集まる色
トリスの周囲を茶色の閃光が縦横無尽に軌跡を引いていく。
その閃光がトリスを通りすぎる度に小さな鮮血が散る。
「ふうぅぅん、速いわねええ、久々よおぉ血なんか出したのおぉぉ」
トリスの右目に金色の光が宿る。
ガチイイン!!
トリスがメサイア斧を受け止める。
「魔女化、面倒」
メサイアは再びスピードを生かして斬りかかる、対してトリスはその場からあまり動かずチェーンソーで受け止めていく。
2人の攻防で周囲に風の嵐が起こる。
「デュオ」2本の斧を召喚しメサイアは大きく後ろに下がり、トリスめがけて真っ直ぐ突っ込んで行く。
3本の閃光が砂塵を撒きながらトリスに走る。
メサイアが斧を2本とも投てきすると上に進路を変え急上昇する。
「スウォーレ」斧を召喚し振りかぶる。
トリスは2本の斧を弾き、上空のメサイアに対してチェーンソーを構える。
空気が冷える
トリスは勘で体を反らす。
ザシュ!!
トリスの脇腹から血が飛ぶ。
「浅い!メサイア!まだまだ行くわよ!」
ニサが氷を纏った槍を振るう。
「ニサああぁ!ガキどもが増えやがってえ!」
トリスが激怒する。
「おばさんうるさい」
そう言ってニサは鞭のようにしなる槍を振るう。
その攻撃の隙間を埋めるようにメサイアが攻撃を仕掛ける。
ギリギリで避けながらも体のいたるところから血が流れ始める。
「ちいいぃ、これは取り回しの面では劣るわねええ」
「殺ぎ落としいぃ」
トリスの手に1メートル程の四角い持ち手のある平たい板が握られる。よく見ると細かいトゲがある。おろし金のような武器だ。
「これは痛いわよおぉぉ!!」
バキバキッ!
ニサの槍が削られる。先端がなくなり体制を崩すニサをメサイアが空中から斧を投げ、トリスの攻撃を反らして救う。
その斧もズタズタにされてしまう。
「助かったわメサイア」
「メサイア、ナイス?」
そう言うと2人はトリスの左右に別れ斧と槍で切りかかる。
「ちょこまかとおぉ!!」
苛立ち叫ぶトリスの耳に
「うっとうしいですか?」
そう声が聞こえトリスは吹き飛ばされる。
「ガフッ、カノンかあぁぁ」
血を吐き体制を崩すトリスにメサイアとニサが追い討ちをかける。
斧の攻撃を殺ぎ落としの正面で受け止め、死角から来る槍を手で掴みニサを槍ごと投げる。
その隙にカノンが盾で打撃を与えようとするが、殺ぎ落としを手放しカノンの盾を両手で受け止めカノンを盾ごと投げる。
そのまま左手で地面に落ちた殺ぎ落としを持ち、再び上から来るメサイアの斧を受け止める。
メサイアを斧ごと振り飛ばし、殺ぎ落としを後ろから向かってきたカノンに振り盾をズタズタに削る。
そこにニサが槍を伸ばしトリスの足を狙う。小さな鮮血が飛ぶがその場で回転して避けると2本の斧が飛んでくる。
それを凪ぎ払おうとした瞬間メサイアがトランペットを吹く。
2本の斧が共鳴し空気が震え殺ぎ落としの動きを一瞬止める。そのトリス目掛けニサが氷の刃になったウンディをハサミのように交差して斬りつける。
トリスは殺ぎ落としを手放し避ける。
「ガルディエーヌ」の声と共に殺ぎ落としが押し潰され砕ける。
「本体がやりたかったんだけど避けられたわ」
ニサが悔しそうにする。
「取り敢えず武器を1つ壊せましたから良しとしましょう」
「でも、メサイアの武器も、壊された」
ニサを労うカノンの隣にメサイアが空から降りてくる。
トリスがチェーンソーを手に持つ。
「魔女化だけじゃあ、きついかあぁならあぁぁぁ」
羽を展開する。黒く光る横に大きな羽、左目は赤くなる。
「堕天使化よおぉ、これで3人まとめて刻んであげるわあぁぁ」
金と赤の光を揺らしながら、チェンソーが振り回される。大きなチェンソーを軽々と操り戦う様は、元々美人であるトリスによって狂気の中にも美しさすら見せる。
対して3人は言葉を交わさずとも息ピッタリに動く。
スピードを生かし攻撃を繰り出すメサイア、氷と水の刃を飛ばしながら点と面の攻撃を仕掛けるニサ。その2人の間を攻撃と防御を器用にこなすカノン。
それでも攻めあぐねる。
それは武器メイで攻めるメサイアとニサ、体術こそ使えるがそれでも武器寄りのカノンに対して、体術を華麗にこなし、武器を手放すことも躊躇せず攻防一体の攻めを見せるトリスとの才能と経験の差であると言える。
空中に飛ぶとチェーンソーをメサイアに投げつけ避けるメサイア掴み、後ろから攻め向かって来るニサに叩きつけて重なる2人を蹴り地上に落とす。
宙に投げられていたチェーンソーをキャッチして縦に円を描くように斬る。
上空からトリスに向けて落ちるはずだった大きな盾、ガルディエーヌが真っ二つに切れ地上に落ちていく。
「弱いわあぁぁ、それにカノン!頭良い奴の考えなんて以外に単純で読みやすかったりするのよおぉぉ。あははははははぁぁぁ!」
トリスの笑い声が響く。




