プロローグ
初投稿です。よろしくお願いいたします。
エンバーミングシーンは魔法を併用しているため、正確な医療描写ではありません。
あらかじめご了承いただけると嬉しいです。
聖リリアンヌ帝国。
聖樹を祀り、聖樹の恩恵を受ける世界屈指の魔法帝国。
支配下においている複数の隣国と合わせれば、国土面積・資源・資財・生産人口・軍事力いずれも頂点に立ち、他国とは別格の圧倒的な存在感を見せ付ける帝国である。
また、聖リリアンヌ帝国の国旗には国が信仰している御神木の「聖樹」がデザインされており、この聖樹を用いたモチーフを利用することができる者は、皇帝一族か聖職者または、それに準ずる職種に就く者に限られた。
数百年前の建国以来、帝国は力を伸ばし続け、今まさに世界屈指の栄華を誇っている。
総ての政治と流行は帝国から生まれ、多くの国が帝国を国交を結ばんと日参し、
誰もが富と栄誉を手にするため、帝国を目指す。
聖樹の恩恵を受ける帝国に。
しかし、多くの人々は気付かなかった。
圧倒的な力と輝きが継続出来ている理由を。
強過ぎる光は、時として闇に住まう者の隠れ蓑として、人々の目を欺く力がある事を。
そして…
過去の裏切りと冒涜が、帝国の栄華を脅かす事を。