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中学までボッチだった俺は心理学で人気者になる

EP1 笹木君は友達ができない


AM 6:00 

よく新生活は期待と不安でいっぱいとテレビやお偉いさんのありがたいお話では聞くが、今の俺は期待120%

むしろ今日まで自分自身を学校に行かせないことに苦労したくらいだ。


「あんた朝早すぎじゃない?」

明らかな寝起きの声で話かけてくるのは、俺の母親。

「ごめん。静かにします…」

「まあ、せっかく受験成功して行きたかった学校だもんね。その調子なら忘れ物もなさそうね。」

「ま、大丈夫かな」

「お母さん、まだ時間あるから寝るね。テーブルの上に朝ごはんと、お昼のご飯代置いてあるから」

「飯代?いや、今日入学式だからいらないでしょ!」

「あんた、わかってないね~、仲よくなった子がいたらお昼食べに行くかもしれないでしょう?」

「ま、まあね!じゃあもらってくわ」

正直なところ、母親の前向きすぎる考え方は俺には理解できないことがある。

流石に初日から、初対面で飯に行くほど仲よくなれるものなのか。

俺がおかしいのか?でも、まあ行けるか。


俺には一つの秘密兵器があった。

「心理学大全~日常に潜む心理学~」


この本はなんだかんだ暇な、春休みの頃に本屋で見つけた。

これには多くの心理に関することが、~効果と書かれていたためこれを読んでいく事で不安なコミュニケーションを円滑にしていく事ができる!そう思った俺は毎日のようにこの本を読み、心理効果の知識を深めた。


今こう思ったやつがいるだろう。そんな読者する暇があれば、出かけて実際のコミュニケーションをの経験を積んだらどうかと。


ならば言わせてもらおう。そんなことが出来たらとっくにしてるわバーーーーーーカ!!!


俺にとってコミュニケーションはラスボスだ。1ターンに三回行動してきたり、第二形態を持っていたり、あと少しのところで即死ダメージを与えてくるのと同じ難易度だ。

俺のコミュニケーション能力は、例えるならばぼろい剣。

どう考えても、最初の村に着いた勇者にするクエストにしては無茶ぶりが過ぎるだろうが!!!


なんて精一杯の反論を心の中で行い、春休みの過ごし方を正当化する。


***


「6時50分!!!6時50分!!!6時50分!!!」

テレビから電車の時間が近いことを知らせる二本足の目覚まし時計の声がする。


「行ってきます!!」

必要になるとは信じがたいお昼代をポケットに入れて、元気よく俺は家を飛び出した。

その数秒後に後悔するとは知らずに。


「…あんた、なんか小学生の遠足の日みたいなテンションね」

「海藤…、お前のテンションは夜勤明けか?」

見るからに不安120%のテンションで話しかけてきたこいつは“海藤 由利”小学生のころからお隣さんで、俺が唯一家族以外で目を見て話せるやつだ。

「うっさいわね!とっとと行かなきゃ電車遅れるから!」

海藤の後を追うように俺は駅に向かった。


階段を一段飛ばしで駆け上がり、握ったICカードをきちんと反応するようにかざす。


「プシュウウウウッ」


「はぁ…危なかった…」

「あんた、春休み中外出た?体力落ちたんじゃないの?」

自分は体力ありますよとでも言うように、両手を膝に置く俺に話しかけてくる。

「は?出る訳…ねーだろ」「何のための春休みだよ。…来るべき時に備えて休ませておいたわ…」

「休ませた結果疲れてちゃダメじゃん!」

正論だ。


ポケットに入れておいた昼飯代、500円に気づき財布にしまう。

「それ何のお金?」

「えっと、昼飯代」

「え!?今日お昼あるんだっ!初日なのに」

「いや、友達とお昼食べて来いってさ母親が」

「あははっは!!!」

電車の中であまり大声で笑わないでいただきたい。周りの方に迷惑でしょ。

「あんたが友達と飯?無理無理」

「は?おまえなめんなよ。俺のコミュニケーション能力はこの春休みで比較的にアップしたからな」

「嘘だ~」

明らかに信じていない様子。


(覚えとけよ!絶対クラスの人気者になってやる)


***


俺は高校に到着した。

ここは県内でまあまあの偏差値の公立高校。


県立桜々咲高等学校


といっても桜の花はとっくに満開の時期を過ぎ、名前負けしている。

そして周りには多くの人が集まり、あどけない顔の同級生であろう人たちが一か所に集まっている。


「すいません…すいません…」

人混みをかけ分けながら、最前列まで何とかたどり着く。

クラス発表だ。周囲の人は同じ中学校出身であろう方々と同じクラスになれたことや、離れたことで一喜一憂している。

まあ俺は、わざわざそんなことで盛り上がる必要はないわけだが。

なぜなら俺は中学校のやつが誰も来ないであろう、遠めの高校に進学したからだ。


「げっ!おんなじクラスじゃん!!」

聞き覚えしかない声が背後から聞こえる。

「何でお前がいんだよ!!」

振り返りながら、想像する人物と現実の答え合わせをする。大正解…海藤だ。

「あれ?言わなかったけ?」

「あんたのお母さんとお父さんに偶然会った時に、これからもよろしくって」

「俺は聞いてねえんだが」

一番大事な情報を俺に共有してくれ、マイペアレント。

「これからも3年間よろしくね!笹木!」


俺の期待120%高校デビューは、30%低下した。







最後まで閲覧いただきありがとうございます。

はじめての活動であるため、もの書きとしては至らない点が多いと思われます。量をこなしてより良いクオリティを目指していくため応援いただけると幸いです。


まだ序盤のため、書きたいことが山ほどありトータルでどれくらいになるのか想像がつきません(笑)

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