表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私が魔王を倒しました。 とある書記官と5人の嘘つき勇者  作者: みさと
第三章 軽口のアイゼンハウアー
18/50

9話 お役所仕事の抜け穴

 バリーナ城塞から魔族領に入り、

 コロ平原とタウラ丘を抜け、

 魔王城のあるスイゴへ到達―――


 その間、『二週間』の旅程と書かれている。


「……これって、聞き取りしてた時の?」

「ああ、アイゼンハウアーが通ったルートと期日だ」

「問題ないって言ってなかった?」


()()()()()()()()


「だったらこれをひっくり返すのはむ……うん?」


 キーヴァは、もう一度、聞こえてきた言葉を頭の中で思い出しているようだった。

 そして、何かに気づいたらしく、慎重に問うた。


「……えっと、()()()()()()()、ってどういうこと?」

「そのままの意味だよ。王都領のルートと期日は合ってる」


 いやいや―――と首を振りながら、キーヴァはヴィンスの持っていた紙を奪った。


「お兄ちゃん……このルート、()()()()()だよ?」

「うん」

「うん、じゃなくて‼ じゃぁ、なんで問題ないって言ったの? 何をもって問題ないって言ったの⁉」


 キーヴァは、すごい形相でヴィンスに詰めよった。

 なんか、テスト結果を隠していた子供みたいな気分だ……。

 お母さんに詰められてる時の気持ち。


「いや……それで()()()()()()()()()んだよ」

「……………………はい?」


ヴィンスは紙を奪い返し、改めて説明を始めた。


「魔族領はいわば他国だ。他国の領土を勝手に測量することはできないだろ? だから枢密院では、魔族領を行き来した勇者や冒険者、行商人の証言をもとに、おおまかな距離を割り出し、それを正式な距離として採用してるんだよ」


 説明を終えると、キーヴァはワナワナと震えていた。


「も、もしかしてさ……」

「うん?」

「もしかして……」

「うん」



()()()()()()()()()()()()()()()()の……?」



「その通り」

「誰も?」

「誰も」


 瞬間、キーヴァはヴィンスの首を掴んだ。


「ぜんっっっっっっっっっっっっぜん問題あるじゃん‼」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ