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夕刻の響曲 -13-
「ちなみに、ここで言う大きな音はピアノの音を指す」
「でもピアノには何も無いって…」
「そうだ。ピアノには仕掛けなんて無かったんだ」
そう言って翔は窓の辺りに近づき、窓の外側の出っ張りにギリギリ乗っかっている自分の携帯電話を回収する。そして、頼む、と海斗に声をかけると、再び海斗は携帯電話を操作する。すると、あの不協和音が翔の携帯電話から鳴り出した。
「今は俺の手元に携帯電話があるのが見えてるから分かると思うが、音が反響するこの部屋で大音量で音を鳴らすと、音あらゆる所で反射するせいで音の発生源が曖昧になるんだ」
「確かに、さっきはどこからピアノの音が鳴ってたのか分からなかったです!」
「そうだ。だけどピアノの音を鳴らせるのはピアノだけだ。だから被害者達はピアノが勝手に鳴り出した、と勘違いした。これが怪奇現象の正体だ」
一通り推理を終え、ふぅ、と息をつく翔。それを見る3人の表情は驚きでいっぱいだった。




