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天使の行く末を思うゆえに

「今の天使の状態をお前はどう思う?」

アリエルが表情を変えずにミカに問いかける。


「徐々に衰退しているって話しだよね。恥ずかしいけどわたしは気付いてもいなかった。

 そして気付いた今でも、どうして良いか分からない」

ミカはアリエルを睨み付ける。


「そう、それが普通だ。相手のことを考えるなら私のやっている事は人の道から外れている。

 天使の人口約6600万人。この中で戦う事の出来る者が0.01%そして残り4割が今の生活を支える為に働いている。


 約4000万人が、永遠の命を意味もなくもて余している。

 弱者救済の為に始めた政策が利用され生産もせず生きていくもの達。本当必要なものから奪ってでもその立場に居座り権利を主張する。

 この者達をどうする?無理矢理働かせるか、働いてくれとお願いでもするか?

答えは簡単だ、消せば良い。


 お前はこの混乱に違和感は感じなかったか?

突然の魔物襲撃の割りに避難の誘導がスムーズ過ぎだとは思わなかったか?」


「まさか……」

ミカの額に汗が伝う。


「結界シェルターへ誘導。その後、問題のある地域から魔物を送り込んでいる。逃げ場のない場所でどれだけの者が生き残れるだろうな。

 今回この時点で私の計画は7割は成功していると言って良い。

 今後の予定は魔界の森に我々の場所を広げ、人間界への進出も果たす」


アリエルが剣を握る手に力が入る。

「さて、休憩はそろそろ良いか?ルイザの娘。

個人的な恨みもあるだろう。全力で私を止めてみろ」


ミカとアリエルが構えるがその2人を声が遮る。


「1つだけ教えてくれ。何であんたはミカの国を滅ぼした」

壊れた壁から舞が入って来て歩いてくる。


「魔物か?お前が今さら出てきてこの戦いに入れるとでも思うか」

 アリエルが冷たく言い放つのに対して舞はひょうひょうと答える。

「嫌がらせ位は出来るだろ。それより質問に答えて欲しいね」


「ルイザの作る国は全てに優し過ぎた。それゆえに苦しむ民達もいた。

 そんな民から求められ私が女王になるのは当然の流れだったのだ。

 それから2000年近くこの平和な国を作りあげた。それが答えだ」


「なるほどね、民に担ぎ上げられて国を治めたものの、今はその民が邪魔だと。

 結構わがまま言うじゃんアリエルさんとやら。

あんたが民の事、天使の未来を考えているのは分かった。


 でも今回のこの計画って、一部の奴らだけで決めただろ。さっき自分で言ってただろ民にお願いするのか?って。と言うことは聞きもせずこんな事をしたわけだ。


 結局あんたは自分以外を信用してないってことだ。そんなあんたに今後民はついてくるのか?」


舞が髪の毛を鎌に変え構える。


「無理やりでもついてきてもらう」

それと同時に2本剣と鎌が火花を散らし始める。



「だあーー!めちゃくちゃ強いなあんた!正攻法じゃ無理!」

 ぼやきながらも足から骨の刃を出し蹴りを繰り出しながら鎌を振り、左手をワニのように割り食らいつく。

 その2人の間にミカの剣が割り込み舞の攻撃に加勢する。


「今の話し聞いて色々考えたけど正解は出なかった。

 ただ今のやり方は間違っている!私はやれることは1つ1つやっていきたい!それが正解かは分からなくても少しでも正解に近付けて進んで行きたい!

だから戦う!!」


 後ろから舞が振る鎌を確認もせずミカはそれを避けながら、2本の羽のはえた剣を舞うように振るう。


 弓を召喚し後ろに投げる、舞が受け取り髪の毛に電撃を纏わせ矢として放つ。その間をリングからの閃光が走る。

 アリエルの鎧に当たり全て弾かれるが、ミカの前に出た舞が低い体制から鎌を振り上げる。

 アリエルの右手の剣に受け止められた瞬間、舞から電撃が放たれアリエルの動きが一瞬止まる。


 その隙にミカが斬りかかるが、アリエルは左手の剣で受け舞の鎌を砕き、右手の剣を振り上げる。

 ミカの盾を持った舞が鎧の上から殴りアリエルを後ろに下がらせ、ミカへの攻撃を反らす。その舞の背中に赤い血の羽がはえ赤い霧を発生させる。

 視界の悪い霧の中を太い閃光が走りアリエルの鎧に直撃し焦げ目をつける。

 舞が霧に向かって無数の髪の矢を放つ、矢が空中に浮いているリングに当たりリングは角度を変えながら閃光を放つ。


閃光がアリエルの頬を切る。



「これだけやって、あれだけとはやりがい無いな。あたしはこれ以上髪の毛使えないぞ」


「ショート似合ってるじゃん。あ、そう言えばニサから預かってたんだ」


1本の槍を召喚し舞に投げる。

「トルデォン、雷の槍。なんかリエンさんに力貰って威力が落ちたからマイが使ってくれって」

槍を受けとると雷が走り槍に纏われる。

「へえ、いいな。ニサには後であたしのとっておきのルアーをあげよっと」


「お互いを信用した良い攻撃だな。だが私はその程度では倒せないぞ」

アリエルが頬の血を拭い、剣を握りしめる。


「あの鎧どうにかしないと。引っ張っても脱げそうにないよね」

ミカは剣を構え打開策を探る。

「脱がせるか……」

槍を構え何かを考える舞。


3人が睨み合い、静かな空気が流れる。

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