烈火の饗宴 -10-
「まず、犯人は単体だ。そしてそう考えた場合、科学部は犯人候補から外される。もし科学部が犯人だとすれば、1人で金属ナトリウムなんて借りることなんてできないはずだからな」
「…根拠は?」
「科学部は、部活動としての実験のために薬品や実験道具を借りる事は認められているが、それ以外では薬品や実験道具を借りる事は出来ないらしい。それも、実験を行うには先生が付き添うらしい。これは先生に聞いた事だから間違いない」
翔が先程職員室で質問した事は勉強の事ではなく、この事だったのである。
「そして、単体の犯人は、自宅から升と金属ナトリウム、そしてティッシュ1箱を持って神社に向かった」
「ティッシュ?」
「まぁそう慌てるな。犯人は、まず、升の中にごく少量の水を入れ、細くしたティッシュの先端のみが水に浸るように入れた。そして、ティッシュ箱の中からティッシュを全て取り出し、その箱の中に金属ナトリウムを入れ、それに細くしたティッシュのもう一方の先端が触れるように設置した。そして、その周りに残りのティッシュを適当にばら撒いた」
「そうすると何が起こるのよ」
「水は、ティッシュの先端をから、ティッシュを伝い、ティッシュ箱の中の金属ナトリウムに到達する。そうだな、導火線みたいな感じだな。すると、金属ナトリウムが水に反応し、燃える。それが一瞬の事だとしても、周りにばら撒かれたティッシュに引火して、すぐに火は広がった」
ティッシュには水が染み込みやすい。それを利用して、ティッシュを導火線がわりにしたのでは、と翔は考えたのである。




