鉱山の雷鳥
ドワーフの村から近くの鉱山に入る。手前はドワーフ達が採掘している坑道なので比較的安全に進める。
そのまま進み洞窟へと繋がる道に入り、山の反対側へ出る。
そこから山頂目指して上がると雷鳥の巣があるらしい。
その巣からとれる鉱石が雷の力を含んでいるのでそれを採ることと、舞は雷鳥を食べ能力を得ようとしているので雷鳥の巣が目的地となる。
「なんかわたくし達、だんだんサバイバル能力高くなってますの」
「いいじゃん、ニサも森に住めるな」
「良くありませんわ」
そんな話をしながら道中に出てくる魔物をバサバサ倒しながら2人は進む。
やがて山頂付近にたどり着いたとき、雷鳥と思われる鳥と対峙する。
「なんだろ、こうイメージしてたのと違うな……」
「ですわ……」
体長2メートル近くのずんぐりしたフォルム、お腹周りは白く他は茶色の地味な鳥がそこにはいた。
「とりあえず倒してみるか、違ったら食べよう。元々食べるつもりで来たんだから良いだろう」
「まあ食料の為なら良いですわね」
「あたしから仕掛けるぜ」「サイズ」
鎌を出すと切りかかる
ガッツ!!
舞の鎌をくちばしで受け止める
「こいつ!?反応した」
「スプレンディド」舞が受け止められた瞬間ニサも切りかかる
ガッシッ!!
足で受け止められる。
「この鳥強いですわ!」
ケーーーーン!
鋭く鳴くと羽を大きく広げる。
バチッツ!バチィ!バチィ!
羽根を中心に電気が走る。
「雷鳥だな」
「ですわ」
2人は同時に攻撃を始める。
「なかなかしぶといな。結構切ったが倒せないな」
「お肉が厚くて致命傷を与えれてないんですわ」
「どうしても近づき過ぎると痺れるんで、攻撃が浅くなるんだよな」
その時雷鳥は羽を広げ空に向かって鳴く
ケーーーーン!!
バチィ!バチィ!バチィ!
「なあ、あいつ鶏冠なんてあったっけ?しかもさっきより電気強くなってね?」
「あれですわ、葵とやったゲームでありました。怒り状態とか言うやつですわ!」
興奮気味にニサが言う。
「まあ、あれだけ切れば怒るだろうけど喜ぶ事なのか?」
「それは勿論ですわ!きっとこの状態でしかやらない攻撃とかあるんですの!」
それに答えるように雷鳥の体に鋭い電撃が走ると電気を帯びた羽根を飛ばしてくる。
「あぶね!」
「ほらほら!わたくしの言った通りですわ!」
「いや喜ぶなよ、ニサ動き止めれるか?ちょっと痺れるけど我慢して切るから」
「それならちょっと試したいことがありますの」
雷鳥が電気を帯びたくちばしで突っつく。それを避けると
「ウンディ」
折れた槍を取り出す。今までと違うのは、折れた部分に丸いカバーがそれぞれに付いてることだ。
「ノードゥス」
槍の間に水が流れだし鎖のようになり繋がる。
その槍の上部を雷鳥に投げると水の部分が伸び雷鳥を縛るように巻き付く
「舞、お願いしますわ」
「ああ、任せろ」
鎌を振り雷鳥の首元に突き立てる。だが雷鳥の厚い肉で致命傷にはなっていない。
「ブラッド ブレイド」
舞の腕から出た血が這うように鎌まで伸び黒い鎌の刃が赤くなる。
「せい!」
舞が鎌を振り抜き雷鳥は首元から斜めに切断される。
その鎌の刃は赤く長さは元の3倍位になっていた。
「やりましたわ。わたくしは鉱石を探しますけど舞いは早速食べますの?」
「いや後で食べる。今食べたら体に馴染むまで動けなくなる」
「そう言うものですの?」
「相手の強さと相性によるけど多分これは時間がかかる気がする」
「じゃあ、お肉を持って帰るしかありませんわね。あ、剥ぎ取りは3回までですわ」
「いやなんだよそれ?運べるだけ剥ぎ取るぞ」
ニサは鉱石を見つけ魔方陣へ放り込む。
雷鳥の肉は入れられないので舞が持てる分だけ運び帰路へ着く。
ーーー葵ちゃんの修行④ーーー
「葵ちゃん、集中、集中」
私はイグニスを体中に巡らせる訓練をしている。
手、足が暖かくなる、続いてお腹も暖かくなり、目、頭も暖かくなる。
「葵ちゃんとイグニスちゃんの魂は1つ。もっと奥の方から力を持ってくる感じよ」
……奥……私と同化しているイグニス
今までバラバラに戦っていた。
一緒に戦わなきゃ……
更に暖かく……熱くなる
体の底から熱くなり外へと出る感じ……ボッと手足が熱くなる
見ると手足は手首、足首の先から皮膚が赤くなり燃えている。髪の毛からは火の粉がふつふつと湧いては空中へ消えていく。
「これ……」
「ええ成功よ。次はそれを持続しつつ武器も召喚出来るようにならないといけないわね」
「やったー!出来た、出来た!」
はしゃぐ葵を見てリエンは微笑みながら思う
……魔女はアニママスの能力に引っ張られて髪の色が変わってしまうけど葵ちゃんは黒いままね。
黒髪から出る火のアニママスの力が、くすぶった灰みたいで良い感じね。
灰の魔女……くすぶりの火。どう世界に関わって来るのかしらね……