謝罪
あの事件から3日たった。事件が起きたのは金曜日だったので土日を利用してゆっくり休み傷を癒す事が出来た。
そして月曜日の学校が終わって私とミカはコメドコーヒーに座ってコーヒーとミルクセーキを飲んでいる。
「ミカ、そろそろ話してもらいましょうか」
テーブルに手を置いてグッと近寄る。
「いや、えぇとその~」
目が泳いでるミカに追い討ちをかける。
「ミカ テレーゼさん私は怒っています!」
テーブルを軽く叩く。
「本当にごめんなさい」
しょんぼりとミカは謝る。
その姿に逆に申し訳なくなった私があたふたする。
そんな私に
「本当にごめんね。説明すると長くなるんだけど……」
そう言ってミカは自分が天使であること、私に近づいたこと、あの事件のとき助けに来たことなんかを必死に説明してくれた。
「……つまりミカは天使の師団長で私の魂に何かが混ざってる可能性を見極める為に近づいて監視して、結界とやらにに阻まれて助けに来るのが遅れたと」
「いやまあ、近づいたのはそうなんだけど、騙すとかそう言うつもりはなかったんだ。だってアオイのことその、気になるて言うか大事って言うか……」
シドロモドロでミカは必死に訴える。
「ふーーん」
ジーーとミカを見ると、若干涙目で
「信じられないだろうけど、本当に……えっと」
ミカはうつ向く。
「信じるよ」
「だよね……って、え?」
「だから信じるよ。助けに来てくれたとき本気なのは伝わってたし、今も本気なのは分かるよ」
「嘘をついてた件は助けに来てくれたのと、この間のクレープとカフェラテの貸しでチャラね」
「えっ!?いやだってここは騙した私を責めるとこじゃん」
「なに、信じて欲しいの?嫌なの?」
意地悪な笑顔でミカを見ると、ミカは恥ずかしそうに
「ありがとう……」
と言った。
「部下はいっぱい、いるんだが友達は1人位しかいないしどう伝えて良いものか分からなくて……本当にありがとう」
「お礼を言うのは私、助けてくれてありがとう」
「でさ、結局あの犬ゾンビってなんだったの?」
「犬ゾンビ?あぁあれ、魔物の類いだとは思うんだけど見たこともないし結局、分からない」
ミカは首を傾げる。
「じゃあさ、私の魂に混ざっているものって何?」
「おそらく「魔女」だと思う」
「魔女?」
私の脳裏に大きな三角帽子をかぶって怪しい液体を混ぜながらヒヒヒと笑うお婆さんが浮かぶ。それともねるねるか……
「多分今想像しているものは違うと思う」
ジーーとミカに見られる。
「えーーじゃあどんなの」
「めったに姿は見せないんだけど昔会った風の魔女は気さくな感じだったよ」
「想像つかないなあ、ところで昔っていつぐらい?」
「んーー300年前位?」
ゴフッ、ゲホ、ゲホっコーヒーが気管に入った。
「ミカ今何歳?」
「ひ、秘密だ。いくつになっても歳は気になるんだぞ」
本当に恥ずかしそうに拳を上げるミカ。
「分かったよ、じゃあもう1つ。ミカ、普通に話せるんだね。アメリカ人は設定?」
「はい、ノーアメリカ人です。あのしゃべり方は16歳位の女の子に囲まれてどもった結果です……ハイ」
頬を膨らませ顔を赤らめてミカは話を続ける
「だってなんか皆、キャピキャピしててどう話していいか分からないし歳の差考えたら恥ずかしくって」
「なにそれ、可愛い!」
「いや可愛いとか言うな!」
両手を千切れんばかりに振るミカはやっぱり可愛いかった。