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3歳から始める異世界生活  作者: うわぁーん
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1-2


近づいてきた集団を観察する。5人のうち4人は装備はみすぼらしく、ぼろい皮鎧を付け武器は弓や剣を持っている。


最後の一人だけ、いかにも騎士がつけてそうな鎧を身に着け、身だしなみもきれいだ。


肩までの金髪に碧眼、優しそうな顔をしている。


身長は180cm位で、見た感じは優男って感じだけど、重そうな鎧をきているが動作は軽く、普通に強そうだ。


近くまで来ると、騎士っぽい人が話しかけてきた。


「大丈夫かい?」


「はい。助かりました!ありがとうございます。」


「それはよかった。怪我もないようで何よりだ。それよりも少し訪ねたいんだが・・・」


「はい。」


「君は村の子供ではないようだが、どうしてこんなところに裸でいるんだい?」


「実は、家の近くの森で遊んでいたときに、突然足元が光ったと思ったらここにいました。その時になぜか裸になっていたんです。」


「ふむ。君はどこの国に住んでいたのかな?」


「日本です。」


「聞いたことがない国だね。ここはランタール大陸にある、ガルロイド王国だが聞いたことあるかな?」


「えーと・・・住んでいたのは島国で周囲は海しかありませんでした。だから大陸がどこにあるかもわからないです。」



この設定は神様と話して決めていた。


この世界は過去に大魔法文明が栄えていたが、幻獣との戦いで滅ぼされた。


魔法科学が発達していたそうで、今でもいたるところに過去の遺跡や魔道具が発見されたりしている。その中に転移の魔法陣などがあるとのことで、ぼろが出ない範囲で適当に設定してみた。


「一応聞くが、帰る方法はわかるかい?」


「近くをいろいろ探してみたんですが何もなくて、その時にウサギに襲われました。」


「そうか・・・」


そう言いながら頭を撫でてくれた。



「それにしても小さいのにずいぶん話し方が丁寧だね。何歳なのかな?」


「3歳です。物心ついた時から目上の人には丁寧に話すようしつけられました。」


「とても素晴らしい両親のようだね。何とか返してあげたいとこだが・・・」


優しく微笑みながらも、申し訳なさそうに言ってくれる。



「両親はすでに他界しているので大丈夫です。ただ見も知らぬ場所なのでこれからどうやって生きていこうかと・・・」


「ふむふむ。とりあえずここにいると魔獣に襲われるかもしれない。一度村に戻ろう。君のこれからについては村に戻ってから相談しよう。」


「わかりました。」


「君の故郷についても誰か知ってるものがいるかもしれない。不安もあるだろうが見捨てたりはしないから安心して。」


っと、笑顔で言ってくれた。



「村に行く前に、自己紹介をしよう。私はこの領の領主をしている、エラン・ガルフォードだ。後ろの4人は左から、ガンツ、オルガ、ラーク、ブルガリだ。」


後ろの4人も「よろしくな、坊主。」


などとあいさつをしてくれる。


「サトーケンタです。ケンタが名前になります。よろしくお願いします。」


っと深々と頭を下げる。



「それにしてもその口調はあまりにも丁寧すぎるから、もっと普通に話してくれていいよ。」


「わかりました。」


「ところで肩に乗っている動物はペットかな?」


みーちゃんを見易いように下ろしながら説明する。


「使い魔のみーちゃんです。」


「使い魔というのは魔術師が使用すると聞いたことがあるけど君は魔術師なのかな?」


訝しげな顔で効いてくる。


「僕が住んでいた国では、子供が生まれると守護者として使い魔を付ける風習があるんです。」


っと適当なことを言ってみる。


「そうなんだね。」


っと、みーちゃんのほうに手を伸ばす。そのまま頭を撫でられてもみーちゃんはおとなしくされるがままだ。


きっと育て方だよかったんだな。


「守護者にしてはずいぶんと小さいようだね。これから大きくなるのかな?」


っとエランさんが言ったとたん、


突然体からなにかが吸い取られる感じがしたと思うと、それと同時にみーちゃんの体が大きくなっていく。


そのまま成猫ほどになると何かが抜き取られる感じも収まる。


みーちゃんが自慢気に「にゃっにゃっ」っと鳴いている。可愛いな。


突然大きくなったことにエランさんたちもびっくりしているので、


「えーと、使い魔は飼い主の魔力で大きさを変えられる?みたいなんです・・・」


知らないけど適当に言ってみる。


「そうなのか。でも猫だとあまり強そうではないけど・・・」


「成長するにつれ進化していくそうです。」


って神様が言ってました!



「なるほど。うちの娘が動物好きでね。よければ遊び相手をしてくれるとうれしい。」


「娘さんがいるんですか?」


「2歳になったばかりだが、とても可愛い子でね。仲良くしてくれると嬉しいな。」


っと言いながら、親ばか丸出しの顔になった。


「頭もよくてね・・・」


突然娘自慢が始まった。


話が終わらなそうなので、適当に相槌を打ちながらガンツさんのほうを見る。


ガンツさんたちにとってはいつもの事なのだろう。苦笑いしながらおとなしく聞いている。


話すこと10分以上、ようやく話が終わる。


「それでは村に戻ろうか。」


エランさんたちは村周辺の警備と狩をかねて森を探索していたとのこと。


途中で引き返させるのも悪い気がしたが、こちらも裸族のため早く村に戻って服をゲットしたい・・・


「とりあえず、裸のままというのもあれなので・・・」


持っていた袋に穴をあけ、貫頭衣のように着させてくれた。


このまま村に戻ることになり、いつの間にか元の大きさに戻っていたみーちゃんを肩に乗せ後をついていこうとすると、エランさんが抱っこしてくれた。


裸足のままじゃかわいそうだと思ってくれたのだろう。


そのまま村に向かうことになった。


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