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リクエスト:えっちで優しい話3/3

作者: ハル



それから、

何度海に通っても少女に会うことはなかった


家からほど近い海に、

消えていってしまった



_____


いつまで経っても記憶の隅から消えない少女の姿に

自分が情けなくなった頃

あの甘い香りとすれ違った


振り向いてもそこに少女の姿はなく、

大柄な男が卑下た笑みを浮かべているのが

後ろ姿から伝わった

腕に抱いているのは

少女よりよっぽど背の高い派手な女性



暴れだしそうな心臓を落ち着かせるために

短く息を吐き、

衝動のままに、

いつもの海辺に向かった

タバコに火をつけ深く吸い込めば、

口に出せなかった感情が煙とともにこぼれ落ちた


潮風はそれを、真っ暗な海へと運んでいった

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