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異本の消失 -5-
学校生活が始まって約1週間。今日も放課後がやってくる。
「おーい、翔、部活行こうぜ!」
「言われなくても行く。全く、お前いつも元気だな」
海斗とは皮肉な事に秘密探偵部のおかげで友人になれた。お互い正反対な性格だが、それはお互い気にしていない。部室に着くと、やはり千野は既に机に着いて2人を待っていた。
「遅い遅い! 事件があったらどうするのよ!」
「んな事言われても、この1週間、事件なんて起こってねーだろ…」
そう。事件は起こっていないのだ。これではもはや部活ではなく、ただ空き教室に溜まっているだけである。個人的には悪くないのだが、学校的にはまずい事だろう。
「なーんか事件起こんねぇかなぁ〜」
暇そうに呟く海斗を尻目に本を読んでいた翔だが、突然トイレに行きたくなり、席を立ち、扉を開ける。そこには、黒髪のロングヘアーの少女が立っていた。
「…なにかご用ですか?」
念のため声をかけてみると、帰って来たのは意外な答えだった。
「あ、あの! ポスター見ました!秘密探偵部とはここのことでしょうか!」
まっすぐとこちらを見つめる瞳に、厄介ごとの予感を感じた。




