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ハナコさん、暴れすぎッ!  作者: 鷲空 燈
最終章 『狂信の果て』【樹神幸子】 ※【第Ⅱ部、Ⅲ部ダイジェスト】   
42/49

第36話 【一年後……】

※これ以降の話は、プロットに少し肉付けした体裁になっています。

(打ち切り作品のため、これ以上の労力を割けませんでした)


伏線の回収や、大事な箇所は物語形式で書いてますので、よかったらお読みください。

(本来20万文字のところを、1万5000文字にしているため、箇条書きの箇所が多々あり)

「慎次郎くん!」


 病室に飛び込むなり、女性は叫んだ。


「よぉ」


 禁煙たばこをくわえ、ベッドの上で上半身を起こしている男が、右手を挙げた。


「よぉ……じゃないわよ……バカ……」


 女性は入り口に立ち尽くし、ポロポロと涙をこぼした。

 



 数分間泣きじゃくった女性が、男から受け取ったハンカチで三回鼻をかんだ頃、男が口を開いた。


「ずいぶん長いこと、寝ちまったみたいだな」


「寝過ぎなのよ……バカ探偵……ヒック、ビーッ!」


 女性が四回目の鼻をかんだ。

 

「全部終わったのか?」


 そう訊きながら、安い方のハンカチを渡して正解だったなと、男は思った。

 

「えぇ、ごめんなさい。あの坊やは……」


「……おまえのせいじゃないよ。あいつは自分の罪を償いたがってたんだ。最後に、尊敬するおまえを守れたんだ。あいつも本望だろうよ。――あれから何があったか教えてくれるか?」

 

「そうね……まずは、わたしが留置所に入ったところからかしら」


「馬殿……高橋美冬の旦那から訴えられたやつか?」

 

「そうよ。まぁ、()()()()()の夫をそそのかした悪徳弁護士には、相応のお礼をさせてもらったわ」


「あぁ、そんなことあったな、だんだん思い出してきたよ。どうしてすぐに出なかったんだ? お前のお抱え弁護士なら簡単だろ?」

 

「出ようと思えばすぐに出られたけど、”気”を溜めるために利用したのよ。その頃ちょっと使い過ぎちゃってね」


「おまえの力は充電式だったのか……」


「まぁ、似たようなものよ。でも、同室のギャングの女ボスがうるさくて、瞑想できなかったわね。それで、ぶん殴って黙らせたんだけど、逆に懐かれちゃってね。もっとうるさくなったから、弁護士をつけてやって、出て行ってもらったわ」


「類は友を……いや、なんでもない……」


「……なによ? それに、しつこい刑事がいたわね。いけすかない、嫌なやつだったわ」

 

(《補足》:”気”を溜めるには、結跏趺坐で瞑想)

(《補足》:10時間瞑想して5%ほどチャージできる)

(《補足》:女ボス:幸真教が大嫌い、刃那子にぶん殴られて惚れ込み、後に味方に)

(《補足》:勁”を使うための”気”は50%ほどになっていた。

《補足》:角山卓也に10%以上使った)

《補足》:数日後、出所すると、秘書と一緒にいた人物は……。

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