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多種多様な種族達

 ドワーフの村を出て2日経った。まあ分かってた事だけどここが何処か分からない。

道もないから仕方ないのだが。


 荷物はメサイアちゃん収納してくれてるので助かってる。なんで魔女は出来ないんだろ。イグニスどうにか出来ない?

(ごめんなさい、無理です。荷物を燃やし消すことは出来ます)

とんでも無い答えが返ってくる。

魔女は意外に攻撃的な種族らしい。


「むっ 葵 何かくる」

メサイアちゃんが警戒する。

「なんだろう?4体位かな?」

リエンさんとの修行以降、感知能力も鋭くなってなんとなく周囲の様子が分かる。

 人間やめたけど、本当に人間じゃ無くなっていくなぁと改めて実感する。


 相手も警戒しているのか、ジリジリ近づいて来るのが分かる。

 やがて、茂みから1匹の犬?が出てくる。よーーく見るとあれだ!シベリアンハスキーにそっくり。あれをちょっと大きくした感じだ。

「貴女様は灰の魔女様で間違いありませんか?」

1匹の犬がしゃべる。


「むっ 先に 残りの奴を 出す!」

 メサイアちゃんがいつの間にか出していた斧で犬を威嚇する。


「も、申し訳ありません。もし我輩が魔女様の機嫌を損ね死んだ場合、皆に伝える為に待機させておいたのです。決して魔女様を貶めようなどとは思っていません」

 慌てる犬。なんか可愛い。

「お前達、出て来てくれ」

 犬がそう言うと3匹がさがさと茂みから出てくる。

「申し遅れました我輩達はシベリ族の者で、我輩がギフラ、右からコロネ、フィッセル、フーガスです」

 

 うん、覚えられない。模様は違うけど犬にしか見えないから、とりあえずリーダーぽいギフラさんだけ覚えておこう。

「私が灰の魔女であってるけど、シベリ族さんが、私に何か用かな?」


 突然シベリ族達が顔を地面に付け前足をノビーとしてお尻を上げた状態になる。

 なにこれ可愛いすぎ。


「恐れながら申し上げます。我輩達に魔女様の庇護を頂きたくお願いに上がりました」

「私の庇護を?」

「はい、勝手ながら天使との戦いを拝見させて頂きました。その圧倒的な強さと美しさに感銘致しました。

 それにドワーフの村への庇護宣言を聞いて、我輩達も庇護して頂けないかと思い参った次第です」


 力を入れて更に低く伏せる。

ヤバいめちゃくちゃ可愛い……

「むっ 何か 嫉妬心 メラメラ」

メサイアちゃんが斧を振り回す。

「ひぃ」

ギフラさん達が悲鳴をあげる。

「こらこら、斧を振り回さない。ギフラさん達怖がってるよ」

「むっ 怒られた」

と言いつつ嬉しそうなメサイアちゃん。この子の教育方針を考えないといけないな。


「ごめんなさい、ちょっと元気が良いんで……えへへ」

「あ、いえ大丈夫です。元気の良い娘さんですね」

「むっ 元気な 娘です ふふふ」


「えと、話を戻しましょう。私の庇護を受けるのは別に良いんですけど、今後の計画として天使対策として魔界の森の連携を取りたいんですよね。それに協力してもらえれば良いですよ。

具体的に何がができます?」

「我輩オスが出来るのは、狩りと、速く走るぐらいです。メスなら手先が器用なので細かい作業とか得意です」

「狩りが得意そうてのは見たまんまな気がするけど、手先が器用なメスってなんだろ?

住んでる場所って近いんですか?案内してほしいんですけど」

「承知しました。案内するので付いてきて来てください」


そういってギフラさん達の案内で住みかへ向かう。

「この森って道とか無いけど、どうやって住みかとかの道覚えてるの?」

道中同じ様な景色を迷いなく歩くギフラさんに聞いてみる。

「匂いと木の形でしょうか、我輩達は弱い種族ですので敵から逃げて遠くへ行ってしまっても必ず住みかに帰る為、瞬時に匂いなど覚える事が出来ます」

「ふーん、それは何か使えそうですね」


 そう話していると住みかへ到着する。

森のなかに木に草を編んだような家が周囲から目立ちにくいように並んでる。


「シャミー今帰った、魔女様をお連れしている。おもてなしをしてくれ」

そうギフラさんが言うと、家の入り口の、のれんが揺れて頭に犬の耳とお尻に尻尾のはえた女の人が出てくる。


「魔女様、私たちの住居へようこそ来てくださいました。たいしたもてなしは出来ませんがこちらへどうぞ」

そう言って深々とお辞儀をしてくる。

「いえいえ、こちらこそ突然来てすいません」

「腰の低い魔女様なのですね。聞いていた話しとは違うんで安心しました」

「あ、食べないですよ。みなさんを突然食べたりしないですから」

「はい、信じてます。ではこちらへ、子供達がいて狭いですけど」

シャミーさんは笑みを浮かべながら中へ案内してくれる。

 中の床は干した草で敷き詰められており、意外に広い。


「むっ モフモフ」

 メサイアちゃんが子供が寝ている、草で出来たベットを見つけ覗き込む。

「10日前に生まれたばかりなのです、宜しければ見て下さい、子供達も喜びますので。

今飲み物を用意します、少々お待ち下さい」

「へぇ~どれどれ」

私は可愛い子犬を想像しながら覗き込む。


 2匹の子犬と3人の頭に犬耳でお尻に尻尾のある子供が並んで寝ていた。

 ん?そう言えば凄い違和感を感じてたんだけどなんでギフラさんは犬型でシャミーさんは人型なの?で子供が犬型と人型って??


「あの~ギフラさん達ってオスとメスで姿が違うの?」

「えぇ、オスは狩りに特化し、メスは家を作ったり日用品や我輩達の世話などをするために手先が器用に進化した結果です」

「へぇ~、進化って凄いですね」


 人間界と世界が違えば進化の方向も違うんだね。本当に不思議だ。 

 そう言えばギフラさんとシャミーさん、どうやって子供作ってるんだろう?


想像して…………

 灰の魔女 葵 はそっと考えることをやめた。

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