7話 アリ・マリス・フィア 対 アシュリン
ヴィンス達と魔王が対峙している大聖堂――
その真下には、大昔の戦いで出来た大空洞が広がっていた。
そこに、エーデルが現れた。
『古いご友人』に会うために――
だが、そこには誰もいないように見えた。
「久しぶりね」
暗がりから声がした。
エーデルの声ではない。
現れたのは――アシュリンだった。
「と言っても、貴方は覚えてないだろうけどね……アリ・マリス・フィア」
エーデルはニヤリと笑った。
「なるほど……何故人間如きが魔法障壁をと思ったが……魔族が裏にいたのか」
「でも、計画に支障はない……」
「ほう、私の事をよく分かっているな」
「ついでにその皮も脱いだらどう? どうせネクロマンシーでしょ?」
「ハッハッハ!! 本当に私の事をよく分かっているじゃないか!!」
瞬間――エーデルから強い光が溢れ出す。
それはノアの時と同じ光――
カガヤキの魔法だ――
大爆発が起き、激しい衝撃が走る。
大空洞はグラグラと揺れ、天井から岩がいくつも落ち、土煙が舞った。
一瞬、静寂に包まれた。
土煙が晴れると、最初に中から現れたのはアシュリンだった。
巨大な魔法障壁を大空洞全体を覆い、崩落を防いでいたのだ。
「ほう――これは、これは……」
そして、次に現れのは――エーデルではなかった。
三メートルを超える巨体――
鳥のような頭――
巨大なクチバシ――
それはまさに鳥の化け物――
それが魔王軍大参謀、アリ・マリス・フィアの真の姿だった。
「まさか、初見でカガヤキの魔法を防ぐとは……中々の手練れだな」
「ほんと……相変わらずね、マリス。なんで初見だと思ったのかしら」
「私が同じ相手に、同じ魔法を何度も使うほど愚かではないからだよ」
アシュリンは乾いた笑いを出した。
「本当に……相変わらずの鳥頭で安心したわ」
「鳥頭……? 私がか?」
「ディオは鳥頭って言わないわ。あいつはただの小心者」
「魔王軍の大参謀である私を鳥頭か……益々気に入ったぞ!!」
「……その言葉も二回目なのよねー」
マリスはニタリと笑い、手を前に突き出した。
「サンダー・ボルト!!」
その声と共に、雷光がアシュリンを襲う。
しかし、アシュリンに焦りは見えない。
背丈よりも高く、腕よりも太いその杖を、ゆっくりと突き出した。
「エクイバレント」
杖から放たれた青白い光弾は、マリスの放った雷光を相殺させた。
「相殺魔法とは……随分古風なものを使うな」
「……やっぱり鳥頭ね」
「その余裕、どこまで続くかな!!」
「バカみたいな定型文止めてもらえる?」
激しい魔法の応酬――
息つく暇もない高度な戦い――
しかし、そんな命のやり取りをしながら、アシュリンは別の事を考えていた。
――言う通り出来てるかしら、あの二人




