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3歳から始める異世界生活  作者: うわぁーん
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1-7

恥ずかしくも心が暖かくなる食事が終わった後、魔法の練習をするために裏庭に来ていた。


魔法については使えないと困るので神様にいろいろ教えてもらっている。


神様の説明では、


通常人種が使う魔法には古代語魔法や精霊魔法、神聖魔法、召喚魔法などがあるらしい。その他にも種族特有の魔法等もあるそうだ。


そして魔法には属性があり、地・水・火・風・光・闇・無・聖・空間・他とたくさんの種類があるが、精霊魔法と神聖魔法以外は基本的に同じような流れなのだそうだ。


体内の魔力で魔素を操作して現象を引き出すというのが基本だが、そのためには魔力感知と魔力操作が必要になる。


魔法を使う為にはまずこの二つを習得することから始めるらしい。


ただこの二つを覚えられる人は大体10人中2人くらいらしく、全員が使えるわけではないそうだ。


例外として戦士等は魔力感知や魔力操作がなくても無意識に使用しているそうだ。


例えば、身体強化などは魔法でも使用できるが、戦士等の場合は気合いを入れて力を入れているように思えるが、実は無意識に魔法を使って強化をしているらしい。いわゆる脳筋というやつだろう。


戦士がよく使う必殺技なども剣技等に合わせて魔法を無意識に使用している。無意識ゆえに瞬間的に発動しているため威力が増大しているらしい。


そのため強い戦士とかになると、岩を割ったり剣で斬撃を飛ばしたりと、漫画のようなことができてしまうらしい。


異世界は本当に何でもありだな・・・


魔法戦士とかもいるらしいが、純粋な戦士に比べると、なまじ魔法を使用しようと考えてしまうため、単純な物理攻撃の威力などが劣ってしまうことが多いそうだ。


あと、人によって使える属性と使えない属性があるらしい。実際は使ってみないとわからないらしいが、普通の人は2-3種類、多くても多くても5種類くらい。全属性使える人滅多にいないのだとか。俺は神様から全属性対応してもらってるはずだが、実際使ってみるまでは何とも言えない。


この世界で魔法を使用するには通常、詠唱魔法と詠唱破棄、無詠唱がある。


魔法書に出ているのは基本的に古代魔法文明が作成した古代語魔法なのだそうだ。


古代語魔法とは呪文を詠唱をすることによって発動する。


その効果は魔法がきちんと発動すれば威力や範囲、魔力消費が一定で誰が唱えても同じ効果が出るらしい。


例えばファイアーボールの魔法を使う場合、ファイアーボールの呪文を間違わずに詠唱し、最後に魔法名を唱えると発動する。


いわば、呪文プログラムを詠唱することによって決まった処理がされ、魔法名(実行キー)を唱えるとその現象が発動する。


詠唱破棄については、口に出さずに頭の中で呪文を唱え、魔法名を最後に発声することで発動するため、基本は詠唱魔法と変わらない。


しかし、無詠唱については全く異なる。


自分の中の魔力を使って、自分で外の魔素を制御し頭の中のイメージを反映させることによって現象を起こすため、慣れないと何も起きないどころか失敗したときには暴発する可能性もある。


しかしその分イメージをうまく発動できれば、詠唱魔法とは異なり同じようなファイアーボールの威力を強くしたり、範囲や速度を変えたりと自由度が高い。


詠唱魔法の場合は魔力が足りなかったり、詠唱が間違っていると発動しないように安全プログラムが組み込まれているため失敗時には魔力だけを消費する。


難易度としては詠唱魔法→詠唱破棄→無詠唱という順番になる。


この世界の魔法学校では古代語魔法を教えるため、魔法使い=詠唱魔法というのが一般的だ。


そのため、無詠唱については魔法を極めた大魔法使いが使用するイメージが強い。


ただ、単純に火をつけたり水を出したりするような生活魔法については、一般の魔法使いでも無詠唱で使用することができるらしい。



あと、空間魔法は発動方法自体は同じなのだが、空間の指定などが難しく、空間を把握する能力が必須らしい。


その他使用する際に呪文の一部を毎回その時に合わせて変えないといけないのだが、その為には呪文の古代語を正確に理解して変更しないといけないため使える人が非常に少ないそうだ。


俺の場合はマップのスキルがあるため、連動させればかなり使いやすいらしい。ただ空間魔法は基本的に魔力消費が多いいので、現時点では使えなそうだ。


魔力を増やす方法についても神様から聞いているので地道に頑張っていこう。




--------------------------------



さて、神様の説明を思い出しながら、練習してみよう。


古代語魔法についてはそもそも魔法書がないため練習ができない。


だから最初から無詠唱魔法の練習をする。


まずは魔力感知で自分の魔力を確認する。魔力感知を極めると目でも魔力がとらえられるようになるらしいが、初めてなのでできるわけがない。


そのため目を閉じてまずは自分の体を意識する。そうすると体の中の魔力を感じるらしい・・・


のだがよくわからない。


小説なんかだと体の中に熱い何かを感じるとかあるけど、実際試してみても体の中で熱いのなんかないし・・・


そういえばみーにゃが大きくなったときに、何かが抜けてく感覚があったな。あれが魔力だったはずだ。


試しにみーにゃを召喚してみるか。


「召喚!」


すると目の前にみーにゃが呼び出されたが、「にゃーーーー」といきなり呼ばれて少し不機嫌な様子だ。


「ごめんね。ちょっと魔力について研究しているところなんだ。」


みーにゃはしょうがないなーという感じで鳴いて、近くを飛んでいた蝶々を追いかけ始めた。


とりあえず、魔力が抜ける感じはわかったんだけど、体の中のどれが魔力なのかがよくわからない。


しばらく目をつむりながら集中していると、


「みーにゃどこー?」とルーシーが現れた。


呼ばれたミーニャはルーシーに走り寄り肩に乗っかる。


なんで俺より仲良さそうなんだろ。嫉妬を感じる。


でも、大人な俺は表には出さずに引き続き魔力を感じるよう集中する。


するとルーシーが何をしているんだろうと興味を持ったのか、

「なにをしてるの?」っと話しかけてくる。


俺は目を開いて、「魔力を感じる訓練をしてるんだよ。」


っと返答する。


「まりょく?」


「うん。魔法を使うためにまずは魔力を感じないとダメなんだ。」


「ケンタはまほうつかえるの?」


「これから使えるようになるために練習してるんだよ。それよりもケンタじゃなくて、ケンタお兄ちゃんて呼んでほしいな。」


「ケンタはおにいちゃんじゃないよね?」


ルーシーが不思議そうに答えるのがちょっと悲しい。


「今日からお兄ちゃんになったんだよ。」


「そうなの?」


「そうだよー。お兄ちゃんになったんだよー。」


「ふーん。じゃぁケンタおにいちゃんまほうつかえるの?ルーにもつかえる?」


お兄ちゃんていい響きだな、なんかシスコンの気持ちがわかるな・・・とか思いながら、


「ルーも一緒に練習すれば使えるかもしれないね。」


「じゃぁルーもいっしょにれんしゅうする。どうやるの?」


「まずは体の中の魔力を感じるんだ。まずは目を閉じて体の内側に集中すると熱い塊がないかな?」


自分ではわからないが神様がそう言っていたからね。


「あっ、なんかかんじる!」


「えっ?感じるの?」


「うん。あついのある。」


俺わかんないんですけど?


「そ、それじゃあその熱い塊を体の中をぐるぐる回すことはできるかな?」


「うん。なんかからだのなかでぐるぐるまわってるよ!」


「そ、それじゃあ右手を前に出して掌に熱い塊を移動できるかな?」


「できた!」


「ええ・・・じゃ、じゃぁ手の先から水が出るように考えてごらん。」


「えぃ!」


とかわいらしい声を出したと思ったら、掌から水が飛び出した。


え?この子天才?


「おにいちゃんみずでたよ!すごい!ルーまほうつかえた!」


あれ?ここって水が出ないで、この後に俺が水を出して、お兄ちゃんすごいの場面じゃないの?


あれ?


とりあえずほめてほしそうにしているので、「ルーはすごいね。」と言ってあげると、飛び跳ねながら喜んでいる。出続けている水があたりに飛び散りまくっている。


「でもみずがとまらないよ?」


「それじゃあ止まれって考えてみようか。」


「とまれー!」


そうするとピタッと水が出るのが止まった。


なんで魔法使えるの?俺魔力を感じることすらできてないよ?


試しにルーシーを鑑定してみると


---------------------



名前:ルーシー・ガルフォード

レベル:1


種族:人間


年齢:2歳


状態:普通


HP:5/5 MP:95/100


STR:3 INT:15 AGI:2 VIT:2 DEX:4 LUK:8


スキル:魔力感知Lv1 魔力操作Lv1 水魔法


ユニークスキル:魔法の才能


---------------------


あーこの子天才ですわ。魔法の才能とか俺もほしかった。


「それじゃあ魔法も使えたし、おにいちゃんと一緒に遊ぼうか。」


「えー、もっとまほーつかいたい。」


「いきなり魔法を使いすぎると体に良くないから、今日はやめとこうね。」


決してルーに先に魔法を使われたのが悔しいからではない。


体を気遣ってるだけだよ?


「お兄ちゃんと鬼ごっこしようか?」


「おにごっこってなに?」


「それはね・・・」


こうして上手く遊びに誘導することによって、兄の尊厳は守られたのだった。




夜、夕飯後にお風呂に入る。


この世界、貴族の間では普通にお風呂が普及している。


しかも石鹸やシャンプーまで普及しており、異世界チートの夢が順調に壊されていく。


もっとも石鹸やシャンプーのつくり方とか知らないけどね。


湯船は広く大人5人くらいは入れそうだ。


湯船につかりながら、魔法の練習をする。


とりあえず魔力が感知できないとどうしようもないので、目を閉じて集中しているがよくわからない。


もしかしたら人によって最適な方法があるかもしれないので色々試してみる。


掌に集めるイメージをして、水よ出ろーと念じる。


失敗。


頭から背骨を通じて魔力を流すイメージ。どこで水が出るようイメージするかわからず失敗。


他にもいろいろ試してみるがどうも上手くいかない。


最後に魔力を動かすイメージではなく全身で気合いを入れてみる。


「えっ?」


なぜか体が突然軽くなった。


あれ?


これって身体強化?


試しにジャンプしてみるといつもより高く飛べる。


腕立て、腹筋など試してみると3歳児なのに10回以上できる。


とりあえず一回力を抜いてみる。


いつも通りに戻った。


もう一度うぉーと気合い入れてみる。


再度身体強化が発動した。


特別イメージしてなかったんだけど発動する。


これはもしかして戦士が無意識に魔法発動する脳筋状態?


もしかして俺って魔法タイプじゃなく戦士タイプなのか?


・・・


昔漫画を見ながら練習していた何とか波をイメージし、気合いを入れながら「なーんーとーかー波あぁぁ」と手を突き出すと


なんか出てすぐに消える。


・・・・


とりあえず魔法の発動を確認したが、この方面はなんとなくまずそうな気がするので普通の魔法が使えるように努力してみよう。



少しのぼせながらお風呂から出て、おやすみの挨拶をして部屋に戻る。


寝るにはまだ少し早いので、普通の魔法の練習をする。


もし魔法が出ると困るので、窓を開けて外に手を出しながら試すことにする。


まずは体の中の魔力を感知しようとすると昼間はわからなかった小さな力をなんとなく感じる。


試しに体の中をめぐるように動かしてみる。


すると小さくではあったが何かが動いている感じがする。


試しに掌に集まるように集中する。


なんとなく手が熱くなってきたような気がする。


試しに蛇口から水が出るようなイメージをすると・・・ちょろちょろと水が出た。


おぉ、水が出た! 少ししょぼいけど・・・


蛇口を回して水を増やすイメージをすると徐々に水の勢いが増す。


やったーっと成功に喜んでいると突然くらっときた。


ステータスをみるとMPが2しかない。


やばっっと慌てて蛇口を占めるイメージで水を止める。


MP使いすぎるとこうなるのか。気を付けないと・・・


でもMP増やすのにはMP消費するのが一番って神様が言ってたんだよなー。


とりあえずは毎日ぎりぎりまで減らして寝るかな。


魔法も出るようになったし、明日はルーからおにいちゃんすごいと言われたい!


野望に燃えながら就寝した。


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