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アイネ隊

 トランペットの音が響き地面が割れる。

足元が悪くなり動き難そうなトリスのチェーンソーを盾が押し、その隙を槍が突き出してくる。


 右手のチェーンソーはそのままで槍を左手で掴み引き寄せ蹴りあげられニサが上に吹き飛ぶ、チェーンソーを両手で持ち盾ごとカノンを横へ吹き飛ばし、空中にいるメサイアとの距離を詰め寄り斬りかかる。

 避けるメサイアにチェーンソーを左手で持ち、空いた右手で体を掴み地面に叩きつける。

 その時落ちたトランペットに着地して踏み潰す。


「どれだけ強いのよ!この人」

咳き込みながらニサがぼやく。

その側にカノンとメサイアが集まる。

「メサイアは武器残ってますか?」

「後、2本、ある」


「魔女化したのが3人揃ってこの程度おぉぉ?笑えるわあぁ」

笑いながらチェンソーを連続で振り回す。

3人は散開して避ける。


「クリュスタッロス セレネ」

 ニサが三日月状の刃を飛ばすがトリスは刺さるのも構わず突っ込んでくる。

「まずい!ニサ!」

 カノンが盾を伸ばしてニサの手を守る。盾でチェーンソーが反れて、ウンディの穂先にチェンソーが当たり槍が飛びボロボロに引き裂かれる。


「あ、危なかったあーー、ありがとうお姉ちゃん」

「まったく、トリスは確実に飛び道具から潰しに来てます。これで接近戦を余儀なくされますね」


 再び3人で散開して間合いを取り、隙を伺いながら攻撃を仕掛ける。

「じり貧ねえぇぇ!誰から逝こうかしらあぁぁ!!」

トリスの周りに小さな爆発が起き風の刃が頬を切る。

「外したか……簡単にはやらしてくれないか」


「サキぃぃ!お前が今更何が出来る!」

「まっ、3人の手伝いくらいはするさ」

トリスの前にサキが立つ。


「サキ様!怪我は?」

「以外、ビックリ」

驚く2人に対しカノンとサキは冷静に話す。

「サキ様、申し訳ないですが使わせて頂きます」

「ああ、そのつもりだ。使ってくれ」


構える4人とトリスの間に一冊の本が投げ込まれる。

「トリス、この本に書いてあることは本当か?」


 左目は切られ、腕が4本あり右手から肩にかけてまで黒くなったアイネが立っている。


「あらあぁ?アイネ生きてたのおぉ?その様子だと制御が出来てなさそうね」

「いいから答えろ!私の姉さんを実験に使ったのかを!」


「そんなことぉ?魔物を食べさせられ、体に埋め込まれて、最後は食べられるリュウのお話聞きたいのぉぉ?どこが良いぃ?

 魔物においしい、おいしいって食べられるとこぉ?それともぉ、もう食べたくない、殺してく

れって……」

「もういい!!お前がやったのは分かった!」

トリスの言葉を遮り4本の剣で斬りかかる。


「昔の華麗に戦っていた姿はみる影も無いわねえぇ」

そう言ってチェーンソーで斬りかかるがそれをサキが止める。

「アイネ隊長の姿に思うところはありますが、今はあれを倒します」


 サキが爆弾を投げる、その爆風に身を隠し茶色く光る3本の線が走りトリスを何度も襲う。

 空気を凍らせながら青の残像が槍を振るい、その間を緑の残像が風を起こし攻防を繰り出す。


「さあ、あの3人を助ける位はやりましょうよ。元とは言え一応隊長と副隊長ですよ私達」

サキは3人の攻撃の隙間にくないと手裏剣を投てきしていく。


「隊長か……」

剣を持つ4本の手に力を入れトリスに向かう。


青い残像が言う

「4本も手があるならガンガン攻撃して下さいよ!隊長」


皆の攻撃をさばくトリスに必死で斬りかかるアイネに

「アイネ隊長は後ろ側からメインでお願いします。こちらで上手く合わせます」

緑の残像に声をかけられる。


「人が、多い方が、良い」

茶色の閃光が呟く


アイネは必死で叫び懇願する。

「私の人生最後の願いだあいつを倒したいんだ!もう隊長でも何でもない、アイネ バギンズとしてのお願いだ!すまないが力を貸してくれないか」


「勿論です、私は副隊長として支えますよ」

サキが優しく言ってくれる。


「最後とか言わなくても良いんじゃないですか?」

アイネを襲う攻撃を盾で弾いてカノンに言われる。


アイネの攻撃に合わせて茶色の閃光を走らせながらメサイアが

「アイネ、葵とちゃんと、話してほしい」

「灰の魔女か?」

「日だまりの魔女、メサイアは、そっちのが好き」

「日だまり?」


通る度にヒヤリとする冷気を放つニサが

「日だまりの森を知らないんです?隊長は仕事ばかりで世間の話題とかに疎いんですよ。後で教えてあげますよ」


「あぁすまない、流行りとかには疎いものでな」


 5人の攻撃を小傷を増やしながら受け攻撃を仕掛けるトリス。


「あの武器、邪魔」

 メサイアが突進し斧を振り抜く、その斧はチェンソーとぶつかり粉砕される。直ぐに斧を召喚し下から振り上げチェンソーの刃と本体の隙間に刺し回転を止める。


「メサイアやるわねえぇ、でもおぉ動力の心臓は今2個しか使ってないのおぉ

つまりもう2個使えば出力2倍なのよおぉぉ!」


 チェンソーの回転が上がる。けたたましい音と共に斧が砕け散り、メサイアを襲うチェンソーにアイネが手を伸ばすが、その腕ごと斬られ、メサイアの小さな体から血が飛び散る。


 更にメサイアは蹴り飛ばされ壁に激突し動かなくなる。

「まずは1人めえぇ!」


「このおおお!!」

ニサが突っ込む。

「分かりやすくて好きよニサあぁぁ!」

ニサを襲うチェンソーを盾がねじ込まれ防ぐ

「そうカノンも妹思いのところ良いわぁぁぁ!!」

 

 いつの間にか右手に持たれた大きなノコギリでカノン背中から斬りつける。


カノンは羽を飛散させ血を撒きながら地面に転がる。


「1番面倒なカノンが甘くて助かったわあぁぁはははははは」


「お姉ちゃん……」

「止まるなニサ、どんな状況でもやるしかないだろう」

隣に立ったサキに諌められる。

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