もう一人のわたし
気がつくと其処は全てが白い場所だった
後ろも前も右も左も上も下も真っ白だった
「此処は何処だろう」
つぶやくと声が響いた
最後の記憶はベッドに横になったことであることからきっと夢の中だろうと考えた
「そうだよ。ここは夢の中」
声が聞こえた
後ろから
ふりむくと“わたし”がいた
私にそっくりなひとがいた
「あなたはだぁれ?」
私はそう聞いた
「わたしはあなただよ」
“わたし”はそう返した
「あなたは私なの?」
信じがたくてもう一度聞いた
「そうだよ」
“わたし”は答えた
「どうして私は二人いるの?」
私は“わたし”にきいた
「どうしてだと思う?」
“わたし”は無邪気にわらって聞き返してきた
「…わからない」
私は考えたがわからなかった
「んー、じゃあヒント上げる!」
“わたし”は言った
「ここは夢でわたしはあなた、あなたは“私”。二人いるけどそれはほんとうに二人かな?三人でも四人でも十人でも一人でもない二人かな?」
“わたし”が言った
「…」
私は考えた
『本当に二人かな?』??なんだかひっかかる
でもここには確かに二人いる
じゃあもっといるのかな?
周りを見ても誰もいない
何もない
最初にみたときと同じ白だけの場所
…最初にみたときと同じ?
最初にみたとき私は何を見た?
上をみた
下をみた
右をみた
左をみた
前をみた
じゃあ“わたし”がいた後ろは?
…後ろもみた
そして何もなかった
「なにかわかった?」
“わたし”が言った
「…あなたはいつからここにいたの?」
私は聞いた
「ふふっ」
“わたし”はわらった
「いつからだとおもう?」
“わたし”は聞き返した
「…もしかして私がきたとき?」
私は言った
「おしいな~。せいかいはずっとまえからだよ」
“わたし”は言った
「ずっと前?」
私は聞き返した
「うん。ずっとまえ」
“わたし”はまた無邪気にわらって答えた
「ねぇ、あなたは私?それとも違う?」
私は聞いた
「ちがうよ」
“わたし”は言った
「じゃあ、私はあなた?」
私は聞いた
「そうだよ」
“わたし”は言った
「あなたは昔の私?」
私は聞いた
「そうだよ」
“わたし”は嬉しそうに言った
「ねぇ、ここにいるにはほんとうに二人かな?」
“わたし”はもう一度私に聞いた
「私はあなただからここにいるのは一人」
私は答えた
「そうだよ」
“わたし”はまた無邪気にわらった
「ここは夢の中」
「むかしにあえる夢の中」
「ねぇ、おもいだした、私?」
“わたし”微笑んで聞いてくる
「思い出したよ。“わたし”」
「何でもできるって信じて何でもやってみていたこと」
「妖精がいて、お人形たちがおしゃべりをして」
「私だけの、私だけが見えるお友達がいた」
私は言った
「久しぶり。大切なお友達だったのに忘れてごめんね。“わたし”」
私は言った
喜びに胸を震わせながら
「ふふっ、久しぶり。おもいだしてくれてありがとう。私」
“わたし”は言った
「「だいすきだよ」」
私と“わたし”は言った
「夢からさめたら忘れちゃうかな」
私は聞いた
「うん、わすれちゃうよ」
“わたし”は言った
「でもまたよぶよ。さみしくなったら」
“わたし”は言った
「今度はもっとはやく思い出せるように頑張るよ」
私は言った
「うん」
“わたし”はとても嬉しそうに笑った
周りが光りだす
「もうじかんだね」
“わたし”が言った
「時間?」
私は聞いた
「あさがくるよ」
“わたし”が言った
「「じゃあ、またね!」」
私と“わたし”が言った
光に包まれて目が覚めていく
今度はもっと話そうね“わたし”
---まってるよ 私
To Be Continued…
最後まで読んでくださった方ありがとうございました
よろしければ感想をいただけると嬉しいです
誤字などありましたら教えていただけると幸いです。