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2話 不穏な足取り

 草原の中を歩くヴィンス。後ろには小さくトバカリー城塞が見えていた。


「よし、決めた」


 ヴィンスは歩みを止め、力強くそう言った。

 そして、眼の前にある二股の道の一方を指差し、こう付け加えた。


「キングロード城塞へ向かう」


 ヴィンスは再び歩き出そうとすると、力強く肩を掴まれた。

 掴んできたのは、キーヴァだった。


「お兄ちゃん」

 ヴィンスは恐る恐る振り返ると、案の定キーヴァは怒っているようだった。

「説明‼️」

「……はい」


 トバカリー城塞であった出来事――

 荷車が突然爆発し、勇者と偽っていたアイゼンハウアーが死亡した事件――


 その後ヴィンスは、考え込みながら荷造りを始め、突然トバカリー城塞を出て行ったのであった。

 慌ててキーヴァは追いかけ、何度も何度も問いかけたが、今の今まで一言も、なんの説明もなかった。

 日は少し傾き、もうすぐ夕方になろうとしていた。


「なんでお兄ちゃんはいっつも説明しないのかなぁ⁉️」

「すみません」

「説明しないでも着いてきてくれる妹に感謝してね⁉️」

「あと、アシュリンにもな」


 そう、アシュリンも付いてきていたのだ。

 トバカリー城塞で別れるものだと思っていただけに、ヴィンスもキーヴァも内心驚いていた。


「私のことより、まずは説明したらどう?」

「そう‼️ まずは説明‼️」


 なんともまぁ息ぴったりな二人である。


「えーっと、まずはアイゼンハウアーの件からか?」

「そうだよ。なんで殺されたわけ?」


 キーヴァの語気はより強まった。

 そろそろ短気が発動しそうな雰囲気だ。


「それは当然知らん」


 と、キーヴァは一歩踏み出し、ヴィンスの首元を掴もうとした。

 慌ててヴィンスは言葉を付け加えた。


「そもそも、俺の管轄は『偽物の勇者』調べだ」

「わぁ‼️ ちょっと‼️」


 キーヴァは驚き、ヴィンスの口を塞ごうとした。

 それは、アシュリンに自分たちの目的がバレるのは危険だと感じたからだろう。

 だが――


「安心しろ。何度も言うが、アシュリンは優しい奴だから、コレを聞いたところで何かをすることは無い」

「本当に何回気持ち悪いことを言うのかしら。そろそろ怒るわよ?」

「ごめんなさい」


 話を元に戻す。


「とにかく、アイゼンハウアーが殺された理由は俺が調べるべきではないと思ったんだよ」

「調べたほうが絶対いいでしょ‼️」


 キーヴァの意見は最もだが、そういうことではない。


「調べるのは俺じゃなくてもいいってことだよ。どうせ答えは出てる」

「犯人が誰だか分かったの?」

「いや、犯人は分からん。だが、殺した理由は分かる。それは――」

「口封じ、でしょうね」


 アシュリンがヴィンスの言おうとしていたことを代弁してくれた。

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