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異本の消失 -6-
数分後、トイレを済ませて教室に戻ると、合計3人の視線が翔を出迎える。翔が机に着くと、早速千野が話し始める。
「で、何の用なの?」
「あ、あの、ちょっと困った事があるというか、その…」
「おい、張り切るのは良いが、もっとゆっくり聞いてやれよ」
思わず横槍を入れてしまう。その言葉に安心したのか、黒髪の少女は今度ははっきりと話を始める。
「誰かのいたずらだと思うんですけど、図書室に返したはずの本が私の靴箱に入ってたんです」
「事件ってことか!?」
それを聞き、思わず海斗が乱入してくる。確かに、聞いた感じだと妙な話である。
「事件って程じゃないんですげ、もし犯人が分かるのなら助かるなぁ…って思って来たんですけど、どうでしょうか?」
「うーん、もう少し詳しく聞かせてもらえる?」
千野が難しそうな顔をしながらさらに話を聞こうとする。部活として活動してるじゃん、と半分感心しつつ、さらに話に耳を傾ける。




