合からそれらの事が分かりました。」


スパーク「なーんだ、そうなんだー、いや、屋上でジャンプしてそこから下に落とすってのも考えたんだけど、それだとシュプリームにバレちゃうからできないね。」


センス「あの、、そうなるとどうなるのでしょう?」


スライム「あ!わかった!何も5階が殺人現場だとは限らないよね?だったらこういう手もあるよ!エレベーターの落差だよ。犯人はエレベーターを1階に移動させて、5階のエレベーター用の扉をこじ開けて、そこから落としたんだ!なら、20~30mにも収まるし、どうかな?」


リリィ「それは、違うと思う。」


スライム「え?なんで?」


リリィ「あのね、私とミストさんはエレベーターの上も調べたんだ。でも血痕なんてどこにもなかったんだよ。だからその推理は成立しないんだよ。」


スライム「ふーん、あまいですな、血は犯人がふき取った、いや、消し去ったんだよ!液体操作ならそれが可能だよね?」


リキッド「え?私?」


スライム「そう、犯人は液体を操れる。だから血痕を操って現場を誤解させたんだよ、5階だけに!」


リキッド「、、、私だとしたら、わざわざ20~30mくらいの距離だっていうような血痕は残しませんよ。5mくらいにして先程のスパークさんの推理のように屋上からそっと落としたとそうみせかけますね。」


スライム「その言い訳をするためにあえてその距離にしたんじゃないですか?」


リキッド「、、、はぁ、、、」


リリィ「(本当にリキッドさんが犯人なの?あれ?そういえば、)ちょとまって、リキッドさんにはアリバイがあるんだよ。そうだよね、シールドさん。」


シールド「あーはいはい、チェスの事ですね。私とリキッドさんとでチェスの試合をしていましたから、お互いがお互いを監視しあっていたのでアリバイ、あります。」


スライム「そうなの?うーんでもエレベーターの線は捨てきれないと思うんだけどな。ちなみに、どこの部屋でやってたの?」


シールド「リキッドさんの部屋、404号室です。」


リリィ「(エレベーターの線、捨てられるかもしれない)あのね、エレベーターの上って凸凹してるんだよ。でもね、マリーさんの遺体の傷は平たいもので叩かれたみたいなんだ。だから形が合わないんだよ!」


触手「だったらマリーさんはどこで亡くなったの?死体発見現場ではないらしいし、、、エレベーターでもない、、屋上から地面に落としたとすると、血痕の問題があるし、、、戻ってくるときにスパークさんかシュプリームさんに見つかっちゃう、、」


スルー「、、、、なにもエレベーターの上に落とさなくてもいいんじゃない?エレベーターの下にも空間は作れるよね。エレベーターの下は調べたの?」


リリィ「(、、!)い、いや、(だだって、ミストさんが調べないし、、)」


スルー「ならいけ、、って無理か、ごめん。そこのスパークに見つかるか。」


センス「あ、あの、密室の件はどうなさったのですか?」


スパーク「え?密室って?」


センス「ああ、スパークさんは知りませんでしたっけ。今回は鍵が入れ替えられていたという密室が存在しているんです。マリーさんの遺体からはパトリシアさんの鍵が、パトリシアさんの遺体からはシャーロットさんの鍵が、シャーロットさんの遺体からはマリーさんの鍵が見つかっております。」


スパーク「へー、ふーん、なる、ほど?で、全部鍵が閉まってたから八方塞がりだと。」


センス「そういう事でございます。」


ホール「そういうの連鎖密室って言うんです。推理小説で読みました。でもこの密室は一つの密室を解くのと変わらないくらいのものなのでどこかの部屋一か所だけ密室を破ればクリアできる問題ですよ。」


スパーク「うーーんとそう、なるね、だって、鍵を閉めて、第二の鍵を閉めることは出きるけど第三の鍵が閉められないってのが悩みなんだもんね。」


クルミ「ちなみにマスターキーも存在しています。今はミスト様がお持ちになられてます。しかし、わたくしの鍵はセンシティブなところにありますので奪ってさらに戻すのは無理かと。」


スパーク「うーん、マリーさん、謎だなぁ、死因もちょっと、解けそうにないよ。じゃあ切り替えて次行こうか。パトリシアさんだね。」


リリィ「(パトリシアさんが倒れていたのは304号室だった、、、)」


リキッド「パトリシアさん、ですね。腹を包丁で一突き、なのですが凶器が見つかってないんです。」


スパーク「ん?犯人が隠しただけじゃないの?」


リリィ「ううん、違うんだよ。パトリシアさんは出血が少なかったんだ。だから死に至るまでナイフがお腹に刺さってるって話になったんだけど、犯人がわざわざそんなことするのかなって疑問が残ってるんだよ。」


スパーク「ふーん、あ、ナイフとは関係ないけど、密室トリック分かったかも!」


リリィ「え!?」


スパーク「さっきのであってたんだよ。つまりね、犯人はホールちゃん、「上の階」から


リリィ「それは違うよ!」 Break!


スパーク「うわーびっくりした、急に何?」


リリィ「あ、ごめん。でもね、さっき話したでしょ。ほらリキッドさんとシールドさんのアリバイだよ。あのチェスはパトリシアさんの上の階、404号室で行われていたんだ!だから、ホールさんがそこを通過することはできないんだよ。」


スパーク「あー、なるなるー、あ!わかった!もっと初歩的な事だったんだよ!密室といえば針と糸、つまりーあやとりちゃんが犯人なのだ!」


あやとり「え?」


スパーク「つまり彼女は、部屋にあやとりを忍ばせていて、ドアを閉じ、そしてあやとりを動かしてサムターンを回したんだ。」


あやとり「、、サムターン?」


スパーク「ありゃ、そっちかい、。サムターンってのは鍵を閉めるときに使うつまみの事だよ。そこにあやとりを絡めて、動かしたんでしょ?」


リリィ「ううん、それはないよ。だって、ドアでふさがれてたら、見えないもんね。」


あやとり「そ、そうです。見えなければ操れるものも操れません!」


スパーク「なら窓からって、ないか、外に出られない話は散々したもんねー」


リリィ「それにね、あやとりさんにはスルーさんと一緒にいたっていうアリバイがあるんだ。」


スルー「、、、あたしたちはずっと一緒だった。だから、犯行は、無理。」


洗脳「ですが、あなたがたは恋人ですよね?嘘の証言をしているのでは?」


触手「まぁ、「誰かに見られてる」なら話は別になるけど、そんなわけ、、」


リリィ・ホール「それに賛成だよ!」


リリィ「(あやとりさん、並びにスルーさん、ごめんなさい。)私たちは見てしまったのです!百合を!可憐で繊細で美しくも儚く尊いあの百合を!」


ホール「そうなんだよそうなんだよ。いやー悪いとは思っているけど、見ちゃったんだよね。あやとりさんとスルーさんは一緒にいたんだよ。」


センス「なんとなく違うキャラクターを感じますね、、」


リリィ「というわけなのであやとりさんに犯行は不可能なのです!」


触手「うーん、スライムでも通せないんだよね?」


スライム「え?私?無理無理、ドアが閉まったらスライムなんてちぎれちゃうよ。」


触手「ならなおさら不可能な気がしてきた。破る密室はこれじゃない?」


リリィ「うん、マリーさんの時は屋上があってそこにはシュプリームさんがいた、パトリシアさんの時は上の階でチェスが行われていた。無理だと思う。だから破るのは次の密室ってことになるはずだ、よね?」


ミスト「、、、、、」


リリィ「(何か反応してくれてもいいのに、、、)」


スライム「最後で息切れしないでください!」


リキッド「最後はシャーロットさん。彼女の遺体は全身が締め付けられていて、尚且つ湿っていましたね。それに熱を帯びていたような痕跡も。」


スパーク「それなら簡単じゃねーか。犯人は触手だ。」


触手「違う、、黙ってゲームボーヤ。」


スパーク「なんだと?ゲームボーイみたいに言いやがって!!」


リリィ「私も触手さんは犯人じゃないと思う。だって、湿っていたのってただの水なんだよ?触手から出る粘膜とかじゃないから違うかと。」


スパーク「でもさ、粘膜なんて出なかったら?出せる、つまり出すことが可能だってだけでただの水でも出せるんじゃねーのか?」


触手「そんなことしたらオクトパスさんに怒られる、、魔法が本当に被っているって。」


スパーク「で、でもさ、確か火傷とかもあったよな?あれって触手でコーティングして熱くなったとか摩擦熱とかでさ、、」


触手「じゃあ今から咥えてでもみます?私の触手。」


スパーク「え、遠慮しときます。よし、ならば考えていた最終奥義!スライムの出番だ!」


スライム「え?なんで?」


スパーク「触手じゃないとなると、スライムだろ。魔法似てるし、スライムってさ作る時に化学薬品を混ぜるよな?そこで発生した熱が火傷の原因なんだ、これでどうよ?」


スルー「、、、スライムってどうやって作るの?」


スライム「僕の場合はね~まず洗濯ノリを絵具で染めてから~ホウ砂水で固めていくんだ~」


スルー「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、で?」


スライム「え?おわり、だけど、熱は帯びても人肌くらいだから私じゃないって伝わらなかった?」


触手「みんなあんたみたいにスライムを沢山作ってるわけじゃない、、熱帯びるなんて知らなかったし、、まぁ常温だから関係なさそうだけど、、。」


スパーク「うーーーん」


リリィ「、、、あれ?(ゲームだとその場をやり進めていったらゴールにたどり着けるんだけどな、、)えっと密室は何とかなる?」


センス「そうですね、今までの議論からするとシャーロットさんの部屋で密室は破られるはず、ですが、、」


リリィ「(シャーロットさんが倒れていたのは203号室、その上は)303号室は誰の部屋なの?」


クルミ「シールド様でございます。」


シールド「え?うん、確かに私、だけど、あ!チェスでいなかったから開いてたんじゃないかな?」


センス「鍵はかけたんですよね?」


シールド「え、うーんと、捜査が始まって一回戻ってるんだよね部屋に。その時には鍵を開けて入ったはず、というかよく覚えてない、です。」


センス「でも覚えてないってことは違和感はなかったのですよね?それでしたらきちんと鍵がかかっていたと考えるのが妥当かと。」


シールド「そ、そうか。じゃあ私の部屋には鍵がかかっていたという事で、、あれ?私の部屋に犯人が入れない?」


スパーク「犯人というかこの場合犯人かもしれないホールだろ。」


ホール「そんなに攻めなくてもいいんじゃないかな?」


スパーク「悪いけど、都合のいい魔法である限り疑うのが性分でね。それで、そのさらに上の階はどうなんだ?」


クルミ「403号室でしたら触手様でございます。」


スパーク「触手ちゃんは何してた?」


触手「え、、、、自室にいたけど、、」


スパーク「ってことはこれも密室作れねーじゃねーか!となると、誰かが嘘をついていることになるな、それはどいつだ?」


リリィ「え、嘘?(これだけの人数で嘘が混じっている?やっぱり思った通り共犯だった?ならお互いをかばいあったりして、これじゃ、推理のしようがないよ!)」


スパーク「どいつが嘘つきで、どいつが犯人なんだ?」


洗脳「私はさ、最初から怪しいと思ってたんだ。その、ミストって子。」


リリィ「(、、ん、、、それは、、、)」


洗脳「だってさ、その子が来る頃に事件は起きたんだよね。逆に言うとその子が来るまでは平和だった。しかも名前からして魔法は霧を操ったりできるんだよね?怪しいよ、ね。」


リリィ「え、いや、あの、ミストさんの魔法は霧になることができて、、」


洗脳「霧になれる!?だったらエアコンなどの空気口を通ってどこでも行けるよね?」


リリィ「で、でも、動機もないし、、」


洗脳「それはここにいる全員がそうだと思うけど、、それにマスターキーを持ってるよね?証拠隠滅でもなんでもありだよね?」


スパーク「これじゃ水掛け論だねー、あー、あと思ったんだけど、実は被害者が魔法少女って可能性もあるんじゃない?」


リリィ「うんん、このグラスで確認できるんだけど、魔法少女ではないよ。」


スパーク「ああ、その探知ね。それってさ、魔法少女になっている間は確認できるってだけで変身を解除しちゃったらわからないよね。」


リリィ「(、、え?、、そう、なの?)で、でもマジカルフォンも持ち物にはなかったし、、、」


スパーク「まぁ普通の人間を装った魔法少女である可能性を下げてくれるだけでもありがたいけどさ、証拠に欠けるよね。これを疑い始めたらきりがないんだけどさ、霧が晴れないんだけどさ、実はもう一人魔法少女が隠れてるーとかって可能性もなきにしもあらずじゃん?透明人間が隠れてましたーそいつが犯人でしたーとかさ、ポータルちゃんとかなら全部余裕なんだろうけど、、、」


あやとり「そ、それを言い出したら、、、」


スルー「、、、、、、、、、。」


リリィ「(どうしよう。ミストさんが疑われてる。犯人じゃない、よね?そうだよね?マリーさん、パトリシアさん、シャーロットさんは魔法少女じゃないんだよ、ね?もし魔法少女だったら?犯人がマジカルフォンを隠し持ってるだけだとしたら、、前提からぐちゃぐちゃに、、、、もう、私じゃ、、、、)」





ミスト「ふーーーーーっ、どうやらここまでのようね。でも、そうね、あなたにしては頑張ったんじゃないかしら。ここから先は私に任せて。」


リリィ「え?それって?」


ミスト「私には分かっているもの。トリックも犯人も何もかも。」


リリィ「へっ?!」


ミスト「そのかわり、私とリリィだけの会話にしてほしいわ。ノイズが混じると迷惑なの。」


スパーク「はー、ノイズ扱いー?」


シュプリーム「ふふっ、面白くなりそうね。みんないい子で聞いてましょう。」


ミスト「そうね。つまらなくない展開にして見せるわ。リリィ、準備はいいかしら?」


リリィ「(じゅ、準備?、、いや、)も、もちろん!(みんなを守るためだもん!)」


ミスト「いい?いったん全ての先入観を取り払って考えてみるの。そうすれば、おのずと真実はドミノ倒しに近づいて来てくれるわ。私の質問に冷静に答えてみてほしいの。あなたならできるわ。いくわよ。あなたが家族からメールを受け取ったのは?」


リリィ「?、、マリーさんの遺体を調べたあと、だよ。」


ミスト「階数と場所でいうと?」


リリィ「5階の廊下、だけど、、」


ミスト「あなたのスマホが圏外だったのは?」


リリィ「リキッドさんのメールを読んでたときだから、2階」


ミスト「Wi-Fiがあったのは?」


リリィ「スパークさんが遊んでた、1階、、」


ミスト「ほらね、おかしいでしょ?5階にいるときに電波を受信していたのに、2階では受信されなかった。ここから考えられることは?」


リリィ「、、、、5階の方が1階に近い!?」


ミスト「そういうことになるわね。そしてあなたが盗撮していたのは?」


リリィ「(盗撮じゃなくてのぞき、なんだけどな、)3階、私の部屋だよ、、」


ミスト「3階から何が見えたの?」


リリィ「あやとりさんとスルーさん、場所は2階、あやとりさんの部屋だよ、、」


ミスト「そうね。つまり3階の下には2階があったということよ。他の疑問は?」


リリィ「(階数にまつわる違和感、、、!)5階につながる非常階段がない、」


ミスト「そう。あなたが見たのは4階からだったわね。4階からみたら上の非常階段が続いていなかった。話をまとめるわよ。4階はまるで最上階であるかのように非常階段がなかった。3階の下には2階があり、2階より5階の方が1階に近い。となれば、このホテルまがいの建物の構造はいったいどうなっているのかしらね。」


リリィ「、、上から順に4階、3階、2階、5階、1階!!?」


ミスト「そう。私たちは数字に騙されていたのよ。普通はそんなヘンテコな階数になっているなんて思わないものね。」


リリィ「で、でも!なんでそんなことになってるの?そんなホテル、おかしいよ!」


ミスト「もちろん、犯人の仕業ね。そして、マリーさんがどのようにして亡くなっていたのかを考えればどうしてそんなことをしたのかが分かってくるわ。マリーさんの遺体、一番可能性のある死因は何だったかしら?」


リリィ「、、墜落死、、」


ミスト「その通り。つまり、犯人が5階を本来の2階の位置にまで持ってきたのは墜落死させるための高低差を出すためだったの。本来の5階の位置から2階の位置まで落ちたら墜落死してしまうかもしれないものね。それも頭を下にされて勢いをつけられて落とされたとしたら、なおさら。さて、そんなことができるのはいったいどこの誰かさんなのかしらね。」


リリィ「(、、信じたくないけど、、)ホールさん、だよね、、」


ミスト「、、、。高低差を出したところで床でも貫通しない限り遺体はあんな状態にならない。彼女が4階、最上階から5階までの穴を作ってマリーさんを落としたのよ。これが真相よ。ヘンテコな階数は私がすでに調べてあるもの、間違いないわ。」


リリィ「え?調べたって、いつ?」


ミスト「え?、、あなたと一緒に調べたじゃない?4階のエレベーターの扉をこじ開けたときよ。」


リリィ「あぁ、エレベーターの上に血痕がないか確かめてた時だよね。確か光がほしくて1階の扉もこじ開けてたっけ。」


ミスト「。。。。。私、どこにいたんだっけ?」


リリィ「ん?エレベーターの上でしょ?」


ミスト「、、、、当然エレベーターは1階分の高さはあるわよね。最低階、つまり1階にはエレベーターという土台があった。その上に立ってどうやって1階の扉を開けるのよ?」


リリィ「、、、、あ、、、」


ミスト「私が開けたのは5階の扉よ。これでわかったでしょ?このホテルの階数はめちゃくちゃなの。」


リリィ「でも待って。エレベーターの階数はどうなるの?5階のボタンを押すとちゃんと5階にいくし、それに他の階だって」


ミスト「そもそも5階は女王陛下のための場所。エレベーターガールとしてクルミさんがついているなら直通のようなものよ。エレベーターは外が見えない仕様だもの、勘違いしたっておかしくないわ。」


スライム「おかしいよ!クルミちゃんがいない時はどうするのさ?だいたい私たちだってそんなおかしいことになってたら気づくって!」


ミスト「口を挟まない約束はどこへ行ったのかしら。それは、、、後で説明するわ。今はリリィ、あなただけ納得すればいいの。」


リリィ「え?私だけ?」


ミスト「あなたはエレベーターをどのように使っていたのかしら。教えてくれる?」


リリィ「えーっと、まずこのホテルについて3階まで移動したよ。私が借りてる301号室に荷物をおいて、そして1階にいってご飯を食べて、5階に、、いって、3階まで下りたよ。そしてミストさんに会って、、」


ミスト「なるほど。もうそのへんで十分よ。まず、最初の3階に行くときは問題ないわね?本当は5階、2階、3階の順でエレベーターは進むけれどエレベーターの速度加減を知らないなら1階分長く乗車したとしても気づかない。1階に降りるときも同様の原理で応用できる。5階に行くときはエレベーターがゆっくり動けば時間稼ぎになって4階分上ったと錯覚する。アトラクションの要領でわざと揺れを作ったという可能性もあるけれどそれは置いといて、3階まで下りる時が問題ね。本当は上がっているのに下がっていると認識されていたんだもの。感覚でもずらされていたなら話は別でしょうけれどね。」


リリィ「(!)」


ミスト「とはいえ、さすがにエレベーターのボタンには細工が必要よね。2階を押して5階を装ったフロアにたどり着いてしまえば大問題だものね。ヘンテコな階数といい、エレベーターといい、このホテルまがいを作った本人は相当頭がおかしいようね。」


リリィ「(、、、、)リキッドさんが関わってるって言いたいの?」


ミスト「ええ、彼女を疑わない方がおかしいわ。それに、パトリシアさん殺害の手口も見えてくるもの。いつの間にか消えた凶器ね、古典的なトリックだわ。」


リリィ「、、、、液体操作でどうするの、、、」


ミスト「簡単な話よ。つまりはね、ツララ、氷と同じよ。」


リリィ「で、でも、氷なんてどこにも、、跡もないってミストさんが」


ミスト「ええ。だって使ったのがパトリシアさんの血なんだもの。」


リリィ「(、、!)もしかして、血でナイフを作った、の?」


ミスト「ええそうよ。しかも彼女にはそれが可能だったっていうじゃない。パトリシアさんの腕にあった注射の跡、採血したらしいわね。そしてその血をつかってナイフを形作りパトリシアさんを刺した。それなら出血量が足りない理由にも、凶器がすぐに抜かれなかったのにも説明がつく。だって凶器は抜いていないんだもの。魔法が解けてそのままお腹の血と混ざって分からなくなっただけよ。ここまでくればもうひと踏ん張り、ほかに怪しい人、見つかったでしょ?」


リリィ「(リキッドさんが疑われなくなったのは、、アリバイがあったから。そしてその内容が崩れようとしている。)シールドさん、、」


ミスト「ようやく出そろったわね、3名の犯人が。ふぅ、さて、最後の犠牲者、シャーロットさんの部屋はどうなっていたのかしら。」


リリィ「、、乾燥、してた」


ミスト「逆にシャーロットさんは濡れていたわね。つまり水分が彼女に集まったという事よ。そして全身が締め付けられた跡と高熱で割れた瓶、使われたのが防御幕、シールドと考えると方法は明るみになってくる。」


リリィ「、、、シールドで、シャーロットさんを覆った、、」


ミスト「そして…」


リリィ「そして、シールドを小さくしていって、シャーロットさんは高熱の中、亡くなった、、」


ミスト「、、、ええ、そうよ。空気を圧縮すると熱エネルギーが集まって熱くなる、まぁ、これは比喩みたいなものだけど。あの部屋いっぱいに球体のシールドを張ったとして、それを小さくすると、私の計算上温度は3倍にまで膨れ上がるわ。ボイルシャルルの法則よ。そして気圧は当然高くなり、全身に圧がかかる。沸点は高くなり空気中の水分が彼女を湿らせていく。そうやって彼女を死に至らしめたのよ。」


リリィ「、、、」


え?なにこれ?

認めたくない自分がいる。

シールドで殺人を?守るための魔法なのに?

液体操作でナイフを?自分の血で刺されたって?

ホールさんが転落、、うぅ、

おかしい。

絶対におかしい。


リリィ「、、、てよ。」


ミスト「?」


リリィ「ちょっと、待ってよ、、」


ミスト「あら?反論かしら。聞かせてくれると助かるわ。」


ホール「反論ならあたし

ミスト「黙りなさい!」

ホール「!」


ミスト「私はリリィと話しているの。犯罪者は黙ってなさい。」


リリィ「やっぱりおかしいよ!ホールさんが犯人だって決まったわけじゃないのに犯罪者呼ばわりして!それに、なんで私にこだわるの?だいたいホールさんは私がこのホテルに誘ったんだよ!殺人なんて、そんなことできるわけないよ!」


ミスト「、、、あなたが誘わなくてもこのホテルに来ることはできるわ。自分にも招待状が届いたと言ってね。それにこのホテルの構造で得をするのはホールくらいよ。私の推理を聞いてなかったのかしら?」


リリィ「それでも、ホールさんが犯人だっていう証拠にはならないよね?」


ミスト「、、、監視カメラよ。」


リリィ「うっ!」


ミスト「あの監視カメラ、怪しい人は映っていなかったわね。つまり犯人たちは廊下に出ていないの。ドアを開けずに部屋に入る方法、それは上の階から穴を開けて入ったとしか考えられないわ。」


リリィ「で、でも!ホールさんは真下にしか穴を作れないんだよ!でもパトリシアさんとシャーロットさんはマリーさんとは違う階、えと、そうじゃなくて、そう!縦の場所が合わないんだよ!たしかにホールさんは縦になら移動できるかもしれないけど横の移動は無理だよね?だったら203号室と304号室には行けないはず、その上の階には行けないんだよ!」


ミスト「、、、、こんな状況を想像してみて。地面に犬がいるけど周りはフェンスに囲まれている。外に出たい犬はフェンス近くの地面を掘って、穴を作って、フェンスの下をくぐって外に出る。フェンスの下にトンネルを作ったのね。これで外に出られるわ。」


リリィ「(はっ、)」


ミスト「つまりね、横の移動をしたいのであれば隣の部屋の壁まで寄って、そこの真下に穴をあければいいの。そうすれば壁というフェンスは超えられる。これが密室と監視カメラの謎よ。これを応用すれば、ホールはこのホテルを自由自在に移動できることになるわ。非常階段を使えば下にしか行けないという制限もなくなる。」


リリィ「、、、」


ミスト「ちなみに、犯行現場となった401号室、犯人が入ったとされる被害者の上の階の303号室と404号室はそれぞれ、ホール、シールド、リキッドの部屋になっているけれど、これはヒントのつもりなのかしらね。」


リリィ「ホールさんが、、リキッドさんとシールドさんもそんなこと、するわけ、、そうだ、パトリシアさんだって!ナイフを作れるくらいの血が抜かれてるなんておかしいよ!採血ってそんなに血を抜くわけじゃないんだよ!」


ミスト「、、、なにもナイフ全体を作らなくてもいいのよ。刃の部分だけ再現できればいいのだから採血の血で事足りるわよ。なんなら献血とでも言って


リリィ「なんでそんな面倒なことするの?私なら普通のナイフを使うよ。それに血を液体操作したって言ってもそこまで強度があるの?」


ミスト「、、、あなた、さっきから情緒がおかしいわね。ホールに薬でも盛られたんじゃないかしら。」


リリィ「なんでそこでホールさんが出てくるの?」


ミスト「キスしたでしょ?のぞきの後。チャンスならあるわ。」


リリィ「さっきは盗撮って言ってたのになんでのぞきだって知ってるの?それにキスだって。」


ミスト「、、、、、あなたの言うとおりね。このホテルはおかしいわ。」


リリィ「、、、ちょっと、話をそらさないでよ!」


ミスト「、、、このホテルってなんでWi-Fiがないのかしらね。」


リリィ「話を聞いてよ!」


ミスト「話をそらしてないわ。疑問に答えてちょうだい。なんでWi-Fiがないのかしらね。」


リリィ「それはマジカルフォンがあるからでしょ。魔法があればWi-Fiなんていらないってだけの話でしょ。」


ミスト「いいえ。ここはホテルよ。魔法少女でなくとも普通の人間も泊まるのよ。それがないってことはまるで普通の人間が居なくなるのを知っていたみたいじゃない。どっかの電気属性の子はわざわざWi-Fiを持参していたみたいだけど。」


リリィ「今度はスパークさんまで疑うの?」


ミスト「ええ。だって、わざわざWi-Fiを持参しているのよ。このホテルにWi-Fiがないのを知らないとできない行動だわ。それに、Wi-Fiはないのに監視カメラは設置されてある。屋上につながる非常階段がない。ヘンテコな階数と言い、今回の事件のためだけに作られたと考えられても仕方がないのよ、このホテル。それにしてもよかったわね、そのWi-Fiのおかげで5階の場所の特定につながったのだから、あなたってとっても運がいいんでしょうね。」


リリィ「、、、ねぇ、さっきから何が言いたいの?」


ミスト「、、、辛いでしょうけれど、聞いてほしいわ。あなたのさっきの推理、結構的を得ていたのよ。ほら、わざわざ血のナイフなんて面倒なことをなぜするのかって話よ。あれはね、わざとなの。」


リリィ「、、わざと?」


ミスト「ええ。だいたい、ホテルを作った人が疑われるのは当然の流れだわ。それに本人も自分が設計者だと認めている。すごい律儀よね。それに自分の魔法でわざわざ殺人を犯すなんてリスクを背負って。これじゃまるでバレるのを望んでいたみたいじゃない。」


リリィ「、、え?」


ミスト「階数の入れ替えもそう。こんなバレバレな事をするなんて謎を解いてほしいみたいじゃない。他の人だって気づいてもおかしくないのに。5階から屋上へと上がった女王もその違和感については言及していない。ましてや誰もそのことを話題に上げないなんて、いくらなんでもおかしいわ。」


リリィ「、、、」


ミスト「魔法を使うっていうのはねリスクなの。普通のナイフでいいのにわざわざ血のナイフを使った。普通の人間を殺害するのにわざわざシールドを使った。わざわざ高低差を作った、しかもホテル全体を使ってまで。魔法少女殺害ならわかるわよ。でも相手は普通の人間、はっきり言って魔法少女の力なら殴るなり首を絞めるなりで済む話なのよ。こんな面倒な事をするなんてメリットがないわ。強いて言うなら謎ができるくらいかしらね。誰かに見せつける為の謎を。」


リリィ「、、誰か?」


ミスト「決まっているでしょ。この状況を楽しんでいるシュプリームよ。今回の事件は彼女に向けて作られた、いわばエンターテインメントだと考えればすべての謎に説明がつくわ。」


リリィ「、、エンターテイメント、、?」


ミスト「そもそも、どうして3人も同時に殺害するのかしらね。それはね、一人だと謎の量が足りないからよ。彼女を満足させられないから、3人も同時に殺害したのよ。それにトリックが複雑にならないってのもあるでしょうね。」


リリィ「、、ちょっと待ってよ。」


ミスト「、、、、、ごめんなさいね。私がもっと早く行動できていたら、結果は変わっていたのかもしれないものね。でもね、あなただけは救って見せる。それがせめてもの償いよ。」


シュプリーム「償い、ね。別にあなたがそれを気にする必要はないのよ。もちろんリリィちゃんもね。」


リリィ「(、、、言うのが怖くて仕方がないけど、ずっと疑問だったこと、)マリーさんの件、だけどさ、501号室の上には201号室、あやとりさんの部屋があるんだよね?ミストさんの推理によるとホールさんが穴を作ったってことだけど、その時あやとりさんとスルーさんはそこにいたん、だよね?だったら、なんで何も言わないの、かな?」


ミスト「、、、見過ごしていたのよ。いいえ、見捨てていたの。地面に穴があっても、マリーさんが落ちてきても、ね、」


リリィ「それって、」


ミスト「あやとりとスルーも共犯、みたいなものよ。だいたい透視能力があるのに階数の異変に気付かないのはおかしいもの。これでわかったでしょ?ここにいるみんなはおかしいの。正常なのはリリィ、あなたくらいなのよ。」


リリィ「(あやとりさん、、、、そう、だよね、。ミストさんはみんながノイズだって言ってたけど、本当に言葉そのままの意味だったってこと?)」


ミスト「さて、ようやくここまで来たわね。最後に詰めるわよ。ここにいる全員が犯罪者だってことをね。」


リリィ「え?全員って、、あやとりさんとスルーさんは何も、、してないよね?それにスパークさん、スライムさん、ほかにも、、」


ミスト「、、、私は、とある事件を追っていたの。謎の大量殺人、魔法少女の殺害、ニュースで見たことないかしら。その犯行は一人では行えないことから複数犯だと断定されたの。そして調査を終えて今、私がここにいる。わかるかしら、この意味が。きちんと裏を取った後で来ているの。ただ真実を求めて。

集団で殺人を犯すなんて、、、あなたたちは最低よ。」


リリィ「、、、、え、、、、、、」


ミスト「この集団は二組に分けることができるわ。洗脳組と殺人組ね。洗脳組は言うまでもなく洗脳、触手攻め、スライム、要は性的な快楽を引き起こさせるもの。センスだって媚薬と同じだと考えればいい話よ。それと、洗脳されてしまった人もここに入れて、、、あとは殺人組ね。今回の犯人は当然の事、スパークやあやとりはここに、、入るようね。脳は電気で動いている。ならばそこに電気を流せば、、脳死、、するわ。、、、人間はほとんどが液体よ。動けなくすれば、例えば、心臓、とか、、それに、シールドで閉じ込めておけば酸素がなくなるわね。魔法少女も息はするもの、、、そして、、、」


リリィ「、、、、ミスト、さん?、、」


ミスト「、、あやとりは、瞬時に人を、魔法少女も、殺せるわ。、、だって、、、だって人には、、魔法少女には、、

(彼女にとって、リリィにとって、辛い事実。それでも貫き通すの。私の透明な武器を!)

血管があるのよ。」


リリィ「、、、血管?」


ミスト「血管は、体中に張り巡らされているひも状のものよ。当然引きちぎれば人でも魔法少女でも死んでしまうわ。」


リリィ「、、でも見えな、、、、!」


ミスト「ええ、そのための恋人なんじゃないかしら。そしてリリィ、あやとりは私と同じグラスを持っていたと言っていたわね。つまり、グラスに透視の魔法を入れてもらって、さらにあやとりの魔法を使えば、殺人は可能になるわ。」


リリィ「、、そんな、、」


ミスト「さらに、血管だけじゃなく筋肉の繊維や神経だってひも状の対象となるわ。そして心を操りやすい魔法少女を選び、洗脳して殺人を繰り返しているのね。そんな悪の権化を見過ごすわけにはいかないわ。」


シュプリーム「ずいぶんと言ってくれるわね。その思想、捻じ曲げたくなるわ。」


ミスト「洗脳でもするのかしら。どうせリリィにも同じ提案をしたんでしょ?アスモデウスなんて魔法、快楽堕ちには持って来いだものね。」


シュプリーム「快楽ね。人は死ぬときに一番の快楽を感じるって話聞いたことないかしら。そうよね、クルミ?」


クルミ「、、はい。」


リリィ「(、、クルミさん?)」


シュプリーム「あなたのエピソード、聞かせてあげなさい。」


クルミ「あれは、事故、でした。親友が死にそうになって、私は魔法少女になりたてで、彼女を抱きかかえたまま病院へ向かいました。結局、親友は私が運んでいるときに亡くなりました。で、でも、そのとき、感じてしまったんです。彼女の死にゆく感覚を。我慢してました。ずっと我慢してました。でも、忘れられないんです!あの感覚!あの快楽!もう一度体験したい!あの感覚を!気づいたら私は、人の首に手を当てて、く、首を手で、この手で締め上げていたんです。伝わってくるんです!人が首を絞められる快楽が!次は人を刺してみました。するとまた別の快楽が!ああ!たまらない!殺人の数だけ、人の数だけ快楽があるのだと知ってしまったのです!でも、そんな私でもシュプリーム様は愛してくださいました。そして仲間ができました。私は今、幸せです。とっても幸せなんです!リリィさんもミストさんも、こちらに来てはいかがですか?最高の快楽、楽園が待ってますよ。」


シュプリーム「素晴らしいでしょう?リリィさん、ミストさん、あなたたちも今私についてくるというなら見逃して、、いいえ、見放さないであげます。」


リリィ「、、、、(う、うそ、)」


ミスト「、、、聞くに堪えないわね。それに、私が無策でここに挑んだと思う?」


シュプリーム「当然思ってないわ。でも、追い詰められたとも思っていない。何故だと思う?」


ミスト「私たちを殺す、から?」


シュプリーム「そんなことしないわよ。アスモデウスは重要よ、それにミストちゃん、あなたってとっても面白いもの。」


リリィ「(、、、ミストさんとシュプリームが言い争ってるけど、それでも)あやとりさん!」


あやとり「!」


リリィ「、、本当、なの?ミストさんが言ってること。ねぇ違うよね、たまたま、だよね、」


あやとり「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」


リリィ「(、、、沈黙が答えってこと?、、)」


あやとり「、、、、a、u、e、e、、、、」


リリィ「、、、、、、、、、、、、!」


そのときグラスに表示されていたものが消えた。ぐっと体が、精神が重くなり、



神速のアラウンドが


刀を


シュプリームの


首に


当て


シュプリーム「またお会いしましょう。」


刀は空を斬った。


ミスト「は?」


アラウンド「、、、、、もう、いない。」

刀をしまうアラウンド。


ミスト「ねぇ、、、どういうことよ、ねえ!どういうごど!!」

ミストさんの荒げた声だけが響いていた。


アラウンド「、、、わからない。」


ミスト「うそ、、、(タイムが時間を止め、イレイサーが魔法を消し、マッチがベストな状態で、ミックスが3つの魔法を操って、イクセプトの魔法でアラウンドだけが動ける状態で、どう、やったら逃げられるの?、ねぇ、どうやったら、どう、、、、)」

呼吸が荒くなって、その場に力なく座りこんでいたミストさんに私はネックレスをかけた。




私は今ロック探偵事務所にいる。

ミスト「リリィ、あなた仕事ないの?」

リリィ「うーん、別になー。」

ミスト「うちは雇ってる暇ないのよ。」

リリィ「そういうのはもっと美味しい紅茶を入れれるようになってから言ってよー。」

ミスト「なんでもかつおぶしをかける人に言われたくはないわね。」

コンコン!

リリィ「ミスト、出てもいいよ。」

ミスト「あなたが出なさいな。ちいさな女の子よ。」

リリィ「え?なんでわかるの?」

と重い腰をあげて探偵事務所の扉を開ける。

そこには確かに10歳くらいのかわいらしい女の子がいた。

???「あの、依頼ってできますか?」



THE END of 魔法少女物語 白い百合が咲くころに




いやー、推理できた人いるのかな?

超エリート級の探偵を超える逸材はあらわるのか

さぁ、どうなんでしょう?


読んでいただき、誠に感謝です。謝謝

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