アリエル戦開幕
ミカは誰もいないお城の廊下を歩いていた。魔物すら配置されていない。迷うことなく進み女王の謁見の間にたどり着き大きな扉を開ける。
女王の椅子に1人女性が座っている。
「逃げも隠れもしないってことかな?」
「ああ、必用ないからな。久しいな ルイザ ミカエルの娘」
「今はソフィー テレーゼの娘だけどね」
「そうか、その髪と目の色が完全な堕天使なのか?」
「そうお陰さまでね。アリエルも魔女化とかするの?魔女食いしたんでしょ」
「いや、私は魔女食いをしても魂が馴染まないらしい、多少は強くなったがな。単純な強さならトリスの方が上だ」
「あの狂人の方が上なんだ。そう言えばトリスは?てっきりここにいると思ったけど」
「そう言うな、トリスは私の友だ。あいつは元部下を迎えに行った」
そう言ってアリエルは立ち上がる。
「さて、この状況を止めに来たのだろう。私が説得に応じる事がないのは分かるだろう。力ずくで来い」
「……だね」
ミカは剣を召喚し構える。
「チュトラリー」
アリエルの体を魔方陣がすり抜けるように通りすぎていく。
魔方陣が通りすぎた後、アリエルの体には白銀の鎧が身にまとわれていた。
左手にも白銀の剣が握られ素早い踏み込みから斬撃が放たれミカを襲う。
ミカは火花を散らしながら盾で斬撃を反らし、回転しながら剣で斬りかかる。
その攻撃をアリエルは右手の鎧で受け止めそのまま更に踏み込みタックルでミカを吹き飛ばす。
空中で回転し体制を立て直しながらリングを5枚投げる。
アリエルを囲うリングから放たれる閃光に合わせ攻撃を仕掛けるが、閃光をものともしない鎧にミカの攻撃は通らない。
「なら、フォルモーント」
ミカの身長よりも高い2メートルはある巨大な剣が召喚され地面に突き刺さる。
「ウイング」
大きな剣に魔法が浮かび剣に黒い羽がはえる。
体格に合わない大きな剣を羽の力を使い振り回す。
その攻撃をアリエルは紙一重で避け的確に反撃をしてくる。
「まだまだいける!ウイング」
両足の踵、両手首に小さな黒い羽を召喚し速度を上げていく。
「堕天使とは面白い物だな。召喚に召喚を重ねれるのか。取り込んだ魂の力を使えると言ったところか」
アリエルの右手に白銀のショートソードが召喚される。
空中からミカが横に回転し勢いを増した巨大な剣が振り下ろされる。
右手のショートソードを頭上に構えると体制を低くして巨大な剣を受け流していく。受け流しきったところで白銀の2本の剣を舞うように縦に回転させる。
銀色の斬撃が無数走ると大きな剣は半分以上がバラバラに砕ける。
ミカは砕けると同時に2本の剣を両手に持ち攻撃をする。その2本の剣には小さな黒い羽がはえている。
ミカとアリエルの4本の剣がぶつかり合う、その間をミカのリングから放たれる閃光が走る。
剣技の腕はアリエルの方が遥かに上、それを補うように閃光を走らせるが鎧に阻まれるので効果は薄い。
アリエルの剣が振り上げられミカの剣を大きく弾き、腕を上げた状態で無防備になった脇腹を狙う。
ガチィン!
アリエルの剣を羽のはえた盾が防ぐ。
2枚の盾がミカの周りを飛び始める。再びアリエルと斬り合いが始まる。
その最中ミカが羽のはえた短剣を空中に5本投げる。短剣は意思を持ったように飛び始めアリエルを襲う。唯一剥き出しになっている顔をしつこく狙う。
アリエルが無数の斬撃が放つと短剣が吹き飛び地面に落ちる。羽がなくなった短剣は死んだように動かなくなる。
アリエルの剣を飛び回る盾が押さえる。
その隙に大きく間合いをとったミカが大きめのリングを4枚重ね構え閃光を放つ。
いつもより太く大きい閃光が床を剥ぎながらアリエルに向かう。
剣の刃を反らし盾を受け流すと、剣をクロスさせ閃光を4つに斬る。
閃光の1つは地面をえぐり、残り3つはアリエルの後ろの壁を倒壊させ外が見える。
空には映像が映っていて、メサイアとニサがトリスと戦いを繰り広げているのが見える。
ミカとアリエルの居る部屋に金色の線が破れた壁から入ってきて部屋に張り巡らされる。
それと同時に空にミカとアリエルが映し出される。
「投影魔法か。タイスが関わっているようだな」
アリエルが外の映像を見ると少し間を置いて
「ミカ、休憩を兼ねて少し話をしよう」
息を切らすミカにアリエルが話を始める。




